もう、2月になりました。


被災地では仮設住宅ができ始め、それぞれの住まい、生業の復興に向け次のフェーズに入りました。


この一カ月が長かったのか、短かったのか?


一瞬のうちに大切なもの全てを喪失してしまった大きな衝撃で、茫然自失となった状態からまだ抜け出せずにいる方もいらっしゃるでしょう。


反対に、非日常の危機的状況からサバイバルするために、興奮と高揚を維持しながら、強い使命感を持って、他人のため献身的に行動し続ける方もいらっしゃいます。自らも被災者であるのに…。


これらはどちらも、異常事態における人間心理の正常な反応なんだそうです。


阪神淡路大震災から今回まで、災害、復興時における精神的影響の研究が進み、ようやく日本でもメンタルケアの重要性が見直されて来ました。


「自分より大変な方々は沢山いる…」

「自分だけ助けて頂いて申し訳ない…」

「自分より他人が喜んで下さる様子が嬉しい…」

「前を向くしかない。頑張るしかない。」

「大丈夫。」


心揺さぶられる美談が毎日報道され、復興に向け被災者も支援者も一丸となるエネルギーとなるのは素晴らしい事とだと思います。



東日本大震災の後、こんな記事を書いていました。


これから、

非常時の混乱が収まり、自らの現実を冷静に受け入れざる得ないフェーズに入ったとき、


自分一人の力ではどうにもならない事実を思い知り、無力感、疲労感、やり場の無い怒り、虚脱感に囚われる方々が多く出て来てしまう事でしょう。

今どんな心理状態で、どんな行動をされているかに関わらず…ご自身の心のダメージに向き合わざる得ない時が来てしまうのだと思います。


それを想うと、心臓を絞られる様に苦しくなります。


でも…こんなに辛い時間も、人間の精神が回復に向かう正常な反応の一段階なのです。

この時間があってこそ、安定して将来の再建に取り組める時がやって来るのです。


これからやって来るそんな時間は、人によって様々で、月単位で済む方から年単位、10年以上かかる方、そのまま精神疾患に移行して生涯の時間を費やしてしまう方もいらっしゃるかも知れません。


でも、人の災害による一般的心理変化をあらかじめ理解するだけでも、この辛い時間を短くしたり、軽くさせる効果があると思うのです。


自分を過信せず、心に向き合う時間を作って下さい。

仲間内で心の丈を語り合う時間を作って下さい。

今は気づいて手を伸ばせば、ネットでもメンタルケアを受けらるし、自ら学び実践する事も出来ます。


目先の生活再建に追われて余裕など無い!とは思いますが、今気付いて知る事が大切なのだと思うのです。


メンタルケア専門家による被災地支援の輪が広がる事を願います。

どうかよろしくお願いします。