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このブログで、以前聖書の「雅歌」を1P漫画にしたのを載せたブログ記事があるのですが、アクセス数が増えてます。

聖書の雅歌のシュラムの娘のイラスト画像。

聖書の雅歌に登場するシュラムの女を描いた手描きイラスト

 

 

聖書の雅歌とは?どんな書物?

 

雅歌は私も聖書の中でも好きで、よく読んでます。

雅歌はソロモン作といわれていて、本人も登場人物として登場します。

 

そして雅歌は聖書で珍しい「古代の恋愛詩」でもあります。

ソロモン王と、ヒロインである「シュラムの女(シュラムの乙女、シュラムの娘)」との相思相愛な美しい純愛が物語的に、歌として描かれてます。

 

※ソロモンが奪い横恋慕するという、三角関係説もあります。

 

 

この記事では「ソロモンとシュラムの女の恋物語」として解釈します。

 

雅歌についてはいろいろ考察があるようです。

 

私がこれまで見たり読んできた考察は以下がありました。

 

・ソロモンとシュラムの女の恋愛と結婚の物語。神から見た理想の夫婦関係を表してもいる。

額面通りに読むと、この解釈がおそらく最も有力。

 

・羊飼いの若者とシュラムの女の恋愛物語。

ソロモン王がシュラムの女を奪って花嫁にするが、シュラムの女は貞操を守り恋人の羊飼いの青年と最終的に結ばれるという説。

 

この説だと三角関係の話になります。

この解釈の場合、作者のソロモンが悪役という斬新な設定。

 

 

 

・男女の恋愛という比喩表現を使い、神と信者の愛を表している。

後世のユダヤ教の宗教的解釈。信仰者の方などキリスト教系の方は、この説を有力としてる方が多いかも?

 

 

おおまかだとこんなところでしょうか。本当はもっと解釈や説はあると思いますが。

 

聖書のJCB(リビングバイブル)訳では、若者はソロモン王になっていて、ソロモンとシュラムの女の恋愛と結婚の物語です。

 

いろいろ書きたいことはあるのですが文字数の関係上、今回は「シュラムの女」についての考察とさせていただきます。

 

シュラムの女の考察 実在した人物か架空の人物か

※この記事で書く考察は、調べた情報をベースにブログ主の個人的解釈や考察として書いてます。

正式な知識や情報としてでなく、あくまで「個人的考察や推測の範囲(妄想も含む)」だと前提をおきます。

 

シュラムの女の意味とは諸説あるようですが「ソロモンの女性」のような意味合いのようです。

 

雅歌において、名前がないヒロインということです。

 

ところで、気になる方が多いのはこの点かなと思います。

 

シュラムの女って誰なの?実在した女性でソロモンの妻の1人なの?それとも架空の人物?

 

聖書及び雅歌には、明確にどちらか書かれてません。

なので想像や推測の域を出ないのですが。

 

ただ考察としては「雅歌という物語上の登場人物であり、おそらく架空の人物」説が多い印象です。

 

その前に「雅歌って実際にソロモンが経験した出来事を元にしてるのか?」も考える必要があります。

 

こちらについても、今まで見たり読んだ印象では、考察や解釈が分かれてるようなんですよね。

 

おおまかに以下に分かれるようです。

 

雅歌はソロモンの理想の恋愛や結婚観を反映しているなど、架空の物語説

 

これだと、ソロモン王はいわゆる「夢男子」だったんでしょうか?(笑)

※夢男子…自分と架空の女性との恋愛を妄想する趣味を持った男性を指す造語。対義語は「夢女子」

 

ソロモンは聖書を読んだ印象ですが、かなりロマンチストな男性ですよね。

 

雅歌は、愛の美しさを表した美しい詩や歌ではあり、ソロモンの知性の高さやセンスをバシバシ感じるのですが。

でもはっきり言って、アレを書けるのは「無茶苦茶ロマンチスト」です。

 

恋愛がかなり好きな人物とみて間違いないしょう。

 

確かに「神と信者の比喩説」もありますが、額面通りに読むと赤面レベルの純愛でロマンチックな内容です。

真面目な意図だとしても、それなりにロマンチストな感性がないと書けないと思われます。

 

