치맥(BIGSTARで妄想) -31ページ目

치맥(BIGSTARで妄想)

BIGSTARで妄想を書き綴ってます。
クレームは受付ませんのでよろしくお願いします。
リクエストは受付ます。しかし、思いつかなかったら書けませんので悪しからずww

仕事で月に一度郊外に行く日。
それはお気に入りのカフェに向かう日でもある。
そのカフェは、テラスのレイアウトもいつもピシッとしていてとても気持ちが良い。
半年前、たまたま通りかかったカフェの店先で、テーブルの角度をあれこれ変えては戻しまた並べては首をかしげている青年がいた。

その様子が何だか可愛くてついついそのカフェに入ってしまった。
アメリカーノを注文し、席に着く。さっきの彼が気になり、テラス席へ行ってみる。
まだ考えながら角度を調整している。
邪魔にならないよう、端っこの席に座り本を読みながら彼の様子を伺う。
不慣れなのかエプロンのリボンの結びが立ってしまっている。
シャツも真っ白でノリが付いているようだ。
新人さんかなと思いながら、彼の顔を覗き見ると、育ちの良さそうな綺麗な顔立ち。清潔感のある目元がとても魅力的だった。


それから、毎月そのカフェに通うことが私の楽しみになった。
彼に会えた日は何だかウキウキして、会えなかった日は、辞めてしまったのかと少し不安になったり…。

そんなある日、今日もカフェに向かっていた。店先に彼の姿は無い。
あー今日はいないのかな。と思っていたらカウンターに彼の姿が。

何故かとても緊張した。
なぜなら、今まで彼と話したことが一度も無いから。
「いらっしゃいませ」
と彼の声が。
少し鼻声だけどよく通る綺麗な声だと思った。私は恥ずかしくて顔を上げられず、注文は決まっているのに声に出せない。
「注文はいかがなさいますか?」
早く答えなければ…変に思われてしまう!彼がこっちを見ていると思うとどうしたらいいかわからなくなっていた。

勇気を出して、
『アメリカーノください』と顔を上げてみた。そこには綺麗な目でこちらを見つめる彼が立っていた。

「あ、ごめんなさい!」と彼がビックリしたような顔で謝ってきた。
その顔があまりにも可愛くて思わず笑ってしまった。
『ハハ、何でごめんなさいなんですか?アメリカーノください』
ともう一度伝えた。一気に緊張がほぐれ、何だか彼に癒されてる自分がいた。

「いや!あの…アメリカーノですね!かしこまりました!!」
と彼は慌てて準備に取り掛かっていった。

手つきはぎこちないが、たくさん練習したのだろうとわかるようなマニュアルに忠実で丁寧な作業。
「お待たせしました。」と出てきたのは注文と違う、カプチーノ。
あれ?とは思ったけれど、彼と話せたことが嬉しくてそのまま受け取り会計を済ませた。

カウンター横のテーブルで砂糖を入れようか悩んでいると彼がテラスへ向かっていった。私もテラスへと自然に向かっていた。

彼と話したくて声をかけたが、なんと席に案内し椅子まで引いてくれた。嬉しくて舞い上がりそうになったが、そんな気持ちを表に出したくなくて、さりげなく『ありがとう』とだけ言った。

少し本を読んでゆっくりしながら、彼を盗み見ると一生懸命レジで仕事をしている。

今日はもう話せないかな。

『また来月ね』と小さく呟き、店をあとにした。