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「能登半島地震避難所情報共有アプリ」について書いた日、某高校の先生の話を聞く機会がありました。
こちら地方では、能登半島地震の直接被害者に出会うことは少ないのですが、先生の担任クラスに親の実家が輪島にあり、生徒は金沢の大学に進学が決まっている中、孫が近くに来てくれる事を喜んでくれていた輪島市にある祖母宅にて大学進学のお祝い金を貰って、皆で正月料理を楽しもうと準備していた中での被災だったそうです。
祖母宅は全壊し、家の中にいた人たちは全員生き埋めになってしまいました。
祖母はこの時に亡くなってしまったのです。
弟は、助け出された時に木造住宅の土壁などのホコリを酷く吸い込んでしまい入院。
この生徒さんは、暗闇が迫る中、救助に駆けつけてくれた人たちによって助け出されました。
この時、スマホの灯りだけが頼りだったそうです。
助け出された後は靴も履いていない中で避難所へ。
避難所では3日間水もなく食べたのはパン1つだけ。
被災した初期段階のこのような悲惨な状況を聞いた担任は、いてもたってもいられず、目の前にいるこの生徒の家族の為に何とか力になりたいと校内での募金活動を提案しました。
同僚の中には、「南海トラフ大地震が控えている中で我々もいつ被災するか分からない。その時に被災した生徒全員に募金によって我々は支援ができるのか?被災地域に募金するなら兎も角、その生徒1人の家族に渡すだけの募金を募るのはどうなんだろう?」というような趣旨の疑問を呈する意見も出たそうで、小さくなって募金を集めたという話を聞かせてくださいました。
このように、様々な意見が出てくるのですね。
正解不正解は軽々に申し上げられませんが、個人的には目の前にいる人のために何とかしてあげたい…と心が動くことは自然な事であって、その気持ちに素直に従い行動に移すことは当然の事のように思います。
いつか来るであろう災害を思うのではなく、目の前に今起きていることに目を向けてやれる事をやる!これしか無いのではないか?と…
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知り合いのボランティア団体の人たちも、体力に自信がある有志達が集まり、被災地に炊き出しに行きました。1月中はあと2回炊き出しに行くそうです。
この団体は現在もあの東日本大震災で被災した福島の多くの人々との交流を続けており、福島のお子さん方やその親御さんたちを招いて昨年末のクリスマスには楽しいイベントを行い、数日間の滞在先としてホームステイも受け入れ先を募集していました。
地道に継続してこうした活動が出来るエネルギーは何処から湧いてくるのか?とそのパワフルさには目を見張ると同時に尊敬しかありません。
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2月11日には、中区役所ホールで南海トラフ地震にそなえての防災講演会があります。
その他にも市内のあちらこちらで防災講演会が開かれているのを目にします。
名古屋市立大学病院でも、急ピッチで救急災害医療センターを建築しています。南方面から津波で被災してくるであろう大勢の人たちを受け入れる準備を急いでいるのです。
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自分たちが暮らすエリアでも、刻一刻とその時が近づいています。私は単なる予感ですが10年以内にはその時が来るような気がしていて、津波想定エリア内にある自営の会社の始末も含め、それまでにやれる事をやろうと夫と話しています。
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以前も書きましたが、私が高校生の時の夏休み宿題の自由研究で取り上げたテーマが震災でした。
伊勢湾に浮かぶ神島まで宿泊調査に行き、灯台の中に入れて頂き、灯台守の所長が話してくれた津波の話がずっと脳裏にこびりついています。
島の高台にある神社まで階段が続いていたのですが、昔の南海トラフ地震では、ここまで津波が来たという階段の場所が示されていました。ほぼ島全域を津波が飲み込んだことになると知り、衝撃でした。この時に初めて津波が、海に囲まれた日本人には身近なものである事を知ったのですが、40年前はまだ当南海トラフ地震の事など話題にものぼっておらず、案外津波が身近にある事を知らない人が多かったように思いますが、震災の歴史を調べると、ある程度の周期で必ず東南海トラフ地震は起きているのです。
その後生きてきた中で、奥尻島の大津波の報道があり、東日本大震災で津波の脅威は人々の記憶に留められました。特に沿岸部に住む日本人に津波の脅威は大きく意識されるようになったと思います。
津波被害が身近で想定されるエリアに住む私は、エリア外に住む人たちと話していると、その危機感に乖離を感じます。同じ市内在住でも全然違うのです。その違いは、家が揺れるだけの人と、揺れの後に津波も来る人の違いですから、当事者意識の違いは仕方ないことと思います。
直下型地震が危惧される関東圏です。
長男は都内の駅近賃貸マンションに住んでいます。賃貸から分譲への移行を考えている長男は、都内は物件が高額すぎるから横浜方面を考えていると言います。駅近がいいのはわかるけれど、それ以外にもハザードマップを必ずチェックしなければね!と、この正月に帰省してきた長男と話してました。