ダビデさんには絶対あの内容は書けない(笑)

雅歌はソロモンの実体験や妻がモデルになっている実在説

もう一つの考察として「ソロモン王の実際の経験を元にした創作ではないか」という説もあるようです。

 

雅歌の物語そのものが実際に起きた出来事というより、誰か女性と純愛の経験をしてその経験及び女性をモデルにして創作したのではないか…。

 

では誰がシュラムの女のモデルかというと。

 

シュネムの女アビシャグが雅歌のシュラムの女のモデルではないか

という説も一部存在するようなのです。

 

シュネムの女アビシャグとは…以前このブログでも記事にした、ダビデ王の最後の側室だけど処女のままだった女性です。

 

 おそらく、義兄のアドニヤと取り合いになったと思われる、絶世の美女。

 

古代イスラエルにおいて「前王の側室は新しい王が得る」という慣習があり、アビシャグはソロモンのものになった可能性が高いです。

 

雅歌のシュラムの女は、その美しい容姿が賛美されてます。

絶世の美女アビシャグがモデルであれば納得です。

 

またシュラムの女は庶民のようですが、アビシャグも平民のようですし純朴さと重なるところもあります。

 

シュネムの女とシュラムの女、というのも似てます。

 

雅歌では、処女性にこだわるような描写もあり、ソロモンは処女性にこだわるタイプと思われますが、アビシャグも処女でした。

 

これは想像でしかないですが、アビシャグからすれば兵士から命令のように年老いたダビデの側室に任命され。

 

でもダビデは彼女と関係を持つことはなく。

王とはいえ、男性として理想の相手とは言い難いでしょう。

 

そこに、新しい王になった超絶イケメン&スパダリな若いソロモンの妻(または側室)になれた。

 

アビシャグからすれば地から天に登るくらいラッキーですよね。

 

この説の場合、ソロモンとアビシャグの相思相愛が雅歌の元になってるということでしょうか?

 

アビシャグをモデルにして彼女への愛を、雅歌という物語に残した可能性もあるかもしれません。

 

またはアビシャグ以外だと、聖書の列王記に登場するファラオの娘(ソロモンの妻)の可能性もあるかも。

 

シバの女王は…たぶんないw(ソロシバ派の皆様ごめんなさい)

 

まとめ

 

というわけで、シュラムの女(シュラムの乙女)について考察してみました。

 

ソロモンの空想上の理想のヒロインなのか?

 

それともアビシャグなど、自分の愛した妻をモデルにしてるのか?

 

おそらくですが、雅歌に登場するシュラムの女そのものが実在の人物で、全て実在の出来事、ではないかなと思います。

 

あくまで「雅歌という物語」という印象なので。

 

前者の方が説として多いんでしょうか?

 

前者…もしソロモンの「本当はこんな純愛をしたい」という渇望だとしたら…。

 

若くしての王であれば、庶民のような普通の若者の恋愛は難しかったと思うんですよね。

 

有り余るほど、全てを手に入れたかのような男が、唯一手に入れることができなかったもの。

 

それは「アダムイブのような、互いにこの人しかいないという恋愛関係や夫婦関係」

 

一夫多妻、特に王だと温かい家庭を築くのはやはり難しいんでしょうね。

 

父であるダビデも、温かい家庭には恵まれなかった印象ですし。

 

そう想像すると切ないなあ・・・

 

 

でも申し訳ない。低俗なワイの頭では

ソロモンさん…頭の中で理想のヒロイン作って純愛&エロを妄想するってww

 

とも思ってしまう。

 

でもアビシャグ説も個人的に美味しいです。

 

 

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【参考文献】
・『聖書 新共同訳・JCB訳』日本聖書協会

本記事では聖書の記述をもとに筆者の視点解説・考察しています。

 

【ソロモンをもっと知りたい方へ】

■エピソードやイラスト
聖書のソロモン王【イラスト】海の砂浜のように心が広いイスラエル王

 

■解説・考察系

ソロモン王の妻は何人?|嫁と妾達との夜の事情を考察
聖書の列王記上を読んでみて【感想と概要】聖書は登場人物が多くて難しい?

