唐津の農民作家 山下惣一さんが亡くなった。86歳。

「国民皆農」を提唱し、小農学会を立ち上げ、代表を務めておられたが、2年ほど前から退き、筆も置かれた。

小農学会に参加してお会いしたのが最初で、小農学会共同代表だった萬田正治先生と歯に衣きせぬ言い方で丁々発止やり合っておられたのが印象深い。論客であった。

昭和の激動の時代、経済成長の裏側にある農村の衰退を問い続け、農家の立場から、農政や農業をとりまく課題を発信し続けた。












海外にも詳しく、ロシアのダーチャを紹介したり、アジアでは早くから農村女性交流をして、6次化の先駆けのような取り組みも地域発で取り組んでおられた。


挨拶すると、農業新聞読んでると声をかけていただき嬉しかった。

2、3年前、出張のついでに唐津のお宅を訪ねたことがある。手のひらがあまりに大きいのに驚いた。60年70年クワをにぎりしめてきた篤農家の手は、並外れて節くれだって大きかった。


19年5月の記事


国が栽培を奨励したミカンの大暴落などを体験し、規模拡大など効率化だけを追求する農業の「近代化」に疑問を抱き、食料自給を海外に委ねた日本の農政を鋭く批判。家族農業や小規模農業こそが持続可能で安定的な社会を築くとの信念から、「地産地消で、消費者との交流を重視した環境保全型農業」を目指そうと提唱した。
西日本新聞
佐藤弘
小農学会

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/954864.amp