大学を留年すると決定してから、自分のなかで色々思うことがあったり、両親との諍いがあったり、人前では明るく振る舞っていても、やっぱりどこかで学校のコトが気になって、本当の明るさじゃなかったと思う。
留年?気にしてないよっていう態度をとったり、留年だなんて言えなかった友達もいる。
ホントはこの状態でもう一年できるのかなってすごく不安で、そんな自分がすごくイヤだった。
結局、ゼミのT先生に怒られたまま、行方をくらました私。そんな状態でまともに相談できるわけなく…。授業に出ながらも、廊下などで先生に会いやしないかとびくびくしてた。
そんな精神状態で学校が楽しいわけがない。余計イヤだった。
でも、テストが終わって、来年度の卒論について掲示を見た時、もう逃げるのはやめにしようと思った。
もう一年学校に行くなら、先生にきちんと話してケジメをつけないと。謝らないと。
そう思ったものの、やはり壁は厚かった。
一人では教授のいる階にすら行けない。
卒論についての説明会、これに出席して、先生達にも意思表示しよう。
決心して当日学校に来た。教室に入ると、目に入ったのは黒板に書かれた出席番号。そして、その通りに置いてあるプリント。
この光景を見た途端、私の場所はないんだと感じた。
当然だ。何を期待してたんだろ?私の存在は異質なのだ。
そう思った。
同時に耐えられなくなって、教室から出た。
そう、逃げたのだ…私は。
保健室に逃げ込んで、保健のT先生と雑談。
このままじゃいけないってわかってるのに、動けなかった。
教室に行く勇気がなかった。
そんな私にT先生は気付いてた。
いつまでもこうしてたって仕方ないでしょ!
厳しく背中を押してくれた。
行きやすい所から問題を片付けること。
まずはロッカーの返却。一人一つ貸し出されるロッカーを卒業と同時に返却するのが決り。留年する私はどうすればいいのか?
学生課に相談すると、別のロッカーを貸してくれた。
思ってたより簡単だった。ロッカーの荷物の引っ越しを終わらせて、卒業アルバム代を払いにクラスメイトに会うと言って保健室を出た。
どう接したらいいかわからなくて、一部の友達以外はメールの返事すら返せなかった。
そんな私だったのに、みんなで謝恩会に出ようよ!と誘ってくれるクラスメイト達。
来年度のこと、卒論のことなんかを相談しても、きちんと答えてくれる。
こんなにも気に掛けてもらってたのに、わかってたはずなのに、避けてた自分が情けなかった。
久々にみんなと話しながら笑いながら食べるご飯は美味しくて楽しくて…嬉しかった。
先生にきちんと話ができてない私の背中を押してくれて、ついてきてくれた。
まずは話しやすいI先生から会ったらいいよ。
そう言って、一番会いづらいゼミのT先生から私を隠してくれた。
一緒に先生を待ってくれた。
私の背中を押してくれた。
みんなの手が、みんなの優しさがあったから、踏み出せた一歩。
先生と向き合う勇気。
留年する自分と向き合う勇気。
いつも逃げてしまう私を止めてくれた。
だから、先生ときちんと話すことができた。
来年度は研究室を変えてやりたいということ。
今度こそは卒業するつもりだということ。
I先生はかならず出席することを条件に、ゼミに入ることを了承してくれた。
そして、卒論の題目届をもらいにS先生のところへ。それから報告にI先生の部屋に戻ろうとした時だった。
廊下でT先生に会ってしまった。
T先生の顔を見た途端に、怒られる!という恐怖。どうしよう…隠れられるわけない。
そんな私に先生の第一声。「どうしてた?」
元気にしてたか?と言わんばかりの穏やかな声。
聞いた途端に涙が出てきた。
顔をみた時点で涙腺がゆるんでたけど。
「今、I先生から話は聞いたよ。」
どうやら私がS先生の所へ行ってる間に、I先生がT先生に話したらしい。
「研究室変えるか。時代によって向き不向きがあるからな。これからは研究室が二つあると思えばいい。I先生に怒られたら私の所へ来ればいいよ。」
予想もしなかった、優しい言葉と笑顔だった。
そんな先生を前にやっぱり涙が止まらず、やっとのことで謝ることができた。
泣きながら謝る私に困った笑顔の先生。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。厳しい言葉は誰のためでもない、私のためだった。
泣き顔のまま、I先生の元へ。
報告を終えて退出しても、まだ涙は出てきそうだった。
図書館にいたサクラちゃんに事の次第をすべて話した。泣き顔で現れた私に驚きながらサクラちゃんは話を聞いてくれた。話していると、やっぱり涙が出てきた。
サクラちゃんは私がクラスメイトで唯一正直な気持ちを話せた友達だった。
余計素直に泣けてきて、大変だった。
帰ろうにも真っ赤な目では帰れない。
でも、涙を流したおかげで軽くなった気がした。
今まで逃げてきたことと、きちんと向き合ったことで生まれた解放感。
心から笑える自分がいた。
心の重しがとれた気分だった。
あの日から、私は変われたと思う。
まだ劇的変化は無理だけど、前向きに考えられるようになった。
悩んで苦しんだ私が無駄だったとも、みっともないとも思わない。
ただ、これからのことをしっかり考えなくちゃ!って思う。
背中を押してくれたみんなのためにも、今度こそ変わりたいと心から思った。
そう、あの日からもう二週間ほど経つ。
あの日私はやっとスタートラインに立つことができたんだ。
みんなに励まされて、背中を押してもらって、やっとのぼれたスタートライン。
スタートしよう。新しい自分を。
留年?気にしてないよっていう態度をとったり、留年だなんて言えなかった友達もいる。
ホントはこの状態でもう一年できるのかなってすごく不安で、そんな自分がすごくイヤだった。
結局、ゼミのT先生に怒られたまま、行方をくらました私。そんな状態でまともに相談できるわけなく…。授業に出ながらも、廊下などで先生に会いやしないかとびくびくしてた。
そんな精神状態で学校が楽しいわけがない。余計イヤだった。
でも、テストが終わって、来年度の卒論について掲示を見た時、もう逃げるのはやめにしようと思った。
もう一年学校に行くなら、先生にきちんと話してケジメをつけないと。謝らないと。
そう思ったものの、やはり壁は厚かった。
一人では教授のいる階にすら行けない。
卒論についての説明会、これに出席して、先生達にも意思表示しよう。
決心して当日学校に来た。教室に入ると、目に入ったのは黒板に書かれた出席番号。そして、その通りに置いてあるプリント。
この光景を見た途端、私の場所はないんだと感じた。
当然だ。何を期待してたんだろ?私の存在は異質なのだ。
そう思った。
同時に耐えられなくなって、教室から出た。
そう、逃げたのだ…私は。
保健室に逃げ込んで、保健のT先生と雑談。
このままじゃいけないってわかってるのに、動けなかった。
教室に行く勇気がなかった。
そんな私にT先生は気付いてた。
いつまでもこうしてたって仕方ないでしょ!
