「これは通じないな・・・」
母とクルマで外出する時、母は助手席に乗る
「昔からの習わしで、助手席じゃないとクルマ酔いするんじゃ」
(市原さん風に言って欲しい)
母は車窓から景色を見るのが、大のお気に入りだ
「あれはマンションですか?」高層ビルを指さす!
え?私に見ろと?!!
「わき見運転できませんよ!」と注意する
公園に行くために、マンションが立ち並ぶ道を走行中、
母が又聞いてきた
「あれはマンションですか?」指差しはやめている
「そうですよ。沢山ありますね。一棟に何世帯もあるから、
ご近所さんたちを覚えきれませんね」と答えると
母は「あら~、ここに住んでいるんですか?」と聞いてきた
なんて答えようかな?面倒くさい時は黙っている
公園の駐車場に到着して、母を車いすに乗せ公園の中に向かう
「オネエサン、すみませんね、乗せてもらって」
母は一応、私を労ってくれる(今日も介護スタッフだと思ってる)
私は「ああ、大丈夫です。ここにタクシーのメーターが付いているので、
後で請求しますからね」と言うと
母は大声で笑う(冗談は分かる母)
母にヒマラヤスギの大きな松ぼっくりを教えた
母は松ぼっくりを拾いたいと言うが、
ボロっと一個落ちてくるわけではない
はらはらと一枚ずつ剥がれ落ちて、
最後は小さくなって、まるで薔薇の花のようだよと説明した
(わが人生で一度しか拾ったことが無い、それも大量だった)
分かったかな?・・・
今度、拾いに来ましょうねと言うと母は嬉しそうだった
(拾うタイミングが難しいのだよ)
そんな母は、カーナビに反応する
「2キロ先、渋滞があります」うちのナイト2000のキットが話す
(うちのクルマは日本車)
母は、コレを聞くと毎回私に質問してくる
「ヘンタイがあるの?」
毎回、毎回、説明するのだが超面倒くさい
「ヘンタイは、『あるの』じゃなくて『い・る・の』
それでね、『ヘンタイ』じゃなくて『ジ・ュ・ウ・タ・イ』
分かりますか??」
「はい、分かりましたぁ」毎回。母は言うんだけどね
「じゅうたいが あります」
母には「これは通じないなと思った」私キビナゴである