JACROWの中年達の遊戯 | 工房長のぼやき

工房長のぼやき

チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
思いついたことをカタカタ書いています。

JACROWを観に行く。


コロナ前にJACROWで助演出をしている

野月さんと知り合い、

それからは予定さえ合えば

観に行くようにしております。


ジャンルにすると

社会派演劇になるのかな?


ビジネス系の話が多いですが

映画・ドラマでは体験できない

演劇ならではのビジネス演劇です。


田中角栄を扱った「闇の将軍4部作」が

現時点での代表作になると思いますが

他のビジネス演劇も面白いので

違う代表作がきっとこれから出てきます。


ただし、

大人でなければ楽しさ半分と

思っていいです。


というのも

やりとりの面白さだけでなく、

作品の中身で

問題に対して様々な人の、

いろいろな思惑が同時に起こって、

ある一点に収束していく気持ちよさが

あるからです。


冒険ファンタジーが好きな子供には

なかなか難しいと思います。


大人になって管理職につき

ようやく分かることもあり、

彼らが大人になるまで

続けていればとても面白い経験になるのですが。


10年、20年先にどうなっているかなんて

分かりませんから、

どうなりますか。




今回の「地の面」は

中年男どもの遊戯です。


冒頭の遊戯は

頭にこびり着きます。


JACROWの麗しのビジネスガールたちが

見られないのは残念でしたが、

中年男どもの遊戯の破壊力の凄まじさといったら。


まず、40代前後以上の俳優構成は

実際かなり難しいはずです。


それを実現できている凄さと

全員が達者な俳優ときたもんだ。


彼らが舞台上で話すどれもが魅力的で

味があるときたもんだ。


そして、俳優だけでなく

道具類、照明、音響、映像と

それぞれの見せ場がある。


また物語だけを追う演劇ではなく

社会派っぽくありながら難しくなく

軽く見られる演出で

演劇体験を丸ごと楽しめます。


全体を通して感心したのがアナログ感。


出演者が中年なところに

アナログ感はとても大切です。


実際にアナログなのではなく、

照明はLED使ってるし、ムービングもあるし

音響はパソコンやサンプラー使っているだろうし

プロジェクターは野外で使えるくらい

でっかいやつだし、

それらを駆使しながら

アナログに見せるようにしているのが

なかなかにくい。


映画・ドラマではなく

演劇で見る意味がどこにあるか。


それを体感するのに

とてもいい芝居でした。