傑作音楽劇。
何度も時計を見た。
ブレヒト研究の第一人者である谷川道子氏の新翻訳を、演劇芸術監督の宮田慶子氏が演出。
19世紀のロンドン。大泥棒で女好きのメッキース(池内博之)の結婚と逮捕をめぐって、てんやわんやに入り乱れて繰り広げる男女の騒動を描く。
ミュージカルではなく、音楽劇。
下手奥にバンドが控え贅沢な生演奏。
客席5列まで潰しての大掛かりなセットは乱雑な中に堅実性と品がある。
キャスト表。
キャスト表。
山路和弘さんが口火をきって渋く歌って『宝塚BOYS』を彷彿とさせるが、歌の出番は一幕ぐらいまで。
石井一孝さんの軍服は似合うが、歌が少なすぎて物足りない。
肝心の主人公・池内博之さんもそれなりに歌いこなすが、歌をのせるのがまだ真に身についていない。
女性陣がその分伸び伸びと歌い上げ、キャラの個性も光る。
2年ぶりの舞台で歌も芝居もチャーミングなソニンさん。おきゃんで明るい熱気の大塚千弘さん。
あめくみちこさんの骨太で逞しいおかみさんもいい。妖しい色気で切なるバラードを歌う島田歌穂さんも新たな境地か。
女性キャラに比べ、男性キャラばどれもおとなしく魅力に乏しい。
女性たちが快活に勇ましく動き回る中を、男たちが縫って這いずり回るような印象を受けた。
メッキースにはもう少しアンチヒーローのような存在感があったら話も膨らむのにと思う。
おまけにラストは、わざと無理やりなハッピーエンド。
これではまるで『ヒストリー・ボーイズ』みたいに、上からの命令で民の運命が左右される縮図にしかすぎない。
確かに19世紀の英国の話だが、女王の番犬はシエル・ファントムハイヴだけで充分。
エンタメ性たっぷりでさぞ面白いのかと思ったが、今回のは作品のシャープな魅力を活かし切れてないように思った。
歌や楽曲はそれなりにイイ。
座り心地のいい椅子で前通路で舞台もとても観やすかったが、あまりに気持ちよくてウトウトしそうになった。
風邪薬のせいにしとこう。