 

■ソロモン72柱関連

ソロモン王とアスモデウスの指輪にまつわる民話を紹介 タルムード日本語訳

 

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聖書の解説・イラスト記事一覧はこちらから

神話や宗教伝承には、「誰かが攫われる」「異界へ連れ去られる」「敵に奪われる」「誘拐される」というエピソードが意外と多く登場します。

ハデスから誘拐をされたギリシャ神話のペルセポネの手描きイラスト

誘拐をされたギリシャ神話のペルセポネの手描きイラスト

 

ある意味では物語の定番イベントともいえますが、現代だと犯罪ですよね(笑)

以前記事にした「神話宗教でストーカーされた神や人物」にも似てますが、こちらは捕まえられてさらわれてしまったパターンです。

 

今回は、神話・宗教・伝承に登場する「誘拐や略奪された神や人物」を一覧で紹介します。

 

 

神話宗教の攫われた神や人物一覧表

名前 神話・伝承 攫われた内容
ペルセポネ ギリシャ神話 冥界の王ハデスに連れ去られ、冥界の王妃に。母デメテルの嘆きによって地上の実りが失われ、季節の巡りを説明する神話にもつながる。
エウロペ ギリシャ神話 ゼウスが白い牡牛に変身し、エウロペを背に乗せて海を渡り、クレタ島へ連れ去った。ヨーロッパの名の由来とも関係する有名な神話。
ヘレネ ギリシャ神話 トロイアの王子パリスに連れ去られた、または駆け落ちしたとされる絶世の美女。この出来事がトロイア戦争の大きな発端に。
ガニュメデス ギリシャ神話 美少年として知られ、ゼウスに攫われてオリンポスへ連れていかれる。のちに神々の酌人となったとされる、珍しい男性の誘拐例。
オレイテュイア ギリシャ神話 アテナイ王の娘で、北風の神ボレアスにさらわれ、妻となった。風の神による略奪婚型の神話。
シータ ラーマーヤナ ラーマの妻シータは、羅刹王ラーヴァナに誘拐され、ランカー島へ連れ去られた。シータの奪還はラーマーヤナの中心的な展開。  
サティヤヴァン インド伝承 死神ヤマに魂を連れていかれるが、妻サーヴィトリーが知恵と信念で夫を取り戻す。死からの奪還という珍しい救出劇。
イドゥン 北欧神話 若返りのリンゴを守る女神イドゥンは、巨人スィアチにさらわれた。彼女を失った神々は老い始め、神々の危機につながった。
フレイヤ 北欧神話 実際に攫われるというより、巨人たちから結婚相手として要求されることが多い女神。「奪われそうになる女神」として扱える存在。
天女 日本伝承・羽衣伝説 羽衣を隠されたことで天へ帰れなくなり、人間の妻にされる伝承がある。女性側から見ると、自由を奪われた異界存在ともいえる。
かぐや姫 竹取物語 地上側から見ると、月の都から迎えが来て連れ戻される存在。誘拐というより異界への帰還だが、神隠し的な別れの物語として扱えるかも。
クシナダヒメ 日本神話 ヤマタノオロチに食べられる運命にあった姫。攫われる前の救出劇に近く、スサノオの英雄譚と結びつく。
ヨセフ 旧約聖書 兄弟たちに売られ、エジプトへ連れていかれた。誘拐・人身売買に近い形だが、この出来事が後の大きな運命につながる。
ディナ 旧約聖書 ヤコブの娘ディナは、シケムに連れていかれる重いエピソードで知られる。扱う場合は、暴力や被害の側面が強いため注意が必要。
ヒラエイラとポイベ ギリシャ神話 レウキッポスの娘たち。ディオスクロイ(カストルとポルックス)が略奪して妻にした。彼らのいとこイダスとリュンケウスから略奪愛したとも。
サビニの女たち ローマ建国伝承 ローマ建国期、女性不足を補うためにサビニ人女性たちが奪われたという伝承。個人ではなく集団的な略奪婚の例。
グィネヴィア アーサー王伝説 アーサー王の妃グィネヴィアは、メレアガントに誘拐される伝承がある。ランスロットによる救出劇と結びつく有名な中世伝承。
ドゥムジ/タンムズ メソポタミア神話 イナンナの冥界下りの後、身代わりとして冥界へ連れていかれる男神。死と再生、季節神話とも関わる存在。
オシリス エジプト神話 弟セトによって棺に閉じ込められ、ナイルへ流される。誘拐というより謀殺・遺体奪取に近いが、王権を奪われる重要な神話。

