一人っ子Bさん | マイノリティのお話

マイノリティのお話

ずっと人前で自分を出せない、自分でいてはいけないのだと思ってました。カウンセリングを受けたら、育った環境に原因がある事がわかりました。

私以外全員ASDだった。

ASDについて勉強したら、今まで見えてなかった事が見え始めた、そんなブログです。

実家の高齢両親と妹ちゃん問題と、仕事が新しく変わるとともにすでに新しい上司リズから数十ページにわたるなんやわからん課題を出されてるので、正直、それどころではないのだけれど。

 

不安が高まると、それに比例して脳の多動が出てくるADHD寄りな私は。「この国に来て会社外のネットワークを広げる」と言いながら、マッチングアプリで飲み友達探しをしてます。

マッチングアプリ、まぁ、そもそも、そうよね。飲み友達探しのツールじゃないので、目的がそもそもズレている。ツール自体が、デートの相手を探すとか、バカンス先のデート相手を探すとか、あるいは真剣に恋人を探すとか。そんな目的なので。私みたいに、「そもそも、恋人になる確率は低そうだから、1回デートした後に『まぁ、友達として置いておくには悪くないか』ぐらいの感じの相手を引き当てたい」みたいなややこしい亊考えている人はいないのだ。
 
私: ハロー、初めまして。よくXXに行かれるんですね。
A: ハロー、あ、プロファイルみたの?そうなんだよね。君も?
私: いえ、興味はあるんですけれど。
A: そう。あ、君は未婚・離婚?子あり?なし?
私: 未婚、子なし。
A: ここにはいつから?そして、仕事は?
A: このツールを使っている目的は?
 
なんか面接されてるみたいで、この時点で、友達としても無理っぽい・・・と思って、そのまま消滅する亊にしたり。あっ、ちなみに、こちらからメッセージしないとやり取りは始まらないシステムです。
 
 
私: ハロー、初めまして。週末もお仕事されるんですか? ←プロフィールを見て何か話すきっかけを探る。
C: そんな亊ないよ、マイスウィートハート。どうしてそう思うんだい?
私: ・・・ぷ、プロフィールに書いてあったので・・・。
C: 君みたいなハニーが居てくれたら、もちろん仕事なんてしないよ。君も僕と熱い時間を過ごしたいだろう?
私: ・・・。
 
あかん。スタートダッシュが早すぎて、ついていかれへん。置いていかれた感満載で、私はそのレースを降りました。
 
まぁ、こんな亊を数人繰り返して、一人、「恋人探してるわけではないねん、飲み友達が欲しいねん」とはっきり伝えて、カジュアルな飲み友達文化がある国の人とビール飲みに行ったのですが。その場はすごく盛り上がって楽しかったけれど、その人はもうすぐ隣国に引っ越す予定との亊。「しばらく行き来するから、また飲もう」という亊になった。まぁ、もう1・2度は飲みに行く亊あるかもやけど、残念。
 
で、その中で先日の記事で書いた、Bさん。たいてい、私は「Extrovert」だと思われるのに、すんごい最初の方に「Introvertだね」と言い当てられてしまった人。
 
 
この人、実は、この国に住んでいない。住んでいるのはフライトで2時間ほどの隣国である。ただ、こちらにビジネス展開をしているので、この都市に来る亊が多いらしい。
 
他数人マッチングアプリでしばらくやり取りした人は、私が割と早い段階で「なんか違う・・・」とか「ペースが合わない」と思ったのだけれど。このBさんは、これがなかった。なんていうかなぁ・・・バランス取れてる感じ。Bさんが話す内容と同じ分量で私が返し、その私の返しに同じ分量と熱量で返す・・・みたいな、会話のキャッチボールの基本のきが出来てる感じ(笑)。そうです。私は家族を含め周囲にASD寄りが多すぎて、会話が成り立たない民に囲まれているので。こういう亊をナチュラルにする人を、普通と思えず「すげえー」と思ってしまう。ちょろすぎるだろう・・・私・・・と思った。
 
でも、我が家の家族を例に挙げると、こじらせASDだと、一方的に言いたい亊を言いたいように言葉足らずだったり多すぎだったり長すぎたり短すぎたりして投げるように伝えてきて、それが思ったように伝わらないとブチ切れるし。珍しく質問してきたなと思って、こちらがそれに答えると、想定してた答え以外だとブチ切れるし。あまりにもブチ切れられるともちろん疲弊してくるので、ブチ切れられないような会話運びをこちらが気を使ってする亊になり、相手の心地よい自分を演じ続ける事になるのだ。
 
