前々回に書いたことを受けて・・・
前々回ブログで、交通犯罪の刑事裁判では、
「もう車は運転しません」
「車も手放しました」
と被告人側が主張するケースがよくあり、
私の加害者もそう主張したと書きました。
実はこれ、ほぼ事実検証されていません。
(ほとんどの人は知らないですよね・・・)
つまり言いたい放題の実情があります。
交通事故加害者弁護士にとっても、
お決まりテンプレートの一つだと思います。
私も当時は無知な遺族の一人でした。
だから加害者側のそんな主張を聞き、
「そうなんだ・・・」
とぼんやり思っただけでスルーでした。
ちなみに検事もスルーでした。
定番テンプレートなのでしょう。
しかし、だからこそ、
これがお約束テンプレートだとわかれば、
被害者参加して被告人質問を行った際、
加害者を叩く手段の一つになります。
遺族「車は手放したと言いましたよね」
加害者「はい」
遺族「何という車ですか?」
加害者「●●です」
遺族「保険会社も解約したのですよね?」
加害者「はい」
遺族「どこの保険会社ですか?」
加害者「あ・・・えっと・・・」
(※バカでなければここでこちらの意図に気づく)
遺族「言えないんですか?」
加害者「・・・」
遺族「(裁判官か検事に向かって大声で)
被告人は嘘をついていると思いますので、
証明書類の取り寄せを求めます!」
加害者「・・・」
被告人質問でこんなやり取りが可能です。
本当に車を手放していれば空振りですが、
嘘をついている可能性の方が高いわけで、
高確率で加害者立ち往生になるはずです。
車を手放したかどうかなんて些末事です。
重要なのは執行猶予目当ての情状狙いで
加害者が嘘をついていること。
その事実を法廷であばくことです。
ここまで追求できれば、裁判官も
「被告人は真摯に反省している」
とは判決文に絶対書けないはずです。
もちろん判例主義の壁もあります。
博打性の高い裁判官ガチャもあります。
多くの裁判官は、それでもなんとか
判決文に書ける執行猶予ポイントを
懸命に拾おうとしてくるでしょう。
自身の昇進も関わるので必死です。
しかし、嘘を露骨なまでに暴露し、
加害者を立ち往生させることにより、
実刑の可能性を高めることはできる。
ほんのわずかな可能性アップでも、
そのために動かない理由はありません。
もし遺族の方がこのブログを読み、
刑事裁判の被告人質問の前であれば、
そして加害者が、
「もう車は運転しません」
「車も手放しました」
と言ったら、試してほしいと思います。
そして「執行猶予当たり前」の判例を
少しずつでも、長い年月をかけても、
皆で突き崩してほしいと思っています。