 

攫われる理由は大きく分けて5タイプ

冥界や異界へ連れ去られるタイプ

ペルセポネやドゥムジ、サティヤヴァンなどがこのタイプに当たります。

死後の世界や異界との境界を描くため、物語全体が神秘的で重くなりやすいのが特徴です。

 

結婚・略奪タイプ

 

エウロペ、オレイテュイア、サビニの女たちなどは、恋愛や婚姻と誘拐が結びつく伝承です。

現代の感覚ではかなり問題のある話ですが、古代の婚姻観や権力関係を反映したものとも考えられます。

 

敵に奪われる救出劇タイプ

 

シータやイドゥン、グィネヴィアなどが代表です。

大切な人物が敵に奪われることで、主人公側が動き出し、大きな戦いや冒険につながる王道展開ともいえます。

 

神や怪物に狙われるタイプ

 

ガニュメデスはゼウスに連れ去られ、クシナダヒメはヤマタノオロチに食べられる運命にありました。

人間が神や怪物の力に翻弄される神話らしい展開です。

 

神隠し・異界帰還タイプ

 

天女やかぐや姫は、完全な誘拐とは少し違いますが、この世ではない場所との関わりによって、地上の人々と別れる存在です。

特にかぐや姫は、月から迎えが来ることで地上を去るため、神隠しに近い切なさがあります。

 

女性だけでなく、男性が攫われる例もある

「攫われるキャラ」というと、どうしても姫や女神のイメージが強いですが、男性の例もあります。

 

たとえばギリシャ神話のガニュメデスは、美少年としてゼウスに攫われ、神々のお酌役となります。


旧約聖書のヨセフも、兄弟たちに売られてエジプトへ連れていかれるため、誘拐・人身売買に近い運命をたどります。

また、メソポタミア神話のドゥムジは、イナンナの身代わりとして冥界へ連れていかれる男神です。

 

 

 

 

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参考文献
神統記 ヘシオドス 廣川洋一訳 (岩波文庫)
変身物語 オウイディウス 中村善也訳 (岩波文庫)
ギリシア・ローマ神話辞典 高津春繁著 (岩波書店)
一冊でまるごとわかるギリシア神話 吉田敦彦著 (だいわ文庫)

イリアス ホメロス 松平千秋訳 (岩波文庫)

聖書 新共同訳・JCB訳 日本聖書協会

いちばんわかりやすい北欧神話 杉原梨江子著 (じっぴコンパクト新書)

マンガ面白いほどよくわかる!古事記 かゆみ歴史編集部 (西東社)

インド神話 沖田瑞穂編訳 (岩波少年文庫)

世界神話辞典 アーサー・コッテル著 (柏書房)

 

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ギリシャ神話のガイアを描きました。

ギリシャ神話のガイアのイラスト画像。

 

Xに載せたイラストですが、やや性癖要素があったので加筆してアレンジしてます。

ガイアは原初神であり、地母神とも呼ばれる大地の女神です。

 

ガイアの詳しい解説は、弊神話解説ブログでプロフィール表付きで解説してます。

ガイアとはどんな神?ギリシャ神話の母なる女神の地母神を解説|イラストと図解付き

ガイアは地球を指す言葉でもありますが、大地を擬人化した女神で万物の母という女神ですね。

ガイアは子供を多く産んでいて、ギリシャ神話の系譜の大元ともいえます。

ガイアが生んだ子供を一覧表付きで整理してみました。

 

ガイアの子供たち 一覧表

 

