長女あーちゃん中学1年生(恐らく場面緘黙)
次男ゆうたん小学3年生(ADHD、自閉症スペクトラム)の、3人きょうだいを子育て中です!
去年、小学6年生の時、あーちゃんは学校へ行けたり行けなかったりという状態になりました。
行けたとしても途中で早退したり、教室へ入る事ができずに保健室登校だったり。
あーちゃん自身は頑張りたいとは思っているけど、学校へ行こうとすると身体が固まってしまって行けない…そんな状態でした。
不登校になり始め少し経った頃、あーちゃんと話をしていました。
頑張りたいと思っているのは分かるけど無理だけはしてはいけない事。
休む時はしっかり休まないとまた元気になれない。
元気がないと頑張れないよ。
それを話した上で、あーちゃん自身は頑張りたいと思っているのを分かっていたので「いつから」頑張りたいと思っているのか聞きました。
そこを目指せるようにしてあげたいと思って。
でも無理だけは絶対にしないように。
そしたら「卒業式に出たい」と。
なので「卒業式に出る」を目標にする事にしました。
そこを目指すためにもしっかり休もう。
そして、やがて小学校最後の一大行事…卒業式の練習が始まりました。
式に出る為には少なからず練習に出ておかないと動きや流れが分からない、分からないと不安が強くなる…それは分かっているけど、やはりなかなか学校へ行けない日々が続きました。
それでも、少しでも学校へ行けた時に出来そうなら先生と動きを確認。
仲の良い子達も協力してくれての練習。
けれど卒業式の日が近づくにつれ、あーちゃんに焦りが出てきて、
しかも焦れば焦る程に、起きる時間が遅くなっていって学校へ行く時間が短くなっていきました。
そして結局、
通しの練習は1度もできないまま…。
正直、本人がいくら「卒業式に出たい」と言っていても、それを叶えさせてあげたいと思っても、不安定な状態のあーちゃんを見ていると直前までどうなるか全く分かりませんでした。
当日朝家を出る事ができるのか、家を出られたとして学校へ入っていく事ができるのか、入場はできるのか…
最後の最後までその時が来ないと何も分かりませんでした。
式当日。
朝はスムーズに家を出る事ができたけど、
学校へ着いた瞬間、あーちゃんの顔が強ばるのがわかりました。
「あ、マズイかも…」
そう思っていると、仲の良い友達数人があーちゃんの元に「おはよー!」って来てくれて、
ちょっと緊張が緩んだのかそのまま学校の中へ入っていきました。
多分、あーちゃんが来るのを待っていてくれたんじゃないかな…。
優しい友達に囲まれて本当に有難い…。
けど、
これからが本番。
わたしは体育館へ移動し、式が始まるのを待ちました。
果たして、
あーちゃんは入場できるのか…。
時間になり、
最初のクラスの子達が入ってきました。
会場内に響き渡る拍手の音。
しっかりした姿勢で歩き、椅子へ座っていく児童たち。
もうすぐだ…
もうすぐ、あーちゃんが入ってくる…
できるかな…
大丈夫かな…
わたしの心臓は心配と不安で張り裂けそうで、
瞬きをするのも忘れて、入ってくる子達をずっと見ていました。
その時、
しっかりと前を向き、
堂々とした足取りで入場してくるあーちゃんの姿が映りました。
あぁ、頑張った…
あーちゃん頑張った。
すごいよ。
「入場してくる」ただそれだけで泣いてしまいました。
その後、式は滞りなく進み、
退場の時も、
そこには堂々としたあーちゃんの姿がありました。
「卒業式に出たい」という自分で決めた目標を達成できたからか、
最後にはあーちゃんのやり切った晴れやかな顔を見る事ができました。
そしてその瞳は、
もうなんて言うかとにかくキラキラしてて、
ただ前だけを見ているような、
今までにないくらい自信に満ち溢れていた瞳でした。
あーちゃん、ここまで大きく成長してくれてありがとう。
卒業おめでとう。
※実は卒業証書の受け取りは諸事情でその場ではできなかったんだけど(詳しくは書けないけど)式後にきちんと証書授与を個別でしてもらいました。
あーちゃんの「卒業式に出たい」を叶える為、たくさんの人が協力してくれました。
先生達はどうやったら式に出られるか考えてくれて、でも無理強いはせず見守ってくれました。
出来る事、出来ない事を細かく聞いてくれて、仮に直前で式に出られなかったり途中動けなくなってしまった時の事も考えてくれていました。
またたくさんの友達もすごく助けてくれました。
練習に付き合ってくれたり、休んだ日には手紙をくれたり、式にスムーズに出られるように傍にいてくれたり。
仕事でも、あーちゃんが式の数日前に不安定になってしまった時に早退させてもらいました。
周りの方に感謝してもしきれません。
たくさんの人に支えてもらって実現できた卒業式でした。
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