何も起こらずに終わる公演と言うのはあるのだろうか?
11月の公演を終えて、現在、来年2月に行われる保育園公演の準備を進めている。
脚本もさることながら、配役でもずいぶんと苦労している。
いろいろあった後、ようやく決定した。
前回の11月公演も、その前の6月の公演でも、いろいろあった。
いろいろあった先に、ようやく公演にこぎつけた。
裏側は、お客さんには見えないところだが、見えない裏側を、見せることが、現代のようでもあるので、ちょっと語ってみる。
では、11月の公演では何があったのか。
11月の脚本は、6月の「3々9扉」の公演を終えて、すぐに取り掛かった。
公演のため11月の劇場を抑え、8月終わりには第1稿が完成した。
脚本が出来上がって問題になったのは内容だった。
2ヶ月かけて作った作品は、自分にとっては会心の作品だった。
これまで見たこともないような、新しい視点で描かれており、見た人に新たな発見をもたらす作品だった。
そこで、これを誰かに読んでもらおう、ということになる。
僕は、作品を作り上げると、信用している何人かに読んでもらう。
それから、フィードバックをもらい、修正をかける。
今回の作品は、なんと非常に評判が悪かった。
自分が面白いと思っているものが、周りの人が面白いとは限らない。
よくある話だ。
自己分析によると、脚本を読んでも、想像ができない作品であったことが想像できた。
新しい視点の作品は、読み方がわからない。
読んで想像できないものは、面白くはない。
既に劇場は押さえていたため、公演自体を取りやめにするか、別の策を練るか。
どうしたものか、悩んだ。
そんな時に、ピウムジカというバンドのMV撮影があった。
どんなMVか簡単に言うと、学芸会を見ている大人たちが子ども達の芝居に感化されて、子供の頃の冒険心といったものを思い出す、といった内容のMVだった。
この作品に関わって、「それならば、子供にわかる学芸会のように、内容をシンプル化させてみたらどうだろうか」と書いたのが、今回の「千年王国の千夜一夜物語」である。
おそらく、脚本を見せた人たちも、同じ内容であることには、全く気づかなかったであろう。
自分のアナロジー(抽象思考)、何かを例えたりすること、を全開にすると、今回のような作品が出来上がった。
今回の作品は、非常に評判が良かった。
一般の方や、初めて芝居を見る人、ライトな作品が好きな人には特に評判が良い。
子供達もたくさん見に来てくれたが、子どもたちにも評判が良かった。
深い芝居好きな人にとってはそこまでではなかったが、今回の作品は、一般の方や子供たちに向けて、芝居をしたので、意図通りの作品となったと言える。
なんとかかんとか公演までこぎつけた事は、自分にとって1つ自信となった。
そんな裏側がありました。
じゃあ、それを踏まえて次回は?
深い芝居好きな人にも響く面白い作品を作る。
既に、どのようにしたら良いかの検討はついている。
それが本当かどうか、実際に芝居で試してみるだけだ。
そして、来年、2月の保育園公演では、その前実験を行うことにします。