そんなこじらせASD民に囲まれている日常の私にとって、Bさんは偉く新鮮であった。
 
こちらの国に来て仕事が立て込んでいるらしく、隙間時間に会おうと提案してくれたのだけれど。隙間時間が変な時間すぎた。朝ごはん一緒に食べよう・・・か、夜遅く二次会ぐらいの時間に会おうとか。なんかイレギュラー時間で面倒くさいなぁ・・・と思いつつ、「わかった。ああ、仕事終わったら教えてね」「うん、あと2時間ぐらいで終わりそう」というやり取りがあった。
 
で、2時間後・・・仕事終わりを待ってちょっとメッセージしてみた。既読はつくのだけれど、返事がない。その日は「仕事がすっごく忙しくて、ちょっと疲れている」と言っていたので、もう疲れはててぶっ倒れたのか・・・?と思いながら、いや、既読したら「ごめん、疲れたから、今日は無理っぽい」ぐらいメッセージ出来るやろ・・・と思ったり。
 
モヤっとしたけど、それをメッセージでぶつけるのもなんなので。翌日まで放置した。そして、翌日。
 
 
Bさん: おはよう。今起きた。すんごい疲れてて。
私: おはようございます。仕事立て込んでるって言うてたもんね。熱中症とかではないん?
Bさん: そうそう、すんごいひどい奴。
私: えー。具合悪いのに、今日も仕事なん?お疲れ様やな。
Bさん: 嘘だよ。疲れてるけど、病気じゃないよ。
私: ・・・え?そうなん?仕事で疲れてるって言うてたし、なんか本格的に具合悪くなったから、昨日はもう連絡くれずに寝てしもたんかと思ってた。仕事終わりが2時間後って言うから、割と待ってたんやけど。
Bさん: え?ごめん!いや・・・君も、「隙間時間だし、あんまり・・・」みたいな感じを出してたから、無理かなと思ってたのと、疲れてたから。
 
私: まぁ、かまへんけど。① 仕事で疲れ果てて、メッセージ一つ打たれへんぐらい具合悪いか、②同僚かお友達かあるいはマッチングアプリで見つけた別の方とパーティーしてはるか、③ そもそもBさんは存在してへんか、のどれかかなと思ったから。②か③やったら、速攻ブロックしてやろうかと思ってた。
 
Bさん: ・・・す、すみません。本当に、ごめん。いや、ごめん。申し訳ない。臨機応変に決めていこうと思ってたんだけど。
私: その臨機応変、自分の臨機応変で。私に合わせろっていう亊やんな。それでもいいけど、そしたら、合わせやすいように、せめてメッセージした方がよかったんちゃうんけ。
 
と、マッチングアプリで、まだ出会ってもいない人なので、好き放題言いました(笑)。向こうがブチ切れても、まだメッセージだから、何の被害もないしな。
 
Bさん: ごめん、本当にごめん。ええと、今日、お昼どう?
私: えっ・・・また急やなぁ・・・。
Bさん: 臨機応変で・・・。あっ・・・嫌ならいいけど。
私: そしたら、お昼に会いましょう。
 
 
と、まぁ、こんな調子。よくある、マッチングアプリの相手を紹介してぶった切っていくブログだと、この時点で「ハイ、次!」となりそうなんだけれど。私、この時点で、ちょっと思っていた。これ、私が良く知ってる報連相の必要性を感じてない民と違うなぁ・・・と。我が家の人々や、私の周囲の人々も、似たような感じで報連相せずに一見わがままに自分の思い通りの亊を通してるように見えるけれど。何かが違う。
 
Bさんのは、もっとこう・・・本質的に、本格的に、普通に、ただ、相手が自分に合わせてくれるもんだと、意識して思ってる感じ。我が家の人々みたいに無意識で・・・とは何かが違う。
 
で、会って話してみて、わかった。
 
実は、会う亊になったお昼のレストラン、人気店すぎて、もう行列ができていた。「初めまして」よりも先に、「2時間待ちだって・・・」というのが先だった。で、2時間なら次の場所を探そうとなって、店を出たのだけれど。バックアッププランを考えていなかったらしく、探せど探せどちょうどいい次の店が見つからない。炎天下を40分ほどうろうろして「あづい・・・」となったのだけれど、何のこだわりからか「おいしいごはんが食べたい」と食べログ的なものを見ながら必死で次の店を探そうとしている。
 
