第3回:リズムを組み立てる — 意識して読み解く楽譜の読み方

この記事を読んでほしい人:
⭐️⭐️⭐️ 楽譜のリズムが難しくて読めない…という初心者の方
⭐️⭐️⭐️ 複雑なリズムに混乱して、演奏がズレてしまう方
⭐️⭐️⭐️「とにかく練習あるのみ!」と言われているけれど、うまくいかない方
第2回の記事では、楽器を響かせるための「叩くのではなく『弾ませる』ストローク」についてお話ししました。無駄な力を抜いて、スティックの重さを感じる物理トレーニング、続けていますか?
さて、土台となる「拍」と、音を出す「ストローク」が身についたら、いよいよ「リズム」に挑戦です。
吹奏楽やブラスバンドで、こんな光景を見たことはありませんか?
「ここのリズム、もっと細かく感じて!」
「何度やっても合わない!もっと練習!」
これは、多くのセクションで繰り返される「根性論」による指導です。でも、リズムは「感覚」や「根性」で合わせるものではありません。
演奏がズレる、リズムが読めない、というのは、根性が足りないからではなく、リズムの「仕組み」を理解していないからです。
より良い音楽を作るために、
論理(ロジック)× 構造化(整理)を取り入れていきましょう!
1. 「感覚」だけで合わせようとしない
リズムが読めない、ズレる、という人の多くは、リズムを「感覚(なんとなく)」で捉えようとしています。
「このリズム、なんとなくタタタってなってる」
「先輩のマネをすれば、いつか合うはず」
これでは、少しリズムが難しくなったり、他の人と合わせたりした瞬間に、演奏がどんどんズレていきます。
リズムは、なんとなく合わせるものではありません。実は、すごくシンプルで、論理的な(=筋道の通った)ルールで作られた、美しい仕組みなのです。
感覚ではなく、そのルールを理解して演奏することが、正確な演奏への近道です。
2. 難しいリズムを「分解(スリム化)」してカンタンにしよう!
難しいリズムに直面したとき、どうすれば理解できるのでしょう?
それは、「大きな塊を、自分が処理できる小さな塊に分ける(細分化)」ことです。これをリズムに当てはめてみましょう。
複雑に見える楽譜も、実は単純な音符の組み合わせに過ぎません。それをカンタンにする最強の方法が、「分割」という考え方です。
ケーキを等分に切り分けるように
1小節という時間を、一つの大きな塊として考えるのをやめましょう。
まずは、その小節の中で一番細かい音符(例えば16分音符)を、「最小単位(グリッド、マス目)」として定義します。
ケーキを切り分けることを想像してください。
1小節が大きなホールケーキだとします。
「この小節、リズムが難しいな」と思ったら、そのケーキを、一番細かい音符の数だけ(例:16分音符なら16等分)に、きれいに切り分けます。
これで、1小節が、同じ大きさの「マス目」に区切られた状態になります。
3. リズムを「パズル」みたいに当てはめる
1小節を最小単位のマス目で区切ったら、あとはそこに音符を「パズル」のようにカチッとはめていくだけです。
これは、難しいことではありません。あなたの高い集中力を、この作業に向けるだけでいいのです。
オンとオフで管理する「音のパズル」
音符(音を出す場所): マス目にパズルのピースがある状態(オン)。
休符(音を出さない場所): マス目が空の状態(オフ)。
例えば、4分の4拍子で、16分音符が「タタッタ」というリズムなら、16マスある1小節の「1マス目」「2マス目」「4マス目」に音符のピースをはめる、「3マス目」はオフのピースと整理できます。
感覚で「タタッタ」と覚えるのではなく、「1小節を16に分けた、どのマス目で音を出すか」を、論理的に管理します。
オンとオフを明確に区別することで、リズムの「ズレ」は物理的に不可能になります。
やってみよう!物理トレーニング
パズルに当てはめてみましょう最小単位を決める:
楽譜を見て、一番細かい音符を確認します(例:16分音符)。
これが今日のパズルの「ピースの大きさ」です。
小節をマス目に区切る:
1小節をその最小単位のマス目で区切り、頭の中にそのマス目の配列イメージを作ります。
オン・オフを確認する:
楽譜に沿って、どのマス目に音符(ピース)があり、どのマス目が空(休符)かを、論理的に(=筋道を通して)確認します。なんとなくで読んではいけません。
口でリズムを言い、分割を意識する:
メトロノームを最小単位で鳴らし(重要!16分音符などで)、それに合わせて口でリズムを言います。オンのマス目は「タ」、オフのマス目は「ッ」と、明確に区別します(例:「タタッタ | タッタタ」)。
メトロノームと完全に同期させる:
口のリズムが、メトロノームのマス目と1ミリもズレずに「カチッ」とはまることに、全集中してください。
次回(第4回)は、この洗練された音楽を、10分で1時間分の効果を出す「効率的な練習法」についてお話しします。お楽しみに!!
🥁
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感性と論理で、音楽をもっと自由に。
山田あずさプロフィール
東京を拠点に活動するマリンバ/ヴィブラフォン奏者。現代音楽、即興演奏、教育活動を軸に、演奏・執筆・企画を横断的に行っています。
演奏活動と並行して、専門メディア「marimba.tokyo」「vibraphone.tokyo」を運営。楽器文化や音楽史の発信にも取り組んでいます。
レッスンでは、演奏家としての経験に加え、PMP®・AWS認定資格を持つエンジニアとしての視点を活かし、一人ひとりに合わせた再現性の高い学習プロセスを提案しています。
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