厳しく背中を押してくれた。
行きやすい所から問題を片付けること。
まずはロッカーの返却。一人一つ貸し出されるロッカーを卒業と同時に返却するのが決り。留年する私はどうすればいいのか?
学生課に相談すると、別のロッカーを貸してくれた。
思ってたより簡単だった。ロッカーの荷物の引っ越しを終わらせて、卒業アルバム代を払いにクラスメイトに会うと言って保健室を出た。
どう接したらいいかわからなくて、一部の友達以外はメールの返事すら返せなかった。
そんな私だったのに、みんなで謝恩会に出ようよ!と誘ってくれるクラスメイト達。
来年度のこと、卒論のことなんかを相談しても、きちんと答えてくれる。
こんなにも気に掛けてもらってたのに、わかってたはずなのに、避けてた自分が情けなかった。
久々にみんなと話しながら笑いながら食べるご飯は美味しくて楽しくて…嬉しかった。
先生にきちんと話ができてない私の背中を押してくれて、ついてきてくれた。
まずは話しやすいI先生から会ったらいいよ。
そう言って、一番会いづらいゼミのT先生から私を隠してくれた。
一緒に先生を待ってくれた。
私の背中を押してくれた。
みんなの手が、みんなの優しさがあったから、踏み出せた一歩。
先生と向き合う勇気。
留年する自分と向き合う勇気。
いつも逃げてしまう私を止めてくれた。
だから、先生ときちんと話すことができた。
来年度は研究室を変えてやりたいということ。
今度こそは卒業するつもりだということ。
I先生はかならず出席することを条件に、ゼミに入ることを了承してくれた。
そして、卒論の題目届をもらいにS先生のところへ。それから報告にI先生の部屋に戻ろうとした時だった。
廊下でT先生に会ってしまった。
T先生の顔を見た途端に、怒られる!という恐怖。どうしよう…隠れられるわけない。
そんな私に先生の第一声。「どうしてた?」
元気にしてたか?と言わんばかりの穏やかな声。
聞いた途端に涙が出てきた。
顔をみた時点で涙腺がゆるんでたけど。
「今、I先生から話は聞いたよ。」
どうやら私がS先生の所へ行ってる間に、I先生がT先生に話したらしい。
「研究室変えるか。時代によって向き不向きがあるからな。これからは研究室が二つあると思えばいい。I先生に怒られたら私の所へ来ればいいよ。」
予想もしなかった、優しい言葉と笑顔だった。
そんな先生を前にやっぱり涙が止まらず、やっとのことで謝ることができた。
泣きながら謝る私に困った笑顔の先生。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。厳しい言葉は誰のためでもない、私のためだった。
泣き顔のまま、I先生の元へ。
報告を終えて退出しても、まだ涙は出てきそうだった。
図書館にいたサクラちゃんに事の次第をすべて話した。泣き顔で現れた私に驚きながらサクラちゃんは話を聞いてくれた。話していると、やっぱり涙が出てきた。
サクラちゃんは私がクラスメイトで唯一正直な気持ちを話せた友達だった。
余計素直に泣けてきて、大変だった。
帰ろうにも真っ赤な目では帰れない。
でも、涙を流したおかげで軽くなった気がした。
今まで逃げてきたことと、きちんと向き合ったことで生まれた解放感。
心から笑える自分がいた。
心の重しがとれた気分だった。
あの日から、私は変われたと思う。
まだ劇的変化は無理だけど、前向きに考えられるようになった。
悩んで苦しんだ私が無駄だったとも、みっともないとも思わない。
ただ、これからのことをしっかり考えなくちゃ!って思う。
背中を押してくれたみんなのためにも、今度こそ変わりたいと心から思った。
そう、あの日からもう二週間ほど経つ。
あの日私はやっとスタートラインに立つことができたんだ。
みんなに励まされて、背中を押してもらって、やっとのぼれたスタートライン。
スタートしよう。新しい自分を。