プロ野球セントラルリーグのお荷物球団
東京メッツのシーズン最終試合
まだ辞めないのかとの罵声も気にせず現役続行と来シーズンへのチーム強化を謳いあげます
その頃、スカウトマンの尻間は情報を頼りに新人発掘の行脚を続けていましたが
1972 年から不定期掲載されていた水島新司の野球マンガが週刊連載になるのを切っ掛けに誕生した
女性プロ野球選手、水原勇気個性的な選手たちを1話完結で一人ひとり描いたそれまでとはスタイルを変え
彼女のプロ野球へのチャレンジを描く長編ドラマに進路変更しました
映画版はその初っ端をシナリオ化。かなり真摯に原作に沿った構成で驚きました
いじり、遊びがない分、原作ファンは見比べる楽しみがあったかも知れませんが野球映画を見にきた観客は小池朝雄や藤岡重慶、桑山正一らの大袈裟な表情の連続に呆然としたことでしょう
なにせ、女性をプロ野球の世界に入れるという製作当時はそれこそ絵空事を真正面から描いているのですから、侃侃諤諤のやり取りがあって当たり前の原作ですが
作り手の決めたリズム、テンポで見ることになる映画でそれを味わうのは全く別で
さほど掘り下げていない台詞のやり取り(原作のまま)をゲンナリした気分で見つめる事になります
入団から合宿所生活、プロデビューへの布石
そして初登板までを
木之内と小池のアップで引っ張る不思議なスポーツ映画でした
そうした意味では女性の社会進出の歴史を語る上では貴重なのかもしれません
ともかく
選手を演じる俳優たちに、プロ野球選手らしい体型なり面構えなりがもっと欲しかったですし
ロケーションの野球場ももう少し工夫して欲しかったなという感想になってしまいます
昭和52年・にっかつ
監督〜加藤彰
出演
小池朝雄
木之内みどり
谷啓/犬塚弘
桑山正一/丹古母鬼馬二
藤岡重慶/高木均
高田敏江/山科ゆり
石井富子/千うらら
高岡健二