土方声明に関する議論で、興味深いものを見つけた。「『除名の再審査』を求める資格とは」というブログ記事である。筆者は、「『「除名の再審査」を求める資格』とはどういう意味なのか、土方論説の中に説明がな」いとして、それを説明してみせる。

 

土方論説にある『「除名の再審査」を求める資格』の問題は、おそらく、除名処分が不当または無効だと主張するならば、引き続き党員として行動するべきだ、ということだ。すなわち、規約に拘束されながらの言動をとらねば、除名は規約違反だ、と主張する「資格」が問われる、という意味だ。

除名されて党員資格を党組織には否認されているのだから、党員としての権利行使には当然に限界がある。除名の不当・無効を党内外に党外から訴えることも、ある程度は必要になるだろうが、それは緊急避難的に必要な範囲内でのことで、公然と規約に違反する行動をとっておいて、自らへの除名処分は規約違反だと主張するのはその資格があるのか、ということを土方論説は言ってるのだと思う。

 

 ここで言われていることぐらい、土方声明を読めば誰にでもわかることではないか。だからこそ私たちが反発したのだということをこの筆者はわかっていない。捉え方がそれこそ逆立ちしているのである。

 「除名処分」を承認した当事者である中央委員会に、「除名処分の再審査」を求める側の資格をうんぬんする〝資格〟は断じてない。松竹氏の行動について、中央は除名に値する規約違反だとし、松竹氏は除名に値する規約違反でないと主張し対立しているわけだが、これを再審査できるのは、中央よりも上級の党機関しかない、つまり党の最高決定機関=党大会である。判断するのはあくまで党大会なのである

 先日、今田氏の除籍処分(2014年)について触れたが、今田氏の場合はツイッターでの党中央批判をしたところ、党中央から話し合いの要請がきたが今田氏はそれを拒否、その後今田氏が党中央の見解に反する著書を出版したことから除籍処分となった。ところが、松竹氏の場合はほとんど前例のない一発処分、それも最高処分である「除名」だ。たとえ彼の行為を規約違反だと認定したとしても、それがどの程度の処分に値するかは別問題である。松竹氏の行為が規約違反だと認めても、一発処分での除名は前例をみても厳しすぎるのではないかという党員も多いはずだ。いったん処分を取り消して、中央と話し合い(ただし公開で)すればいいのではないか。当初からSNSではそういう意見が出ていた。松竹氏も応じるはずだ。

 

わかってやってる共産党と、無自覚にやってる松竹さんの違いはあるけど。どっちが悪質かというとどっちもどっちだけど、規約違反はあるのかどうかだけを問題にすれば、僕にとっては松竹氏の規約違反は明らか。

 

 中央にとっても「松竹氏の規約違反は明らか」であろう。だからといって再審査を門前払いするならば、中央委員会が党大会に代わって再審査したことになる。つまり、党中央が規約違反を侵すことになる。そのようなことを強行すれば、党規約の厳格な守り手でなければならない中央委員会自体の正当性が問われることになるだろう。

 

管理人(2023/12/10)