週末、長年の恩師の優しいお計らいで
私の好きな想い出深い東京文化会館で
Kバレエの「蝶々夫人」を観て来ました。
腰を痛めて以来5年、長時間座り続けるのもリスキーだったため、舞台も映画鑑賞もお預けにしていましたが…
思いがけない嬉しいお誘いに、思い切って解禁としました。
幕が開く前、オーケストラのチューニングが始まると… 私、いつも 血が騒ぎだします。
緊張、不安、武者震い… 舞台に立っていた頃の
高揚感が蘇るのです。
ずいぶん昔の記憶なのにね。
この瞬間が好きです。
とても贅沢なお席で
ダンサーの繊細な表情、指先、爪先の表現まで
感じる事が出来ました。
シンプルに大胆に 洗練された舞台美術。
どこから観ても和装で、絹織物の重量をちゃんと感じさせるのに、バレエ用に計算し尽くされた高機能な衣装やシューズ、小物は
照明効果と相まって、派手過ぎず地味過ぎない
絶妙な色合いで、時代感が印象的に表現されていました。
Kバレエの美術センス、好みなのです。
和装ダンサーのうなじから肩の角度、
腰の落とし具合、膝、内腿の閉め方、
長い袖先から強調される手首から指先の表現…
バレエとは真逆の和の所作を随分研究されたのだろうなぁ…。
ダンサーの技術レベルも流石だけど、
こんな表現、振付けを創造出来る熊川さんって・・・!
豊か過ぎる彼の才能に改めて感じ入り、
バレエという総合芸術を堪能しました。
招待くださった恩師とも、
これまで出来なかったお話をゆっくり伺いながら、相変わらず、きれっきれの頭脳とチャーミングなお人柄を感じたり、いつまでも若々しく素敵でいられる理由を新たに発見したり…
とても楽しい時間を過ごせました。
ほんと素敵な1日でありました。
直近5年を含めて、心身共にハードに頑張って来た私に、神様からのご褒美かな?
その夜は、ベッドでパンフレットを眺めつつ余韻を楽しみなが眠りにつきました。
夢から覚めると、
魔法が解けて、カボチャに戻った馬車が転がっていて・・・
残ったガラスの靴は胸にしまって
また、地道に、現実に向き合い、悔いの少ない人生を目指して生きていく私なのでした。
