なんだよ
小三治さんまで連れてっちゃうの?
あんまりじゃないか、死神さんよ
私は子供の頃、あんまり小三治さんが好きじゃなかった。なんか面倒そうに現れて
ボソボソ話をしているなぁと見ていたのが本当です
さて、じゃあいつから小三治さんを好きになったのかというと
あんまりハッキリしない
ハッキリはしないけど彼の師匠、柳家小さんの「禁酒番屋」を好きだったのが
小三治さんの方が圧倒的に面白かったのですよ
いやホント、落語は噺家の芸風で如何様にも変わります
うん
小三治さんはそれを強烈に感じさせる噺家さんでした
円生の「猫の皿」「死神」
小さんの「禁酒番屋」「睨み返し」等々
小三治さんのノンビリとした風情が小狡さや不気味さ、頑固さなどを表現する時
そこには江戸の暑さ寒さ、長屋の喧騒、夜更の静けさなどが
古畳や雨にけぶる路地の匂いまで感じさせて
(江戸前)のメリハリを少し崩した親しみ易さを演じられていたように感じます
同時期の古今亭志ん朝さんの江戸前が立板に水なら
小三治さんは立板を少し寝かせて水、みたいな
独特のユーモアがたまりませんでしたね
90年代に一度だけ、正月の末廣亭で小三治さんの「禁酒番屋」を楽しみました
風邪で熱が出て、寄席から近くのラーメン屋でニンニクたっぷりの食べたらもっと具合悪くなって
なんてマクラから噺の本筋に入る巧みさが素晴らしかったけど
ここで笑おう、ここで拍手しようと決めてギラギラと落語に向き合う変な通の熱気が気持ち悪く
名人上手が寄席に出ると逆に行かねぇと決めてるへそ曲がりの気持ちも分かりました
でも「禁酒番屋」は面白いです
でもアップしません、自分で探しな
( ^ω^ )
人間国宝に選ばれた時の映像
師匠、ありがとうございました