唐十郎は、俳優にとって信仰する神です。 | 工房長のぼやき

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チームスチームパンの工房長、安達俊信の日々是之。
思いついたことをカタカタ書いています。

唐さんが亡くなった。


5/4、寺山修司さんと同じ命日だそうです。


年齢が年齢だけに

いつそうなるかとは思っておりましたが、、、

84歳。







僕は

状況劇場や唐組の劇団員さんたちみたいに

唐さんと絶えず空間を同じくしてきた人たち

ではなく、

でも、唐さんの作品に出演した

という感じでもなく、

唐さんとある一定の距離を保ち続けた

特殊な関係だと思います。


絶えず唐さんの言葉が目の前にあり、

唐さんを絶対と信じ、

どこまで自分たちで詰めていく、

ということを、中野敦之の元やりました。


僕自身は、

キリストに直接言葉を聞く13使徒ではなく、

13使徒から教えを請う立場であったと思います。






20本以上の唐さんの作品に関わって、

「無理だろ」

とはじめた頃は思うことばかりでしたが、

いつの間にか

「ま、なんとかなるでしょ」

と楽観的に前のめりで突っ込んでいけるくらいの

経験を積みました。


本当にピンチが何度かありましたが、

なんとかなりました。


劇団は10年やりましたが、

普通で暮らす3倍量の密度で過ごし、

その精神で、テクニカルを極めねばと

俳優の北見敏之さんのところへ。


新劇出身の北見さんなので、

唐さん関係者と関わらないと思ったのですが

状況劇場出身の方々含め

多くの方々と会うことに。


戦後の演劇史で必ず出てくる唐さんが、

どれくらい社会に影響を与えたか

外に出て、色々な人と知り合うことで

実感しました。


副産物として、唐さんより

すごい人に会うこともないので、

ありがたいことに、

無駄な緊張をすることがないです。





俳優として、

一番核な部分を教えられた唐さんに感謝をし、

唐さんを越える作品を作り上げねば

と意気込んでおります。


「唐さんを越えるのは無理」

という声も聞こえそうですが、


ま、なんとかなるでしょ