(S→ソンハク R→レファン F→フィールドッグ B→パラム J→ジュドゥ )
S「いや、あの、ぼ、ぼ、僕とあっちで滑らない?教えるよっ!」
ヌナ『え、あそこは上級者コースじゃん!私には無理だよ…ぱらむとかfeeldogと滑って来ていいよ!』
S「え、あ、うん…そーだね。ごめん」
焦りすぎて、ヌナを誘うことに失敗してしまった。
何かすごく変だったよな今…ヌナ怒ってるかな…あぁ。。。
心配でヌナの顔を盗み見る。
ヌナ『何それー(笑)』
ぱらむが変な形の小さい雪だるまを作っているのをジュドゥと一緒に楽しそうに見ながら笑ってる。
あ…よかった。怒ってないや…
でも…。
横を見るとfeeldogは何となくつまらなそうな顔をしてレファンのスノボ指導をしている。
feeldog、さっきから何となくおかしいような気がするな…ヌナかな…?
そんなことを考えてると不機嫌そうにしたfeeldogが突然口を開いた。
F「ご飯食べよ。早くロッジまで降りよ」
B「あ、確かにお腹減った」
ヌナ『じゃあ、下まで降りよう!ジュドゥ、ゆっくり降りよう?』
R「ヌナ、僕もゆっくり降りるよ?一緒に…一緒に!!」
S「僕がヌナの手伝いはするからっ!」
ヌナ『じゃあみんなで一緒に降りよう!』
ヌナ、レファンとジュドゥ、僕はゆっくりと下まで向かう。
ずっと不機嫌なfeeldogはさっさと降りて行ってしまった。
それに気付いてかどうかはわからないけど、振り返って僕たちを見た後、少し躊躇しながらもぱらむもスーッと先に降りて行ってしまった。
こーゆー時のぱらむは本当に空気が読める。
ヌナ『ハギも先に行ってもいいからね?滑れる人はいいな~』
S「先に行くわけないじゃん!ヌナが危なかったら僕が助けるって決めたし」
ヌナ『お、本当に?頼もしいな~(笑)』
なんとか下まで滑り降り、みんな揃って少し遅いお昼ごはん。
すでにfeeldogとぱらむが席を取っておいてくれてる。
ご飯はカウンターに並び、好きな物をトレーに乗せて、最後に会計というスタイルだ。
順番に並んで、好きな物を取っていく。
僕の後ろはレファンでその後ろにヌナがいる。
R「ヌナ、僕が取ってあげるよ。これは?食べる?あとこれは?うん?こっち?これは?」
ヌナ『そんな食べられないよ(笑)レファンありがと。自分で取れるから大丈夫だよ(笑)』
R「大丈夫!僕に頼って?頼りない?」
ヌナ『ハハハ。ご飯で頼ってって…(笑)じゃあ、これと、それが欲しいな』
レファンとヌナは楽しそうにトレーに好きな物を乗せている。
僕も仲間に入りたいけど…何て言えばいいの…?
みんなそれぞれ会計が済んで席に着く。
feeldogが黙って立ち上がって何処かに向かって歩き出す。
それを追うようにヌナも歩き出した。
僕たちは何があったのかわからないまま、2人を見つめる。
すると2人はセルフコーナーで水を汲み始めた。
feeldogって本当に気がきくな。
それに気付いたヌナもすごいけど。
見習わなくちゃな…
2人はそこで何だか楽しそうに話しをしている。
遠くて何を話しているかはわからないけど、とても仲が良さそう。友達とか家族とかの仲の良さじゃなくて…そう。恋人みたい…
僕は見るのが辛くなって目を背けた。
しばらくすると2人が戻ってきた。
どことなく、2人の空気がぎこちなかった。
ヌナ『えっと…私の席は、あ、ここだったわ』
feeldog「レファン!それ一口ちょうだい!ジュドゥ、水こぼすなよ?ソンハク!それ取って。」
ヌナ『ぱらむ、これ美味しいよ!レファンも食べる?』
席についた途端2人して別々に喋りまくってる。
何かあったのかな…これは間違いなさそうだ。。。何だろう。すごく気になるけど怖くて聞けない。
じゃんけんで負けたレファンとヌナが後片付けをすることに。
トレーにまとめて返却台へと2人で運んでいた。
後ろ姿を見ると何となく良い雰囲気。
レファンもニコニコしていてとても楽しそう。
僕達は先に外に出て、ボードなどの準備を始めた。
そこに、片付け組の2人が戻ってきたが、2人とも顔が赤い。
全く会話もしてなくて、明らかにさっきの雰囲気とは違う。
何かを察してか、feeldogがレファンを誘って先にリフトへ向かった。
ヌナ『あ、じゃあジュドゥ、一緒に行こう?へたっぴ組はボードを持って一緒に乗ろう!』
ヌナも完全に焦ってる。
どうしたんだろう。気になって気になって仕方ない。
ヌナとジュドゥの後ろのリフトにぱらむと乗り込む。
ヌナ達は楽しそうに話しをしている。
ヌナはジュドゥが本当に可愛いんだろーなー。弟のように思っているのかスキンシップが多いように感じるし、ジュドゥに向ける笑顔がとにかく優しい。
満面の笑みでジュドゥがヌナに向かって何かを言った。
でも次の瞬間、ヌナが下を向いてしまった。
そのあとも会話をしているようだったけど、ヌナはただうなづいたり、ゲレンデを眺めたりとよそよそしい態度をとっているのがバレバレだった。
B「告白でもされたな(笑)」
S「ヒョンも、やっぱりおかしいと思う…え!嘘!告白!?」
B「あ、わからないけど。なんとなく…」
S「なんで!違うよ!絶対に!え!あ、うん。違うに決まってる!」
僕は認めたくなくて必死にぱらむの言葉をかき消した。ぱらむはそれからは何も言わなかった。こーゆー時、レファンだったら「だって、そうでしょ?」とか言ってずっと聞きたくない話しをしてくるはず。今は隣がぱらむで良かったと心から思った。
それでも僕はヌナが告白されたかもしれないことが、気になって気になってスノボに身が入らなかった。
幸いにもヌナ達初心者組も上達したので自分達で自由に滑っている。
ヌナが曲がり方を教えて欲しいというので、2人でなだらかな斜面でレッスン。
ヌナ『あれ?ここでひざを曲げて…』
S「違う違う(笑)逆のひざを曲げて体重をこっちにかけて…あ、危ないっ!」
ヌナがバランスを崩して倒れそうになる。
僕は考えるよりも先に身体が動いた。
気づいたら、僕は仰向けに倒れている。
ヌナは…?