子供 父親 特徴
ウラノス なし(単独) 天空神。後にガイアの夫に。
ウーレア なし(単独) 山々を神格化した神々。
ポントス なし(単独) 海そのものを神格化した原初の海神。
ティタン神族12柱 ウラノス クロノス、レア、オケアノスなど。オリンポス神以前の神々。
キュクロプス3兄弟 ウラノス 一つ目の巨人。後にゼウスへ雷霆を与えた。
ヘカトンケイル3兄弟 ウラノス 100本の腕と50の頭を持つ巨人。ティタノマキアでゼウス側に加勢した。
タウマス ポントス 海神。虹の女神イリスの父。
ポルキュス ポントス 海の神。怪物たちの系譜と深く関係する。
ケートー ポントス 海の女神。ゴルゴンなど怪物の祖先。
ネレウス ポントス 「海の老人」と呼ばれる海神。ネレイスたちの父。
エウリュビア ポントス 海の力を象徴する女神。
テュポン タルタロス ゼウスと激戦を繰り広げた最強クラスの怪物。

 

ガイアが一人で生んだ子供たち|夫になったウラノスなど

 

世界が誕生したばかりの時代、カオスに続いて現れたのがガイア、タルタロス、エロスでした。

 

ヘシオドス「神統記」では、ガイアはまず自分自身と同じ大きさの天空ウラノスを生みます。
 

さらに山々を表すウーレア、海を表すポントスも、ガイアが単独で生みました。

大地から空・山・海が生まれるという、世界そのものが家族になっているような壮大な系譜です。

日本神話も、原初の神イザナギ・イザナミ夫婦が日本列島など様々なものを産んでますが、それにも似てますね。

 

ウラノスとの間に生まれたティタン12神|ゼウス達の父クロノスなど

 

ガイアとウラノスの間には、まず12柱のティタン神族が誕生しました。

 

男神は、オケアノス、コイオス、クレイオス、ヒュペリオン、イアペトス、クロノス。

女神はテイア、テミス、ムネモシュネ、ポイベ、テテュス、レア。

 

ティタン十二神の詳しい解説はこちら

 

特に重要なのが末子クロノスと、その姉で妻となるレアです。
 

この二柱の夫婦からハデス、ポセイドンゼウス、ヘスティア、デメテル、ヘラが生まれるため、ガイアはゼウスたちから見ると祖母にあたります。

 

巨人や怪物たちもガイアの子供|キュクロプスやテュポンなど

 

ガイアとウラノスからは、一つ目の巨人キュクロプス3兄弟と、100本の腕を持つヘカトンケイル3兄弟も生まれました。

ところがウラノスは彼らを嫌い、ガイアの内部へ押し込めてしまいます。

 

苦しんだガイアは子供たちに父への反逆を呼びかけ、クロノスが応じました。

 

こうしてクロノスがウラノスを倒し、天空神の世代からティタン神族の時代へ移っていきます。

 

ガイアは神々を生んだ母であるだけでなく、ギリシャ神話の政権交代にもかなり関わっている女神です。

 

また、ギガントマキアのラスボス的存在の怪物テュポン、アポロンが退治したデルポイにいた大蛇ピュトンなど、怪物も多く産んでいる女神でもあります。

 

 

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神統記 ヘシオドス 廣川洋一訳(岩波文庫)

変身物語 オウイディウス 中村善也訳 (岩波文庫)
ギリシア・ローマ神話辞典 高津春繁著 (岩波書店)

面白いほどよくわかるギリシア神話 吉田敦彦著(だいわ文庫)

 

 

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ギリシャ神話の解説・イラスト記事一覧はこちらから

 

現代でも深刻な社会問題であるストーカー犯罪。

相手に執心し、執拗に追いかけ回す異常な行動です。

神話伝承の追いかける話の記事のサムネイル画像。ナルキッソスとエコーの手描きイラスト。
ギリシャ神話の追いかけられる話の一つ、ナルキッソスとエコーを手描きで描いたイラスト

神話宗教伝承でも、恋愛に限らず「ストーカーされる、追われる、追跡される被害に遭う登場人物は多かったりします。

今回は「神話伝承のストーカー・追われた人物、追跡劇」を一覧にしてまとめてみました。

 

 

