舞台『若様組まいる ~アイスクリン強し~ 』
「しゃぱけ」の原作者、畠中恵の小説の舞台化。
2016年に『若様組まいる』として舞台化され、シリーズの二作目となる。
舞台「しゃばけ」シリーズもちょうど新宿で上演中。時期が重なったことで、3月の時点で私の頭の中は、二作品が少々ごっちゃになっていた。
明治中期を舞台に、駆け出しの洋菓子職人・皆川真次郎と旧旗本出身の警官たち「若様組」らが繰り広げる、"スイーツ文明開化物語"。
玉城裕規の真次郎は、自分の店を持つという真摯なやる気と芯の強さを合わせ持つ自由人だが、柔軟性があり面倒見もいい、懐の深い人間性を感じさせて魅力的。声がやや掠れがちなのが惜しいかな。
リーダー格の入江甚儀は安心感。猪突猛進で勇猛果敢な塩野瑛久は台詞噛んで惜しい。妻持ちで穏やかな中村優一はちょい目立たない。キュートで一番活躍する安川純平だが、「へちゃむくれ」と何度も言われて何かムカついた。
井上小百合はクールビューティーで頼もしいが、役的に曖昧で、やたら毒舌を吐くのが困る。
宮崎香蓮はハキハキした現代っ子のようで、もう少し穏やかな色気がほしい。
小早川俊輔の誠実な雰囲気は良かったが、武子直輝とは兄弟だったという、取って付けた設定に納得いかない。
和合真一のコメディセンスはたまにウザくなる。橋本全一は出番的に少なく、松波優輝は被り物が印象。
隠し球は鎌苅健太と粟根まことで、被り物のコンビネーションとシリアスな役所とのギャップ感がたまらない。
伊藤裕一は滑舌よく展開を牽引し、小野寺ずるのくせ者芝居はクセになる。
ざっくり二つの話の構成で、前半は旧旗本のお家騒動の顛末、小弥太がそのまま真次郎の弟子になるのかと思っていたら、違っててガッカリ。小早川俊輔に接近する鎌苅健太の図で、W宍戸亮健在だとウキウキ。アイスクリンには氷(帝)を使うしね。
後半は男女の恋愛とコレラと迫り来る戦の匂いで、いまひとつ纏まらず没入できない展開。沙羅たち女性が自分の行きたい道を見いだしていく話に終結か。若様組の存在が少しぼんやりする展開だった。
明治は、金持ちには良き時代であったが、貧乏人には絶望に陥る時代であったのだ。真次郎も結局、沙羅の父で成金の琢磨にお金を無心していたしね。お店を開くには、パトロンが必要な時代だったのだ。
明治も平成の世も、すべて金と人脈と運なくしては成功できない。
ビスキットもアイスクリンもチョコレイトも、金持ちが楽しむ嗜好品。パンもごはんもなければ、スイーツを食べればいいじゃない。
アフタートーク。
玉城裕規、粟根まこと、橋本全一、松波優輝、MCで伊藤裕一。
公演を振り返ってハプニング話や、好きなスイーツ話。
「トリスケリオン」から1ヶ月も経ってない粟根まことさんは、さすが知識が豊富で皆の話にさりげないフォロー。
イケ戦から1ヶ月も経ってない橋本全一さんは、大股開きでオネエになるなど、クールな光秀のイメージがどんどん崩れてしまった。







