8中総の一連の報告や発言が満場一致で採択された。私は現在の党の路線を「もっぱら入党者数を追求しながら異論派を追放する第29回党大会路線」と名付けているが、相変わらずこれを転換させる兆しすらみえないようである。

 思いつくままにコメントしておく。

 まず田村委員長の第一報告のうち、「日本共産党に対する新たな期待」を表す事例が挙げられている箇所。

 

総選挙の開票直後から、党中央には、「改憲を止めるために日本共産党に頑張ってほしい」「自分にできることを真剣に考えている」などのコメントとともに、「しんぶん赤旗」購読申し込みが急増しました。全国各地で、「がっかりしていられない」「何かしたい」と、事務所を訪れる方、入党を申し込む方も相次いでいます。 

 

 これらの事例から浮かびあがるのは、日常の党支部や議員の活動で潜在的な支持者を掘り起こし結びつくというシステムが機能しなくなっているのではないかという確信に近い疑念である。三十数年以上前なら獲得できていたはずの潜在的支持者をほとんど取りこぼしており、そのうち積極的な人たちだけがこうして党中央や党組織に直接アクセスしてきているのだろう。だとすれば、自ら党に近づいてきた人たちを失望させることなく受け入れる支部があるのか、受け入れる態勢が整っているのかという点もかなり疑わしく、単純に喜んでいる場合ではないはずだ。

 

 次はちょっと飛んで志位議長の中間発言の「手紙」の取り組みの箇所。

 

 党大会に向けて取り組んだ「第3の手紙」の最終の到達点がどうだったかといいますと、「返事」を寄せていただいた支部・グループは、47・1%でした。「第1」「第2」の「手紙」については「返事」は57・1%、「第3の手紙」については「返事」は、突然の解散・総選挙という条件のもとで、47・1%にとどまりました。 

 

 ここで挙げられている数字と、党旗びらきでの田村委員長の挨拶で言われていた赤本の学習開始支部の割合(39%)と併せてみると、日常活動ができている支部は4割~5割なのだろうと推測される。党機関が奮闘して援助しても、何年もあるいは何十年もこの調子なのだから、党組織のあり方も含め、抜本的な再編(リストラ)抜きには機関部数も党員数も拡大できないところにきているのではないかと私は考えているのだが(以前からそう主張しているのだが)、8中総にはそのような視点はないようだ。

 

 それから、第一報告にもどって細かい方針部分。

 

 労働組合、労働者の職場でのたたかいに連帯し、大幅賃上げと労働時間の短縮を求めましょう。高市政権が最低賃金引き上げの目標すら放棄したことを厳しく批判し、ただちに全国一律時給1500円、1700円へ最賃引き上げの運動を広げましょう。高市政権による裁量労働制の拡大や残業時間規制の緩和など、長時間労働の押し付けに反対するたたかいを進めましょう。

 

 「労働時間の短縮」と言うなら、具体的な課題は〝週35時間労働制〟などになるはずだが、実際は「長時間労働の押し付けに反対」となっている。6中総のときもそうだったが、ここであえて「労働時間の短縮」というのは、志位議長がこの間主張してきたことに「忖度」しているのだろう。こんな部分にまでこの種の「忖度」がなされている以上、志位議長の絶対的権威、権力はまだまだ健在ということだろう。この数十年で進んだ労働時間の短縮が行き過ぎたと考える勢力が「高市政権による裁量労働制の拡大や残業時間規制の緩和」を進めようとしているのであって、これに抗する闘いは「労働時間の短縮」とは言えまい。

 

 あと第一報告で目につくのが中身のない「反省」や言い訳のたぐいである。

 

この問題は、一昨年の総選挙、昨年の参院選でも、最大の教訓としてきたことであり、私たちが、その打開のための努力を怠ってきたということではありません。全党は、昨年9月から「世代的継承を中軸に、質量ともに強大な党をつくる集中期間」に取り組み、昨年の12月25日の時点で、幹部会決議でのべていたように、「ようやく前進が開始された」、「党員拡大では赤リーフが絶大な力を発揮し11月後半からこれまでと質的に異なる運動になり始めている」、「『しんぶん赤旗』日曜版・電子版の発行が新たな可能性を広げている」、「『赤本』学習が、党活動全体に新鮮な活力、新鮮な明るさと喜びをもたらし、党の質を大きく変え始めている」、全党のみなさんの努力によって、さあいよいよこれからという段階にありました。

 

 ここなどは、〝今のところ成果は出てないけど、これから出てくるんだよ〟 って言ってるわけで、これから成果が出てくる保証はどこにあるの? それって空手形でしょ? と言いたくなるのは私ばかりではあるまい。

 

 今回の総選挙の難しさは、参院選のさいの“つむじ風”的な難しさでなく、自民党が「高市早苗でいいのかを問う」という一点で選挙を乗り切ろうと、莫大(ばくだい)な資金を使い、「高市旋風」をつくりだしたことにありました。この動きは、公示後、急速に強まりましたが、この困難については、2月2日の常任幹部会の「訴え」で「わが党の前進を阻む重大な逆風となって作用しています」と明らかにし、「わが党の奮闘が足らず、この逆流に押し負けるならば、わが党の重大な後退につながることを、私たちはリアルに直視しなければなりません」と強調しています。節々での常任幹部会の情勢判断は基本的に正確なものだったと考えます。

 

 この部分は、党内から出た質問に答えたものらしいが、その質問自体も、またその答えも、問題の所在がどこにあるのかを明らかにするものではない。〈当初予想されていた〝つむじ風〟は吹きませんでしたが、途中から別の〝つむじ風〟が吹きました、しかもそれは逆風でしたが、そのことはちゃんと言いましたよ〉と、何かスポーツの実況中継の出来具合を検証しているかのようにみえる。

 逆風の〝つむじ風〟が吹いたとしても、それに流される人もいれば、避難する人もいるわけで、避難した人たちがなぜ共産党(+社民・れいわ新選組)に投票しないでみらいの党や参政党(+維新・国民民主党)に投票したのか、その分析・解明が重要だ。これは、すぐに答えの出るものではなさそうであり、なおかつ答えが出た暁には党の刷新、路線転換が求められる性質のものだろうと私は考えている。次期党大会へ向けた議論の1つとして提示しておくべきだろう。

 

管理人(2026/3/17)