神話伝承の追われた人物・被害者一覧表

 

人物 神話・宗教 追った相手 内容
ダプネ ギリシャ神話 アポロン アポロンに追われ、逃れるため月桂樹へ変身した。
シリンクス ギリシャ神話 パン パンに追われ、逃げた末に葦へ変身した。パンの笛の由来にも。
アレトゥーサ ギリシャ神話 アルペイオス 川神アルペイオスに追われ、アルテミスに助けを求めた。
イオ ギリシャ神話 ヘラ ゼウスの浮気相手になったことでヘラによる追跡に苦しめられた。
ヨセフ 旧約聖書 ポティファルの妻 繰り返し言い寄られ、拒絶すると逆恨みされ、冤罪を着せられた。
ダビデ 旧約聖書 サウル王 サウルの嫉妬と恐れによって命を狙われ、約10年逃亡した。
シータ ラーマーヤナ ラーバナ ラーバナに誘拐され、迫られたが拒み続けた。
イドゥン 北欧神話 巨人スィアチ 若返りのリンゴとともに巨人にさらわれた。
ナルキッソス ギリシャ神話 エコー エコーに追いかけられ振った後も、陰から見つめられ続けた。
ヘリオス ギリシャ神話 クリュティエ ヘリオスの恋人を嫉妬で死なせ、自身がひまわりになった後も彼を見つめ続けている。
天女 羽衣伝説 人間の男 羽衣を隠され、天へ帰る手段を奪われる型の伝承が。
ヘルマプロディートス ギリシャ神話 サルマキス ヘルマプロディートスが振った後も水中で抱き着いて離されず、合体させられ、ついに一心同体に…。
プレアデスの七姉妹 ギリシャ神話 オリオン 狩人オリオンから追われ、逃れるため星座になった。だが星座になった後もオリオン座になった彼から追いかけられているとも。

 

有名な神話伝承のストーカー・追われた話の紹介や解説

アポロンとダプネ|神話で一番有名なストーカー話

 

神話伝承の「追いかけられる話」でおそらく最も有名と言って過言でないのがギリシャ神話の「アポロンとダプネ」の話です。

 

オウィディウス『変身物語』では、アポロンがエロスを侮辱したことで、アポロンには恋を起こす黄金の矢、ダプネには恋を拒絶する鉛の矢が放たれます。
 

アポロンはダプネに夢中になり、彼女を執拗に追いかけます。

しかしダプネは完全拒否で逃げ続け、ついに父である河神に助けを求め、月桂樹へと姿を変えました。

 

サウル王とダビデ|十年間命を狙って追い続けた

 

恋愛のストーカーではないですが、執念では負けず劣らずなのがサウル王がダビデを追った話です。
元々ダビデはサウルのために竪琴を毎晩演奏していて、家臣にもなってます。

 


なんと10年間彼を追い続け、命を狙い続けたそうです。
一度、ダビデが歩み寄って和解するのですが、その後も手の平を返して命を狙うという。

 

しかもその理由は嫉妬。迷惑すぎます。

ちなみにダビデは、サウルが戦死してやっと追跡が終わったというのに、悲しんで泣いたそうです。

 

ギリシャ神話のストーカーニンフトリオ|エコー、クリュティエ、サルマキス

 

私が勝手に「ストーカーニンフトリオ」と呼んでいる女性3人が、エコー、クリュティエ、サルマキスです。

・エコーはナルキッソスのストーカー

・クリュティエは太陽神ヘリオス(後世ではアポロンとも)のストーカー

・サルマキスはヘルマプロディートスのストーカー

 

この3人のエピソードはオウイディウス「変身物語」に収録されてます。

 

この3人はかなり一途なタイプで、好きな人1人を一途に愛し続けるのが共通してます。

 

3人とも、フラれた後も構わず見つめ続けています。

 

クリュティエが姿を変えた向日葵の花言葉は「あなただけ見つめる」

まさにそんな言葉がこの3人にぴったりです。

 

★クリュティエの話はこちらでご紹介してます

 

スラムダンクのエンディング曲である大黒摩季の名曲「あなただけ見つめてる」がこの3人のテーマソングに合いそう…。

 

