7月です。

梅雨にしては 過ごしやすい日が続いていましたが

いよいよ 週末からは 蒸し暑さがやって来そうです。


3~4年前でしょうか・・・・

天気予報がはずれ、出先からの帰り道雨に降られました。

幸い私は 折りたたみ傘を持っていたので、濡れずに

済んだのですがFullSizeRender.jpg
大きめの重いバッグを持っていたのと

お気に入りのサンダルが ぐしょぐしょに濡れてしまったのと

当時、頭を悩ます懸案事項があったのとで、

いっそうブルーな気分で歩道を早足で歩いていました。


傘をさした2人がすれ違うのがやっとの狭い歩道を

買い物帰りのご婦人が 傘を差しながら 前から

ゆっくり歩いてこられました。


そして、私とすれ違う4~5歩前になると

ご自分の傘を 私の反対側に少し傾け

私が通りやすいように 配慮してくださったのです。


私も瞬間 はっとして、自分の傘も傾けました。

すれ違う時、ご婦人の口元にあった優しい笑みと

自然でゆっくりとした仕草 

今でも思い出せるくらい 印象的でした。


ほんの数秒の出来事でしたが

それまで ブルーで トゲトゲ した私の気持ちが

瞬時に ふわっと柔らかく変化したことに

我ながら 驚きました。


ほんの少しの思いやりを受けることで 、 こちらまで こんなに優しい気持ちになれるなんて・・・・。

私の心が そんなにも荒んでいたのかもしれませんが。


それ以来私も、雨傘でも、日傘でも、

すれ違う少し前から、傘を傾け、配慮の気持ちを示すように 心がけています。

するとほとんどの方が、配慮を返して下さるのを 感じます。


相手を思いやることが、自分を幸せにするって、

こんな些細なことの連続が 日々の暮らしを変え、 

その人の人生を変えていくという事名のかもしれませんね。


雨の日に傘を傾け、相手を配慮する仕草は「傘かしげ」 と言って

「肩ひき」 「腰浮かせ」 「時泥棒」 などとともに、江戸の町民達が行っていた

日常生活の心配り「江戸しぐさ 」 のひとつなのだそうです。

歴史的検証はなされていないようですが、 粋なネーミング ですね。


雨の日は 江戸しぐさ で和んでください。