『広島に原爆を落とす日』。
若い人が入って、世代交代の予感をひたひたと感じさせる舞台だった。
白系ロシア人のディープ山崎を、もはや不動の馬場徹くん。前半の芝居は抑え気味に、後半から一気にヒートアップさせ、捲し立てる台詞もリズミカルで、ちょい甘噛みはあれど、やはり凄い存在だ。
4年前にばーちょがやってた平沼を高橋龍輝くん。熱く頼もしい芝居にはちきれんばかりの若さが加わり、りゅきの新たな魅力開花。
しっかしバツキンの下りや、「やりたいですか?」とお客さんに寝転んで訊いたり、四つん這いになったりと、イメージ一掃するようなアドリブには笑い。全て吹っ切れた感のりゅきの本気度を見た。
そんなりゅきに対し、ばーちょは苦笑気味に「そんなんで喉使うな」と。ばーちょにとっては新たなライバル出現かもね。
久保田創くんがやってたオープニング紹介を、大久保祥太郎くんがタキシードで熱く叫ぶ。つか作品の新たな人材だろう。
桑野晃輔くん、早乙女友貴くん、山下翔央くんが兼ね役をやりながら、兵士達を泥臭く熱く体現。ことに翔央くんは徹底した受けで体力使いそう。
ヒトラーの市瀬秀和さんの軍服が似合うが、前半は土着民との恋愛沙汰を憎々しく演じる。前に同じ役をやった細貝圭くんが今作には出ないのが惜しい。
納豆作りに従事し続ける切なさと苛立ちはよく出ているが、今作は俳優座で観た時のような粘っこさがあまりない。
これは土着民の女役のキャストを作ってないからだろうか。
ゲストで広海深海くん達が土着民をやってたが、殆ど棒読み台詞とギャグとアドリブだらけ。まともに哀しみも伝わってこず、テンポがジレンマを起こしてしまう。
ヒロイン河北麻友子さんは、相変わらずカカシの動きだが、今回は口先だけの台詞で殆ど声が聞き取れず、『新・幕末』よりヒドイ出来だった。
演技が拙いから、夏枝の切なさも全然届いてこない。これじゃ夏枝はただの裏切り女にすぎない。
彼女をキャスティングした人は見る目がなかったと言わざるを得ない。紅一点がアレでは、リピートっ気も失せる。
粘っこくない納豆の嵐の中、男たちの無念と切望が熱い叫びとなって響き渡るだけの舞台であった。
次にまた再演するなら、女性は実力ある人をお願いしたい。



