今日(というか今回も日付が変わって昨日・・・)は、
交通犯罪の判決記事が2件出ていたので、ここで紹介して、
ちょっと考えてみたいことがあります。まず1件目・・・。
死亡事故の速水被告に有罪=「だんご3兄弟」で人気―さいたま地裁支部
時事通信 2月22日(水)18時1分配信
運転中に歩行者の女性をはね、死亡させたとして、自動車運転過失致死罪で起訴されたタレント速水けんたろう(本名谷本敦雄)被告(50)の判決が22日、さいたま地裁川越支部であった。加登屋健治裁判官は「充実した老後生活を送っていた被害者を絶命させた過失責任は重い」として、禁錮2年、執行猶予3年(求刑禁錮2年)を言い渡した。
速水被告はNHK「おかあさんといっしょ」の「歌のお兄さん」として活躍。「だんご3兄弟」が大ヒットしたが、事故以降は活動を休止している。
加登屋裁判官は判決言い渡し後、被害者の孫が同被告の歌を楽しみにしていたことに触れ、「また聞き手に感動を与えられるようになってほしい」と語り掛けた。
判決によると、速水被告は昨年7月16日、埼玉県川越市で乗用車を運転中、助手席に置いたCDケースが動いたことに気を取られて前方をよく確認せずに右折し、横断歩道を渡っていた無職女性=当時(78)=をはね、死なせた。
速水被告は判決後、報道陣に対し「取り返しのつかないことをしてしまった後悔で、まだ自分が何をすべきなのか分からない」と語った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120222-00000112-jij-soci
芸能人の速水けんたろうが被告になり、
求刑禁錮2年に対して、判決は禁錮2年執行猶予3年。
執行猶予付き判決というのは、実質無罪放免ということです。
次に2件目をみてみますと・・・。
死亡事故の米軍属に実刑…地位協定見直し初適用
読売新聞 2月22日(水)14時17分配信
運用見直し後の日米地位協定が初めて適用され、自動車運転過失致死罪で起訴された米国人軍属ルーフェイス・ラムジー被告(24)の判決が22日、那覇地裁であり、鈴木秀行裁判長は禁錮1年6月(求刑・禁錮2年)の実刑判決を言い渡した。
鈴木裁判長は言い渡し後、「人を死なせ、とるべき態度に日米で違いはない。償いとして(刑を)務めるよう希望する」と説諭した。
判決などによると、ラムジー被告は昨年1月、公務で乗用車を運転中、沖縄県沖縄市の国道で、対向車線にはみだし、男性会社員(当時19歳)の軽乗用車に衝突、男性を死亡させた。
ラムジー被告は、公務中の犯罪の第1次裁判権は米側にあるとする地位協定に基づき、いったんは不起訴となった。しかし、昨年11月、交通死亡事故など重大な犯罪で米側が刑事訴追しない場合、日本が裁判権を行使できるとする地位協定の運用見直しに日米両政府が合意したことで、同月、在宅起訴された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120222-00000716-yom-soci
求刑は同じ禁錮2年に対して、判決は禁錮1年6ヶ月の実刑。
速水けんたろう被告と異なり、これで刑が確定すれば、
この米軍軍人の被告は、刑務所でしっかり罪を償うことになります。
求刑が同じ禁錮2年で、一方は実刑で、一方は実質無罪放免・・・。
もちろん対向車線はみだしなど、細かい要素は色々あるでしょう。
しかし根本的な問題として、人を一人殺した報いとして比べた場合、
この大きな違い・・・これはどこから生まれるのだろう、
何を意味するのだろう、と人の命の重さについて考えざるを得ません。
子供の頃、よく「人の命は地球より重いんだよ」と言われたものです。
しかし今では、それは一面的な考え方であることを知っています。
家族や夫婦にとって、その命の重さは、何よりも大切なものです。
しかしそうでない場合、その重さは恣意的に「計量」されるものになります。
それが象徴的に表現される場所が、裁判所という場所だったりします。
裁判官が常識人であるか否か、情が通じるか否か、交通犯罪であれば、
事故の瞬間がどんな行動をしていたか、といった偶然性に翻弄され、
「この命は重い」「この命は・・・まあこの程度でいいや」と仕分けされます。
光市判決は、「喜びの感情は一切ない」「事件が起こった時点で皆敗者」
との本村さんの言葉はありますが、それでも命というのものは、
何よりも重く、かけがえのないものだという「計量」がされた瞬間でした。
しかし大切な人を奪われ、「軽い計量」の二次被害に苦しむ遺族もいます。
変えなければならない不完全な現実の一つであることは間違いありません。