ピクサー
「トイストーリー」をはじめ、ヒットメーカーであるすごいアニメーションスタジオ。
それがどのように成立したのか、「PIXAR(ピクサー)世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」から知る。
Kindle unlimited で読めたので、気になったので読んだ。
スティーブ・ジョブズが自分の資金を次々投下し、倒産寸前のピクサーからはじまり、ディズニーに買収されるまでのヒットメーカーとなる10年間を描いている。
超弱小だったアニメーションスタジオが、超巨大組織であるディズニーに買収されるまでに至るジャイアントキリングのような話です。
そこで、「ああ、どこも同じだなぁ」と思うが、作り手と主宰する側の意識のズレです。
作り手はただ良いモノが作れればよく、主催は良い作品を提供しながら、組織を継続させていくことを考えなければならない。
1番のズレは、お金への考え方。
作り手は、個人の収入を要求し、自分達が作るモノは、金儲けの道具ではなく、崇高なものだと思っている。
主催は、組織として継続して作品を生み出す仕組みを考えていかなければならず、小さな会社であれば自転車操業で、作品ごとに次の作品のためにどこまで稼げるかを絶えず考える。
同じ面白いものを作りたいと思っているはずの人たちなのだが、作り手から主催は、金の亡者にしか見えず、主催がある程度の収入を得て安定しない限り、このズレは、縮まらない。
僕自身の主催団体でも上記のずれを感じることがある。
僕自身の基本方針は、「見てもらいたい人に、満足してもらう作品を作る」である。
家族であったり、友人であったり、彼氏・彼女であったり、自分を応援してくれる人たちが楽しんでもらえる公演にすることを第一目標にしている。
最近は、この方針がまずいのかなと思う時もある。
なぜ、まずいかというと、
「見た人が満足する作品」であればいいと、勘違いする人たちが出てきたからだ。
そんな人は、集客をしないため、チケット収入がほとんどを占める小劇場では、
組織としては、潰れるしかない。
主催は自分達の意思を表現する作品を、継続して作っていくことを目的としているから、
本当にまずい。
主催者ではない作り手は、ダメになれば、別の主催者へ行けばことなきを得るため、大問題となることはない。自分達は、どこでもできるのだから。
例え、自分が素晴らしいと思っていても、「いいところだったけど、残念だ」と言いながら去っていく。
ピクサーはそのように、組織として分解寸前な状態から、復活を遂げている。
その裏側が読める本となっており、自分の参考図書として、
非常に面白かったです。