障害がある方や高齢の方の旅を手がけていると言うと、

「大変なお仕事ですね」
「素晴らしいお仕事をされていますね」
「福祉の資格も取られたのですか」


など、何百回と言われたか数えきれません。



世の中には大変なお仕事しかないと思いますし、社会から必要とされていない振込詐欺などを除けば素晴らしい仕事しか、この世にはないと思っています。


そして、福祉の資格。
(もちろん、何も持っていないのですが)

障害者、高齢者向けサービス=福祉領域との
譲れない概念が社会全体に存在しています。

民間企業で、福祉サービスをやるのは
採算度外視か、よほどの善良な人という
決めつけがそこにはあるのです。

ベルテンポが手がけている旅は、
特に介護や介助を旅行中にする訳ではありません。

「介護や介助をしない?
 じゃあ、何をするのですか?」


良く言われます。
何もしません。

もちろん旅程管理や美味しいお店を手配したり、
安全で安心な旅は作ります。

何もしないって?

します、します。
「人として当たり前」のことはします。


・飛行機から降りたあと、ターンテーブルで重い荷物を
 持ち上げられない。→お手伝いする
・お風呂に入るのに、足元が悪くちょっと不安
  →一緒に入る
・トイレの場所が判らない
  →トイレまでご案内する



旅行中にこれらのことに対応するのは当たり前ですが、
こんなのは福祉サービスでも何でもありません。

「人として、その場に居合わせたらやるのが当たり前」

です。
サービスというレベルのものでもありません。

当事者でない方は、この辺りのニュアンスは
ご理解頂けないかも知れませんが、
当社に初めてお問い合わせを頂く際、私は、


「お手洗いやお風呂など、介護が必要ですか?」

とお伺いすると99%の方は、

「いや、それは自分(家族)で出来ます。」

とおっしゃいます。


時間が掛かっても、自分でやりたい気持ちは
とても良く理解できます。

お客様は、入浴を手伝って欲しいのではなく、
トイレを手伝って欲しいのではなく、

『自宅から出て、旅先でリフレッシュ』

したいだけなのです。

その応援やきっかけ作りが、旅行業界では
ほとんど出来ていないだけなのです。


そして。

リフレッシュしたいのは、
お体に障害があるご本人ももちろんですが、

日頃、頑張って、頑張って、頑張り過ぎて
「もう、無理」と思う一歩寸前の奥様やご家族なのです。


障害があるご本人の入浴も大切ですが、
1日くらいお風呂をサボっても、
私はご家族の笑顔の応援をお手伝いするほうが、
社会的には100倍価値があると信じています。

何千という数の現場にご一緒して、
そう確信しています。

旅の仕事はチケットを取ることだけではありませんし、ましてやトイレ個室内の支援をすることではありません。



奥様の笑顔と元気。



これに勝るご褒美はないと、
ご主人もそう思っているはずです。