頭だけ起こして探すと僕の胸の上に倒れていた。
S「ヌナ…大丈夫?」
ヌナ『ふふふ。ありがと。全然大丈夫。こーやって助けてくれた人がいたから(笑)』
あ…ダメだ。そんな笑顔で僕のことを見たら…
いてもたってもいられず、思わずヌナを抱きしめた。
ヌナ『ソンハク…私大丈夫だよ?怪我してないよ?』
S「ヌナ。ヌナが好き。その笑顔、僕だけの物にしたい。」
ヌナ『…』
しばらく待ってもヌナの返事はない。突然過ぎだよな。
S「ヌナ、ごめん。急過ぎだよね(笑)驚かせてごめん。でも心から思ってるよ。ゆっくりでいいから返事考えて?」
ヌナ『///あ、あの…返事…』
僕は返事を聞くのが怖くて、ヌナの言葉を遮る。
S「みんなが心配するから起きよ?ほら、せーのっ!」
起き上がった頃、みんなが集まってきた。
J「大丈夫?」
R「怪我してない?おんぶするよ?」
ヌナ『全然大丈夫!ソンハクが守ってくれたから』
F「良かった…ヌナになんかあったら…え、あ、ご飯が明日から食べられなくなっちゃうなーってね///」
ヌナ『///大丈夫!ちゃんと寮母の仕事はやります!』
夕方になり、帰る準備をして車へ。
帰りもぱらむが運転で隣にはヌナ。
その後ろに僕とfeeldog。
1番後ろにレファンとジュドゥが乗り込んだ。
レファン、ジュドゥ、feeldogは車に乗った瞬間に寝てしまった。
相当疲れたようで、少し大きな音で曲をかけても全然起きなかった。
僕もウトウトとし始めた頃、ぱらむがヌナと話し始めた。
B「今日、楽しかった?疲れてない?」
ヌナ『うん、すごい楽しかった!何?気遣ってくれてるの?嬉しいなぁ(笑)』
B「あ、うん。遣うよ。」
ヌナ『お、ありがと。優しいじゃん(笑)』
B「…ヌナには…ね…」
ヌナ『え?』
B「いや…あっ…うん…」
ヌナ『何か隠し事?さては悪いことしたな?』
B「違う…」
ヌナ「これから誰かにイタズラするとか?(笑)?えー何々?教えて?」
僕は耳を澄ませた。絶対ぱらむも告白をするような気がしたから。
でもその後の会話が聞こえない。あれ?と思って少しだけ目を開いてみた。
(あっ…!)思わず声が出そうになった。
ぱらむがヌナの手を握っていた。
B「わかった?」
ヌナ『…っ///』
B「みんなからもでしょ?」
ヌナ『…う、うん…見てたの?』
B「見てればわかる。」
みんなやっぱり、ヌナが好きだったんだ。
僕はヌナの返事が知りたくて寝てるふりをした。
B「返事決めてるんでしょ?」
ヌナ『うん…わかる?』
B「まぁ…わかるよ。」
え?ぱらむじゃないの?ヌナの好きな人は誰?feeldog?レファン?ジュドゥ?まさか…僕?
知りたい!でも聞きたくない…
ヌナ『私ね。みんなが好きなの。欲張りだよね。でも、みんなと仲良くしたいし、誰も傷つけたくない。そんなの偽善者ってわかってるんだけどさ』
B「思わない。今まで通りで大丈夫。相談乗るよ。」
ヌナ『うん…ありがと!ぱらむは頼りになるなー』
B「いつも優しいでしょ?(笑)」
ヌナ『ハハハ!そーだったね!』
ヌナはみんなが好きなんだ。
残念な気持ちとホッとした気持ちとですごく複雑な気分。
でも、ホッとした方が大きいかもしれない。
いつかヌナを僕の物にしたい。
その気持ちは変わらない。
でも、彼女を振り向かせるにはまだまだ時間が必要だ。
fin