自分のやりたかったことの中に、ダンスがあった。
いつかやってやろうと思ってやり始めたのが、ちょうど10年前であった。
10年経っても上手くなっていないが、10年前の自分と比べると、ずいぶんと上手くなったものだ。
10年ひと昔と言うが、ひと昔前の自分の所作が、そこまで綺麗ではなかったことを思い起こす。
ダンスをやっていてよかった事は、自分の体がどのように動いているかイメージできる事とだ。
CMの撮影でジャンプをするシーンあったが、ダンスをやっていて良かったと思った。とてもきれいなジャンプになったからだ。
我ながら会心のジャンプだった。
ダンスは、俳優のためにやろうと思ったわけではない。
ただ、ただやりたいなと思った。
で、やっただけ。
劇団を出て10年経つが、出た直後ゼロになり、しばらくして、辞めてもゼロでないことに気づいた。
でも、劇団にいないので、誰からも認めらることはない。
これまでやってきた芝居は、劇団の上に成り立っていた。
今、自分の持っている技術は、自分の上に成り立っている。
そう実感し、「ならば、自分の芝居をやろう」と、思うに至った。
「自分の芝居ってなんだ?」。わからないので、とりあえず、自分のやりたいことをやってきた。
そこで、今、思い返してみると、無駄なことが1つもない。
全てが今やっていることにつながっている。
点と点は線となり、線は幾重も重なり面となる。
面を重ねれば、立体的に立ち上がってくる。
主宰公演をやるようになり、ようやく立体的になってきた。
これからこの立体物をとても面白く、楽しいものに造形していこう。
公演後、久しぶりにダンスレッスンを受けて、実感したことでした。
あぁそういえば、殺陣をやりたくて、まだやっていないな。