孫の彰太(あやた)の宮参りの前日、実は美容室に行きました。
嫌いなんです、美容室が。
今日はカットですね、どのようにいたしましょう?という美容師の問いかけに、「頭頂部の毛髪を500本ほど増やしてください」と俺say。
「ハ、ハ、ハ、」と乾いた笑いと二酸化炭素を吐く美容師。
カットしながら、「お孫さんは可愛いですか?」とか当たり前の事を聞いてくる美容師。
自分の孫が可愛くない訳ないやろ!!
「コろしてやりたいくらい憎たらしいです。特に寝顔なんか見てると殺意が湧き上がってきます」と言えとでも?
「義母がおるだけでうっとおしいのに、孫まで増えてしもてタマらんわ!」と言えとでも?
「孫のウンチの世話が終わったら、義母のウンチの世話が始まる!」と言えとでも?
あ、最後はあながち間違ってないや。
挙句の果てには、ドライヤーをしながら話(自分の飼っている猫の話)に夢中になるもんだから、頭頂部が熱い。
確実に100本の毛穴が死んだはず。
500本増やして!と言ったはずが-100本という残念な結果に。
どうでもいい話をしてくる美容師、シねばいいのに。
という訳で、過去記事を使い回し。
嗚呼手抜き。
「いらっしゃいませ。おひとり様ですか?」
「ふたりにみえますか?」
「ではこちらにどうぞ」
「カットをお願いします」
「どのような感じにしましょう。自然な感じで?」
「そうですね」
「それとも超人工的な感じにしましょうか?」
「いやいや自然がいいですって。超って何ですか、超って」
「それでは奥様ですら気づかないほど自然にしておきます」
「それは全く切ってないんじゃ…少しはカットしてくださいよ」
「当店では音楽をお選びいただいております」
「そうなんですか。珍しいですね」
「アンパンマンのテーマ、社長の訓示、セミの声、どれにしますか?」
「社長の訓示ってなんですか」
「本当にいいですか? ウチの社長の声で“髪を切っても金ヅルは切らすな”って永遠リピートします」
「嫌ですよ。てか不安になりますよ。無音でいいです」
「じゃあ有線流しときましょうか」
「先に言ってくださいよ。なんですかセミの声って、暑苦しい」
「それではわたくしカット専門の“@MIKU_tan”が担当させていただきます」
「なんで女性の名前なんですか?しかも“@”って?」
「先日、シャンプー台に全裸で入った時の画像をUPしたTwitterアカウントですよ」
「うあ~、炎上したでしょ」
「もうね、TV取材まで受けちゃって。私も一流の美容師の仲間入りですかねぇ」
「え?あの、ちょっと…違うと… …思… … …」
「本名は渡辺三郎なんですけどね」
「意外に地味なんですね」
「お客様の分際で口ごたえはやめてください」
「すみません、そういうつもりじゃなかったんですけど」
「こう思っていませんか? おまえら美容師は自分の髪も自分で切るのかって」
「そんなこと思っていませんよ」
「店員同士で練習がてら切りあっているんだろう?って」
「思っていないですって」
「娘が家出を繰り返して、もう疲れたよ!!って」
「思ってませんよ」
「すみません、それはお客様の方がありそうですもんね」
「ありません!失礼な店員だなぁ」
「じゃカット始めます。そうそう、本日はお持ち帰りですか?」
「何をですか」
「髪の毛に決まってるじゃないですか」
「持ち帰りませんよそんなの」
「じゃあ店内で」
「召し上がりませんよ。何言っているんですか」
「考えてみれば、私がこのハサミをちょっとずらすと大変なことになりますよね」
「変なこと言わないでくださいよ」
「昔、私のことを手酷くフッた女への憎しみをこのハサミに託して… … …」
「お願いです、カットに集中してください」
「言い方を変えればあなたは完全に私の支配下」
「余計怖いですってその言い方」
「ジョークですよ。なけなしのジョーク」
「なんですかそれ?なけなしの使い方がおかしいと思いますよ」
「お客様、一日にこの日本でどれほどの人毛が廃棄されているかご存知で?」
「すごい量でしょうね。ちょっと想像つきません」
「はは、私も知りませんよ、でもそのおかげで小学校の給食が… …あっ!」
「今、ものすごく不謹慎な事、言いかけませんでした?」
「いえいえ、髪の毛にはタンパク質が大量に… …あっ!」
「とにかく早く始めてくださいよ」
「では早速。まずは全体的に漠然と切りますね」
「漠然とですか?」
「それともは最初から具体的に切ります?」
「そういうことでなくて、言葉遣いが違和感ありますよ」
「ジョークですよ。お客様も冗談が分からない残念な大人ですね」
「“残念な”とは、かなり失礼な店員だなぁ」
「あ、お気に召しませんでしたか? お客様というのが気に入りませんか」
「いえ、そこではないんですが」
「ではカスタマーとお呼びいたしましょうか?」
「いいですってお客様で」
「わたしが美容師になった経緯を聞きたいですか?」
「話したいんでしょどうせ」
「昔飼っていた子犬が車にはねられましてね」
「可愛そうですね」
「生死の境を彷徨いました。長い夜でした」
「大変でしたね」
「そしてその時思ったのですよ。大人になったら動物を救ってやりたいって」
「それ動機間違ってませんか」
「子犬はいなくなりました。すみません湿っぽい話で」
「いえ、気にしないでください」
「まあ子犬ではないですが今は成犬になって元気ですよ」
「助かったんじゃないですか」
「あ、大分枝毛がありますね」
「そうですか。困っているんですよ」
「まあ私にはどうにもできませんが」
「ひと言余計なんですって」
「お客様はこちらのお生まれですか?」
「ええ、まあ」
「どちらの病院で?」
「そこまでは覚えていないですよ」
「失礼ですけど身分を証明するものお持ちですか?」
「なんでそうなるんですか。警察みたいですよ」
「ジョークですよ。プリティジョーク」
「意味分かりません」
「では軽くシャンプーします。倒しますよ」
「はい」
「シャンプー担当に代わりますので」
「どうせあなたなんでしょ」
「何故わかったんですか」
「急に眼鏡かけてヅラまで被ろうとしてるんだからバレますよ、そんなの」
「あ、両手は胸の上で組んでください」
「こうですか?」
「ぷぷ、なんだか生贄みたいですよ。お客様」
「あんたがやれって言うからですよ」
「カスタマー?」
「そういう問題ではないって」
「どこか歯がゆいところはありませんか?」
「歯が余計ですよ」
「ご家族に左利きの方はいらっしゃいますか?」
「あの、質問の意図が」
「クレジットカードの暗証番号は誕生日ですか?」
「なにか犯罪計画でもあるんですか?」
「じゃあ乾かしますね」
「ちゃんとやってくださいよね」
「そういえば先ほどのシャンプーで痒いところはありませんでしたか?」
「さっき聞けよ」
「でもなかったんでしょ」
「まあないですけど」
「はい鏡を見てください。まあこれが私の技能の限界です」
「嫌な言い方ですね」
「はい、終了です。お荷物はこのバッグだけでしたか?」
「ええ」
「では、カットした髪の毛はこちらに入れておきます」
「いりませんって!!」
あぅぅ臨月の頃。。。