神話伝承の追われる話の派生?誘拐やさらわれる話も多い

 

ところで一覧表の中には、ラーマーヤナのシータや、北欧神話のイドゥンのように「誘拐される、攫われる」パターンもあります。

幽閉されてしまう話もあったりします。

こちらも一覧にしてみたいですね。

 

少し属性が近い「神話伝承の縛られた神や人物一覧」はこちらで一覧表でまとめてます。

 

 

 

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ギリシャ神話のカリストを描きました。

ギリシャ神話のカリストの手描きイラスト。ゼウスに妊娠させられた女性の悲哀をイメージして描いたイラスト。

ギリシャ神話のカリストの手描きイラスト。ゼウスの子供を妊娠したおおぐま座の由来の女性。

 

星座のおおぐま座の由来で有名な女性です。

 

悲劇や理不尽が多いギリシャ神話の中でも、随一の理不尽な目に遭った登場人物です。

本当に可哀想です。

 

こちらでカリストについてプロフィール表や図解など入れて詳しく解説してます

 

さらに「アルテミスと百合関係だったのでは」という解釈をする人もいるのだとか。

せっかくなのでカリストの神話やアルテミスとの関係について解説してみます。

 

カリストはアルテミスに愛されたニンフ 百合風味?

 

カリストはアルテミスの取り巻きの1人だったニンフです。

 

オウイディウス「変身物語」によるとアルテミスから寵愛を受けていたそうです。

 

アルテミスは処女神なので、取り巻きや侍女のニンフたちは純潔を誓う必要がありました。

なのでカリストも純潔を固く誓って、アルテミスを深く敬愛してました。

 

この二人の関係は主従関係ですが、「百合風味」を感じるギリシャ神話ファンもいます。

 

実際はLGBT的な関係ではないと思いますが、そういう解釈も中にはあるようです。

 

アルテミスとカリストに割り込むゼウスは百合に挟まる男?

 

二人は仲間として、森で狩猟をしたり湖で水浴びをしたり、平和に幸せに過ごしていたのですが。

 

それを壊したのが、アルテミスの父でもあるゼウスです。

 

ゼウスがカリストの美しさに目をつけて、浮気相手に選んだからです。

 

ですがカリストはアルテミスの従者として、固く純潔を誓っています。

なのでゼウスは卑劣な手を使って彼女に近づきます。

 

どことなく「百合に挟まる男」感があります。

百合好きに嫌われるアレです。

 

ゼウスにより望まない妊娠をしてしまう ひどすぎるエピソード

 

エピソードをご紹介します。かなりひどいです。

 

ある時ゼウスはカリストの美しさに目をつけて、彼女と関係を持とうとします。

 

ゼウスはアルテミスに変身して油断させ、彼女にキスをし、そして押し倒して手籠めに…。

 

それによりカリストは望まない妊娠をしてしまいます。

 

男を知ることはアルテミスを裏切るに等しいことで、そばにいることはできません。

 

なのでカリストは妊娠を打ち明けることもできず、1人で悩み続けますが、誤魔化せないほどお腹が大きくなり。

 

そしていつものように、アルテミスや仲間達が水浴びをする時、膨らんだお腹に気付いたアルテミスに追放されてしまいました。

これだけで終わらず、ゼウスの妻ヘラも絡んで、さらに理不尽でひどい展開が続きます。

長くなるので、この続きはこちらをご参照ください。

 

図解にするとこんな感じの話です。

 

ゼウスお前・・・・。

 

私はゼウスに関しては、人間達の都合で浮気者に仕立て上げられた背景も知ってるし、慈悲深さや懐が深い面もあると思ってます。

 

でもこのエピソードのゼウスに関しては擁護できない…。

 

ただこの話は、最後はゼウスがカリストを助けて、息子と一緒に空に上げて星座にしてあげるので、救いがある話ではあります。

 

ただ、その前にアルテミスと誤解が解けて和解してほしかったなあ…。

 

 

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参考文献

変身物語 オウイディウス 中村善也訳 (岩波文庫)
ギリシア・ローマ神話辞典 高津春繁著 (岩波書店)

 

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