星がくっきりとキレイに見える夜。
彼から突然電話かかってきた。
「ご飯行かない?」
『いーよー!でもこんな時間に?』
「ダメ?」
『ううん。全然いいよ!じゃあ、いつものあのお店で』
夜道を急ぎ足でお店へ向かう。
何となく彼から連絡が来る気がした。理由はわからない。
ただ、ほんとに何となく。。。
胸騒ぎとゆーわけではないけど、そんな気がしたので、何かあったのかもしれない。そんな気持ちになり、自然と私の足を急かす。
こっちは寝巻きに近い格好なのに、向こうはずっと外出してましたって感じの格好。
あれ?家に帰ってないのかな。また練習を頑張り過ぎてしまったのかもしれないな。
「ごめんね、突然。お腹空いちゃってさー」
『ホント、びっくりだよー(笑)じゃあなんか食べよ。』
いつもよりテンションが高い彼。
「チヂミとーキムチとー、あ、あとこれとこれもください!!あ、あとこれも!」
『そんな食べれるの?すごい量だけど、今日そんな練習ハードだったの?(笑)』
「いや、今日は夕方で練習終わって軽くミーティングして終わりだったよ。さ、食べよ!」
『うん…』
怪しい。とにかくテンション高すぎるし、何かあったとしか思えない。でも言わないだろーなー彼の性格からして…
食事中もひたすら最近聞いた音楽や楽しかったテレビの話を一方的に話してる。
いつも私の話を聞いてくれるばかりなのに、本当に珍しいとゆーか初めてかもしれない。
一通り食べ終わったので、
『で?どうするの?話すの?話さないの?』
私のその問いかけに、本当に驚いた顔で見つめてくる。
「え、ヌナ…何で?別にあの…何も無いけど。ご飯おいしかったね!」
やはり、話す気は無いのか。少しイジワルをしてみる。
『ふーん、じゃあ帰ろうっか。』
と立ち上がろうとすると
「ごめっ!もう少しだけここにいて…」
と立ち上がる時に置いたテーブルの私の手をキツく握りしめてくる。
ゆっくりと座り直して彼の顔を見つめる。。。
伏せたまつ毛が微かに震えてる
「はぁ。。。やっぱりヌナはすごいよ。ホントに今までこんな人に出会ったことないよ。」
「今日さ…」
とポツポツ話しを始めた。
言葉を選ぶようにゆっくり丁寧な語り口調は、リーダーとして誰にも言えず、こんなことを話してもいいのかという戸惑いも感じさせる。
一通り話終わり、ようやく伏せていた顔がこちらを向き、潤んだ瞳と目が合った。
あまりの真っ直ぐさに、はっとしたけれど、それは話してスッキリして自分で整理できた証拠。
あえて何も言わず、笑顔を向けてみた。
「ごめんね、こんな話して。。ヌナはどう思う?」
『…自分で答え出てるんでしょ?(笑)』
「ハハハ。ホントなんでわかるの?(笑)すごいな…ありがと!スッキリした。
じゃあ行こうか。遅いから送らせて?」
彼と並んで歩く夜中の街。
凍てつく寒さも、彼が悩みを相談してくれたという嬉しさでほとんど感じない。
なのに、しきりに、
「寒い?マフラーして?コートのボタンは閉めた?」
と心配してくる。
これは悩みを相談したことの照れ隠しだ。
『大丈夫だよ、いっぱい着てきたから(笑)』
「あ、でもさ、こんな寒いし!じゃあ手だけでも!」
と言って私の右手を握り自分のコートのポッケに乱暴に突っ込む。
これも照れ隠しだ。
歩いて15分の道も、何だかウキウキしてあっという間に家の前。
何でだろ、嬉しくて何を話したのかもわからない。
『送ってくれてありがと!寒いから気を付けてね。また連絡するね。』
と彼のコートから手を出そうとすると、その手を自分の方へ引っ張るので自然とすっぽりと彼の腕の中へ。
『お!どーしたどーした(笑)』
「ヌナ…黙って。」
え?と顔を上げると真剣な彼の顔が目の前に。
「ホントにありがと…」
とギュッと抱きしめられた。
『ううん。話を聞いただけだよ。全部自分で解決したじゃない?やっぱり私の好きな人はカッコいいな~(笑)』
「ヌナ…俺にはヌナだけだよ…」
彼の吐息が近付いてきて私の吐息と重なる。
その時降ってきた雪の白さすら目に入らなかった。
Fin