Bさん:もう、こうなったら、5つ星ホテルかなんかのラウンジでいいんだけど。質は保証されてるし、エアコン効いてるし。
私: じゃあ、好きな5つ星ホテルの名前を一つ上げて。
Bさん: えー?Mホテル?
私: わかった。じゃあ、この道を渡って、タクシー乗り場まで行こう。
Bさん: え?
私: もう、この辺はお昼時だし混んでて無理でしょう。タクシー乗りましょう。ハイ、移動する。
Bさん: え、あ、ウン。ハイ。
 
で、タクシーに乗って、Mホテルに行き、そのラウンジで落ち着いた。確かにエアコン効いてるし、そこそこのつまみは出るし、最高・・・。
 
私: なかなかいい案だったね。Mホテル、私も好きだし。ホテルのラウンジも定番感があって、いいわ。そして、涼しい~。
Bさん: 嫌な顔しないんだね、1時間近く、炎天下を歩かせたのに。
 
私: そりゃ、そんな急に予約もなしに、会う亊にしたら、お昼にお店が混んでたり、他のレストランが夏季休暇だったりするのは、まぁ、あるあるだし。まぁ、想定内やな。このグダグダ想定内で、まぁいっか、急だけど、今から会うかってOKしたから。結果、Mホテルのラウンジ、キレイだし、涼しいし、人は少ないし、サービスは良いし、満足満足。
 
 
自分で言いながら、これが我が家のおかんか妹だと、ひたすらぐちぐち文句を言ったり、嫌な顔したり、キレちぎったりしながら不機嫌になるんやろうなぁ・・・と思った。で、この後グダグダの後の会話で面白い亊が。
 
 
Bさん: 君と最初話し始めた時、緩めの感じと、さっぱりした感じと、やや突き放した感じが「男兄弟がいる人」かと思ったけど。こうやって、会って話してみると、違うね。「妹がいるお姉さん」だね。
私: な、なぜ、バレた。
 
Bさん: 性格だけじゃないけれどね。子供の頃に親の転勤で海外に行った日本人、あの年代であの国あたりだったら、まぁ子供は2人ぐらい。で、全部僕になんでも任せるのかと思ったら、僕がもたついたら「じゃあ、こうしようよ」と代替案を入れる感じ。仕切りもできるから、多分、長女。でも、一つびっくりしたのが、「まぁ想定内」って何度も言ってたから、予測していたのだなぁと。僕がこんな感じで我を通す亊を想定してた上で、好きにさせてたのか・・・と思ってる(笑)。
 
私: 当たりすぎてて、面白いやん(笑)。Bさんは・・・兄弟姉妹はいるん?
Bさん: 甘やかされた一人っ子です。
私: でしょうね。(笑)
Bさん: わかってたの?じゃあ、なんで聞いたの。
 
私: いや、一応礼儀として。「ごはんはおいしいところがいいんだ」とか「いやだ、食べログで探す」とか、ぐだぐだしてるのにまだあきらめない感とか、でも、決して優柔不断で決められないわけじゃなくて、ただ自分を通したいだけで、それに私が多分文句言わんだろう・・・ぐらいの感じで押してたくせに、途中で急にはっと我に返って「わぁ・・・どうしよう」ってなってる感とか、そんで、そうなったら相手に助けてもらえると思ってる感とか、面白かったわー。多分、やりたい亊をやらせてもらって、できない時は助けてもらうのに慣れてる一人っ子やろうなぁ・・・と思った(笑)。
 
Bさん: いや、当たりすぎでしょう。
 
 
報連相しない感じも、我が家の人とは違って、単純に、甘やかされた一人っ子故のやりたい亊やる感だったのだ。多分、大人の中で育てられて、論理的に話をされれば「なるほどな」と納得する亊が多いので、きちんと会話が出来る人。こちらが「あーでこーで、こうでしょう」と言えば、「あ、そうか。ごめん。次から気を付ける」と、普通の会話で、普通の人間のやり取りができる人。
 
しかも、私と同じ、分析好き・・・(笑)。
 
 
面白い人に出会えました。この国に住んでないのが残念だけれど。出張で良く来る見たいだから、まぁ、その時に会う人・・・になるんだろうか。
 
 
とりあえず、神様ありがとう。我が家のこじらせASDに比べたら、わがまま一人っ子は全然普通過ぎて、気持ちが軽いです。