ドイツ生まれの映画監督
ウォルフガング・ペーターゼンが亡くなった
私の世代は彼が西ドイツでテレビ用に撮り、のちに映画版として編集された傑作
を見てないアクション映画ファンはいない
(見てないでアクション映画、戦争映画を語れる人は映画ファンではない。ただの暴力愛好家だ)
不気味なソナー音の響く中をゆっくりと潜水艦が現れ闇に消えてゆくオープニングに、不安とえも言われぬ興奮を覚えながら
新宿ミラノ座の椅子から腰を浮かせて見入った後半のジブラルタル海峡突破の迫力
どんなに勇敢でも、どんな英雄的行為でも
戦争がもたらす皮肉は明解で残酷であると思い知らされるラストに
少年だった私は、はっきりと彼
ウォルフガング・ペーターゼンを記憶した
以来40年目の今年
彼の訃報を知るのは、いずれ来るだろう別れの一つとして受け取るに充分な年月だが
やはりそのデビューから楽しませてもらった娯楽映画の監督との別離は
名匠・巨匠とのそれとは違う寂しさがある
「ネバー・エンディング・ストーリー」を愛した人もいるだろう
「第五惑星」に驚いた人もいるだろう
監督自身が誇っていたという「パーフェクト・ストーム」に涙した人も多いだろう
私はなんといっても娯楽アクションとして、サスペンス映画の面白さとして
「ザ・シークレット・サービス」
「エアフォース・ワン」
「トロイ」
どれも凄かった
面白い映画を作り
人の勇気を描き続けた監督
どうもありがとう