ただでさえ緊迫した雰囲気のある校長室に、よりピリピリした空気が張り巡らされている。





「あの、これって…」

「停学処分通知書です。異論は認められません。
今は春休みなので、施行されるのは新学期からになります。」

「ユジナっ…」





理由を聞きたくて、ウンビは隣に座るユジンを見た。だが、ユジンがウンビに向けた視線はウンビの口を固く閉ざすように悲しく切ないものだった。





「本人も納得しているようだし。
今日はもう帰っていいよ。」





すっと立ち上がったユジンはそのまま扉へと向かった。

いてもたってもいられなくなって、手に持ったもう二度と見たくもない書類を机に置いて、追いかけた。





「ユジナ!!」





少し驚いて振り返った彼女の目は少し、ほんの少し潤んでいるように見えた。





「何したの?」

「…気になりますか。」

「当たり前でしょ。」

「でも、知る必要ないと思うんですよね。」

「は?」

「私と先生の関係って生徒と担任でしょ?
深く入りこむ必要、なくないですか?」





突き放された気分だった。
先生と生徒という関係に戻ろうとしたのは自分なのに、いざ自分が突き放されると苦しくて、辛かった。





「でも…」

「事情があるんです。それで…いいでしょ?」





今にも涙が溢れそうな目でそう訴えるユジンにウンビは何も言えなかった。

けれどここで引き下がればもう二度と理由を聞けない気がして、いや、話せないような気がして、ユジンを引き止めた。





「先生、もうやめてください。
私も先生も辛いだけじゃないですか?」

「え?」

「事情を知ったところで先生が納得するとも思えません。もっと深く入り込みそうな気もするんで言いたくないんです。」

「でも…」

「先生。先生はそんな生徒に親身になるような先生じゃないですよね?私とは関係を持ったから、だから、気になるだけですよ。一生徒として見てください。」





ウンビより背の高いユジンは涙で濡れた目でウンビを見下ろして言った。





「もう会えませんね。」





さっきの苦しそうな歪んだ表情はそのまま、少し笑ったユジン。





「もしかしてっ…」

「行きますね。もう、__。」





さっきまで泣きそうだったのはユジンのはずなのに、崩れ落ちたのはウンビだった。


































『行きますね。もう、これ以上、苦しめないでください。』










ユジンの目から涙は消えていた。