前回の話題をさらに引っ張るかもしれませんが、
そもそもなんの落ち度もない人の命を奪った場合、
刑務所に入らずに済むこと自体がおかしなことです。
少なくともそれが多くの人の感覚だと思います。
しかしそんな「国民感情」に裁判官が気づき始め、
徐々に判例がより良いものに変わっていく・・・
ということはやはり期待できないと思っています。
裁判官の世界の中だけに委ねていたら、
いつまで経っても何も変わらないと考えるべき。
「やはり人の命を奪って執行猶予はおかしい」
と考える裁判官が仮にいたとして、
その考えを反映した実刑判決を出したとします。
すると加害者側は確実に控訴するでしょうし、
それで控訴審で判決をひっくり返された場合、
その裁判官は人事で不遇をかこつリスクが高い。
そんな「殉教者」をみて、他の裁判官が委縮し、
さらにギチギチの判例主義が強化されていく。
そんな絶望的な悪循環しか想像できません。
なので、交通犯罪で死亡が1名程度だったら、
執行猶予でいいやという線引きを変えるのは、
司法に期待を求めるのではなく、政治により、
外科手術してもらうしかないと思っています。
ただ今はそのタイミングではないと感じます。
しかしあるきっかけで、動きが一気に広がり、
基準がガラッと変わるのが世の中というもの。
元号が令和になってからよく、
「それは昭和」
という言い方が否定的な意味で使われますが、
かつて当たり前だった昭和のそんな野蛮さも、
いつの間に良くなったものはあまり見当たらず、
あるきっかけで議論が起き、世論を席巻し、
一気に変わったものばかりだと感じています。
常にこうして地道に発信を続けつつも、
そんないつかの引き金のタイミングを待ち続け、
絶好の瞬間を狙っていきたいと思っています。