横浜のマンション傾き問題を考える | 高橋正典オフィシャルブログ「価値組日記」

横浜のマンション傾き問題を考える


横浜のマンションに建物の傾きが見つかった


問題で、メディアが騒々しくなっています。


地盤調査の結果、建物の重さを支えるため


必要な基礎工事に際して、いわゆる支持層


呼ばれる硬い地盤にまで杭などを打ち込み


建物の沈下を防ぐべきところ、一部が届いて


なかったために起きたものです。


ちなみに、この地盤補強工事は木造住宅


でも、その地盤の軟弱度合によっては


行われます。


というより、昨今はかなりの確立で行われ


ますね。


ちなみに、この写真は私の自宅の地盤を


調査した際の報告書です。




これを見ると、約6.5Mの所までは軟弱地盤


であることがわかります。


ここに、建物を建てる際にはその建物の


重量に応じてどの程度の補強が必要かが


決まります。


私の家の場合には、6.5Mまで杭を打ち込み


ました。




さて、このマンションでは、建て替えを前提


として話を進めたいようです。


200億~300億くらいの建替え費用と予想


されていますが、実際には補強をするより 


安いという説もあります。


この三井不動産のマンションでは杭工事の


責任が旭化成建材と報道されていますが


実際には、一次請けは日立ハイテクノロジー


で、旭化成建材は二次請けに該当します。


この日立ハイテクノロジーという会社が


基礎工事や杭工事をしているという話は


聞いたことがありません。


なぜ、この会社が?という疑念も残ります。


現在の建設業法では、丸投げと言われる


一括下請けが法律で禁止されています。


ところが、この法律が施行されたのが


2008年11月ですので、この建物の施工


段階では、まだ適用されていない。


つまり、丸投げが許されていた時期だった


ということになります。



こうした問題が起きた原因は何か?


そして、消費者はどうやって未然に防げば


良いのか?



残念ながら、事前に詳細の資料を入手し


専門家に見せたところで、今回のこの


マンションのような杭の未達は見抜けな


かったと思います。


この問題の大きな原因は、監理が行き


届いてなかったことにあると言えます。


人的なミスである以上、やはり監理しか


防ぐ方法はありません。


しかし、人手不足の時代・・・


2013年12月の時点で、私もこのブログ


にて深刻な職人不足と不動産の現状


を取り上げましたが、単に人手が足りない


のではなく、熟練工が足りないのです。


これは、監理者にも言えることです。


結論、この問題は今後改善されることは


ありません。


残念ながらこの状況の中で消費者は


選択してかねばならないのです。



現在、住宅瑕疵担保履行法という法律が


あり、新築では隠れたる瑕疵を売主が


10年間保証するのはもちろんのこと、


万一倒産したとしても、保険等でその


保証が担保されています。


であれば、今回も大丈夫じゃないか・・・?


ところが、マンションはそうはいかない。


共同住宅ですから、自分一存では


建替えも何も決められないのです。


それに対して、一戸建てであれば


建替えも自分の判断でできますし、


近隣住戸への風評被害もありません。


では、マンションはリスクが大きすぎ?


そこを回避するとすれば、10年超の


中古マンションを狙うという手はあり


ます


問題が一通り事象化し、そして管理の


状況も見える。


リスクのかなり部分のが顕在化して


いることで、瑕疵を回避できると


言えます。


もちろん一戸建てでは、その最悪の


リスクは新築マンションに比較して


少ないと言えます。


今回、このマンションが建て替えで


まとまったとしても、ざっと3年はかかり


ます。


しかし、一戸建てではどんなにかかって


も半年以内。


そういう面でもリスクは少ないと考えて


もいいでしょう。



ただ、どちらにせよ大きな買い物である


以上、欠陥住宅なんていう残念な結果


になりたい人などいません。


最近は、先に書きましたように保険が


整備されたことにより、最悪は保証も


継続されるということ、そしてその保険


会社の視点での検査もあるということ


で、どこが建てたか?について軽視


される傾向がありました。


これを機に、最低でも誰が建てたのか?


そして、その後のリスクを考えての選択


をして欲しいと思います。


私共が常々申していることに


「買うは一瞬、住むは一生」


というものがあります。


株式会社バイヤーズスタイルは


購入後に責任を持つ会社です。


単なる不動産仲介会社ではなく、


維持管理を行っていく「住宅管理会社」


です。


そんな当社の想いもこれを機に


改めて伝えて行きたいと思います。