vol.4 彼に妊娠報告。産みたい、でも彼を失いたくない。
クリニックを出た後、私は一旦深呼吸し彼に検診が終わったことを電話で報告
電話にでた彼は、いつもと同じように「お疲れ様、大丈夫だった?」と
声をかけてくれる。
通常のやりとりをした後、本題へ・・・
「頸がんの結果はまた今度だけど、そうじゃないものが見つかったよ。」
私の心臓がまた主張し始める。
「赤ちゃんいた」
声が震える。
彼の反応は早かった。
そしてすぐにわかった。彼の意思は固まっているから、驚いても次のことを考え始めているのだと。
私は冷静でいようと、わかってたことだからと思いながら、
彼に聞いてしまった。
「中絶するってことだよね・・・?」
聞きたくない。わかってるし、言わせることも申し訳ないと思っている。
でも聞きたかった。
考え直そうとする一言が出るのではないかと。
しかし彼の意思は固かった。
電話を切った後、私は泣き続けた。平日の昼間、ショッピングモールのクリニックだったため、お母さんと遊ぶ小さいな子供がたくさんいた。
そんな明るい情景を観ながら、私はひたすら泣いた。
お腹に手を当てながら、カウントダウンのスタートを感じていた。
職場に戻りたくない、彼と顔を合わせるのが怖い。
普通でいられるか不安だった。
ぽつりぽつりと帰路へ向かって歩いていると、後ろから肩を叩かれる。
「大丈夫?」
クリニックで会計をしてくれた受付のお姉さんだった。
その時に初めてハッとこの世界に戻ってきた感覚。
それほどに自分の世界に入り込んでいたのだということに気づいた。
大丈夫と伝え、人気の少ないところへ移動。
彼とLINEでやりとりをしていた。
私は即答で中絶を選んだ彼に、どんな感情で話していたのだろうか。
悲しかった。
妊娠を喜んでくれなかったこと、私との結婚を一切考えていなかったこと。
彼は私の気持ちをわかった上で、申し訳ないと言った。
私はこれから2つ失うのではないかと物凄い喪失感に襲われた。
一つは、赤ちゃん。
産むことができないのなら、中絶するしかない。
お腹で生きているこの小さな命を取り出さなければならないと。
二つめは、大好きな彼。
彼ははっきりと私との結婚願望がないと言った。
今回の出来事で彼は私との将来を考えるだろう。
これから結婚を前提に付き合いを続けることができるのか。
もしそれができなかったら彼は私と付き合い続けることを選ばない。
でも彼はものすごく優しい人だから、中絶を選ばせたことへの罪悪感、
私か彼が職場にいれなくなる環境を作らないためにも
しばらくは別れることはしないだろうと。
それでも彼の心は、私から遠のいていくことを感じていた。
いつか、失う。と。
それからは、悲しみがイラつきに変わったり、喪失感や絶望感、
色んな感情がコントロールできずに彼にぶつけていた。
彼のことを知らない方が読んだら彼を悪者と思ってしまうかもしれないから、
彼との具体的な会話はあえて私の心の中だけに留めておきます。
彼も色んな葛藤をしていたと思います。今も。
でもいまだに彼の心境はわかっていません。
しかしわかっていることは一つ。
彼は一番に私のことを考えようとしてくれます。
その彼が私の気持ち以前に自分の意思をはっきりとぶつけたのは、
彼なりの覚悟だったんだと。
職場でも2人になると泣き始める私を見捨てずに、怒りながらもそばにいてくれた。
しかし今までのように100%彼を優しいとは思えなくなっていました。
それほどに私にとって、愛する人の子供を妊娠し、中絶という選択をすることが
人生を変えるくらいに大きな決断でした。
それでも、今はそばにいてくれている彼に、本当に心から感謝しています。
だからこそ、私も彼の幸せを第一に考えたい。
私の気持ちが自立できるようにするためにも、
このブログを書くことを決めました。
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