アパートに到着した私は思わず部屋の広さに感激してしまった。
私は元々Kpopが好きで韓国語の勉強を始めた。教室にも通っていたので今ではそこそこ話せるようになった。
それが社内で噂になり、今回うちの会社の支社が韓国にでき、言葉が話せる私がそこへ異動となった。
確かに韓国は好きで年に何回か旅行に行ったり、好きな歌手のライブに行ったりもしてる。でも、長い期間生活しながら、そこで働くのとでは訳が違う。
必死に部長に抗議もしたが、「会社のキマリだから」と取り合ってくれなかった。
見かねた上司が、せめて住むところくらいは…と広い綺麗なアパートを会社で用意するよう交渉してくれたようだ。
それに感謝しながら、荷物を片付ける。
明日からは早速韓国支社に出社しなければならない。
「おはよ…アンニョンハシムニカ。」
出社して挨拶をする。
簡単な会話なら、私の語学レベルでもなんとかなったが、細かいニュアンスや専門用語などはまだまだわからない部分が多く翻訳機に頼ったり、日本語がわかる同僚に助けてもらいながらこなしていく。
こんなんでやっていけるのだろうか…
改めて言葉の壁を感じ、絶望的な気持ちとやらなければという責任感が交錯していた。
先ほど、新しい上司も、こんなんで大丈夫なのか?と東京の本社の人間に電話しているのも見かけてしまった。
…悔しい。
何とか1日を終えて帰宅する。
こんな日が毎日続くのかと思うと目の前が真っ暗になった。
明日が見えないとはこのことなのかと身に染みて感じた。
もぅ明日から会社に行きたくないのが本音。ウジウジ悩んでいるのもらしくないが、さすがに光が見えなくて辛かった。
こんな時は大好きなBIGSTARの曲を聴いて元気を貰おうと携帯に手を伸ばす。と、同時に何かの通知が来た。
急いで開くと1番応援しているBARAMがインスタを更新していた。
インスタのBARAMは黒っぽい服を着て澄ました顔で写っていた。
よく見ると、なんと私が2ヶ月前にプレゼントしたパーカーを着ていたので1人テンションが上がる。
急いで仲の良い友人達に報告すると、みんなから「おめでとう!」「良かったね!」「さすがです。BARAMのクローゼット」とふざけながらも一緒に喜んでくれた。
嬉しい気持ちで天井を見つめながらニヤニヤしているとまた、携帯の通知。
それは会社の同僚からで、明日の夜に、私の歓迎会をするから空けておけとのメールだった。
一気に現実に引き戻されたが、嬉しい気持ちが勝ち、気持ちよく布団に入った。