喉元過ぎるまでか | 高橋正典オフィシャルブログ「価値組日記」

喉元過ぎるまでか

残念ながら定期的に起こる、大型建築物の

 

違反建設ですが、今回は結構な悪質性を

 

感じます。

 

札幌市中心部、赤レンガ庁舎前で建設

 

されていた26階建ての高層ビルで、施工を

 

行なっていた大成建設による

 

「施工不良」そして「虚偽報告」が

 

発覚しました。

 

米国のホテルであるハイアットも入る予定

 

だったそうです。

                           (出典:NTT都市開発)

 

現場は、既に15階まで組み上がっていますが

 

これらを全て解体し建て直すそう。

 

事業主はNTT都市開発、設計は久米設計、

 

そして施工が大成建設という超大手のチーム

 

構成ながら、それでもこういう問題が起きて

 

しまうということに驚きを隠せません。

 

 

鉄骨722ヶ所の内1割にも匹敵する70ヶ所で

 

不良が見つかり、水平度のズレは最大で21mm

 

にもなったそう。

 

また、コンクリートの厚さ不足は245ヶ所

 

 

担当者は、知っていながら虚偽の報告をして

 

いたそうですが、事業主の現場チェックで発覚

 

したようです。

 

ちなみに、その担当者は上司に報告していない

 

とされ組織的な関与や不正はないとしている。

 

それはないだろう・・・

 

これだけの虚偽を担当だけで飲み込めるはず

 

はない。

 

今後、ボロが出てくるのではないか・・・

 

 

さて、こうした事件として記憶に新しいのが

 

2015年に発覚した、三井不動産によって

 

分譲済みだった横浜市のマンションが、

 

建設時に地盤に打ち込んだ杭が、必要な

 

所まで届いていなかった等により傾きが

 

生じた問題です。

 

総戸数705戸という超大型マンションでした。

 

私も、当時すぐに現場に向かいました。

 

奥の2棟を繋ぐ廊下がズレていることが

 

少しわかるでしょうか?

 

結局このマンションは解体し建て直しを

 

しました。

 

解体から建て替えまで約5年もかかり、

 

コロナ禍の2021年に完成しました。

 

結果的に、65%の人が戻ってきたそうですが

 

5年以上に渡り三井不動産から提供された

 

好条件での賃貸物件が良すぎて、戻ると

 

逆に狭くなったり、或いは当時の子供が

 

もっと大きくなっていたり、場合によって

 

は、一緒に住む必要がなくなったりと

 

戻るにしても色々な問題が起きていた

 

そうです。

 

 

私もその当時書いていたコラムでこの事件

 

を取り上げたり

 

 

読み返すと、ブログでも解説していました。

 

さて、今回の大成建設の施工不良問題に戻ると

 

居住者のいるマンションとは違い、迷惑を

 

かける対象のほとんどは事業者です。

 

従って、お金で解決できる問題とも言えます。

 

しかし、これだけ出来上がった建物を壊す

 

ことで生まれる廃材は?

 

 

 

横浜のマンション問題の時も、直すより

 

建て替えた方が安いと言われていました。

 

今回の判断もきっと同じことなのかも知れ

 

ません。

 

では、信用問題はどうでしょうか?

 

きっと、このブログをご覧の方でも2015年の

 

三井不動産のマンションの事件を覚えていた

 

人は少ないのではないでしょうか?

 

2015年といえばまだ最近とも言えますが

 

それでもその間、三井不動産の新築マンション

 

も、そして中古マンションも、何事もなく売買

 

されてきました。

 

 

喉元過ぎれば・・・

 

今回も時間の経過が全ての解決になってしまう

 

のでしょうか・・・