妖怪 べとべとさんをご存知ですか? | 伊豆高原「怪しい少年少女博物館」のブログ

伊豆高原「怪しい少年少女博物館」のブログ

レトロで可愛くて気持ち悪い。伊豆高原「怪しい少年少女博物館」の展示品などを紹介します。





怪しい少年少女博物館2階右手奥の妖怪のコーナーに展示をしているカバヤ製 水木しげるの妖怪シリーズ 妖怪事典の べとべとさんの食玩フィギュア。2002年頃の物で、高さ約6cm、幅4.5cm

 





正面向かって左側からやや上方から見た所.。クリヤー仕上げとなっていますが、足音だけで姿の見えない妖怪なので、こういう表現もあり かと思います

 





正面向かって左側から見た所。歯の並んだ大きな口が印象的です

 





正面向かって右側から見た所

 





背後から見た所。透けているので、写真だと前から見たのと あまり変わりません。台座には©水木プロ パイロットエースの刻印が入っています

 





正面やや上方から見た所。クリヤーパーツを使っているので、モダンな感じですが、履物は草履を履いています

 





べとべとさんのフィギュアを展示している辺りの様子

 


 

 

こちらは、かつて怪しい少年少女博物館の駐車場脇に展示をしていた べとべとさんの造形物。隣の美女はデータハウス刊「 わたしの妖怪体験記 」の著者 河本真紀さんです。モノクロ写真ですが、身体全体を青白い色で彩色されていました

 

水木しげる氏のイラストでは、大きなニヤッとしたような口が印象的なのですが、球体に足が生え、顔がない造形となっていました。突起はないのですが、ジャイアントロボに出て来たグローバーっぽいと私は思っていました

 

現在は姉妹館のまぼろし博覧会にイメチェンして展示されています






「 わたしの妖怪体験記 」に載せられている べとべとさんのイラスト。玉子みたいで、顔はないのですが、ちょっとハンプティ・ダンプティっぽいような?

 


 

 

べとべとさんってどんな妖怪?

 

奈良県宇陀郡等に伝わっている、夜道で後ろをついて来る妖怪です。姿は見えず、足音だけが聞こえると言います。また静岡県静岡市には小山を降りてくる時に、ついて来たと言う話も伝わっています

 

夜道を一人で歩いていると、もう一人誰かが後をついて来るような足音がします。後ろを振り返って見ても、誰もいません。気を取り直して歩きだすと、また足音がついて来ると言います

 

足音がするだけで、特に何か危害を加える訳ではないと言う話が多いようです。べとべとさんがついて来ていると感じた場合は、道の脇によって、「 べとべとさん先へお越し 」と言うと足音だけが通り過ぎて消えるとも言われています

 

またその後に喋る場合もあるそうです。ある男は、べとべとさんに「 先に行くと暗くて見えない。 」と言われたそうです。そこで、「 それなら提灯を貸してやる。 」と言うと、べとべとさんは提灯を借りて先に行き、その提灯は翌朝返されたと言います。べとべとさんは結構律儀なのかもしれません

 

 

水木しげる氏が遭った べとべとさん

 

水木しげる氏が小学生の頃の夏、お兄さんと一緒に下駄を履いて歩いていると、後ろから同じ様に下駄の音がした事があったそうです。ハッと二人で同時に気づき、どういう訳か胸がドキドキして、後ろを振り向く事が出来なかったそうです。冷や汗をかきながら、前を見て歩いたのですが、その下駄の音はますます高くなったのだそうです

 

恐怖の極限になった二人は、いきなり走り出して、どうにか家に辿り着きます。化け物に詳しいばあさん( のんのん婆 )に聞くと、 それは べとべとさんと言うもので、ちょっと脇により、「 べとべとさん先へおこし 」と言えば、下駄の音だけが通り過ぎると語ったそうです

 

 

べとべとさんは結構人気のある妖怪?

 

水木氏の地元の鳥取県境港市と米子市を結ぶJR西日本の境線の駅には、妖怪にちなんだ愛称が付けられていますが、米子空港駅の愛称は「 べとべとさん 」駅となっています

 

べとべとさんは結構人気のある妖怪で、境港市の観光協会が行った「 妖怪人気投票 」の第1回( 2007年 )では9位、第2回( 2009年 )では7位に選ばれたそうです

 

 

 

 

境港市にある水木しげるロードに設置をされている べとべとさんのブロンズ像。「 可愛い! 」と女性にも人気があり、口の中にお賽銭を入れる人も多いらしいです。画像は境港市観光協会のホームページからお借りしました

 

 

べとべとさんと似た妖怪もいる

 

類似の妖怪として、福井県坂井市には「 びしゃがつく 」と言う話が伝わっています。冬のみぞれが降る暗い夜に、夜道を歩く人間の後をつけて来る、足音だけで、姿の見えない妖怪です

 

 

べとべとさんの正体

 

寂しい夜道を一人歩きしている時等に、「 誰かが後ろをつけて来て、突然襲ってきたらどうしよう・・・。 」等と何となく考えてしまう事はありませんか? べとべとさんは、その様な不安感が投影された妖怪と言えるかと思います

 

皆さんは静かで、壁に囲まれた広めの地下道やトンネル、地下駐車場等を歩いていて、自分の足音の反響が少し遅れて聞こえてきた経験はありませんか?

 

自分以外の足音がついて来るように感じるのは、自分がたてた足音が周囲に反響して、音の進む速さの問題で、少し遅れて聞こえ、別の誰かが たてた足音のように勘違いする為ではないのか? と私は推測しています

 

振り返っても誰もいないし、ビクビクしているから「 音だけで姿の見えない妖怪だ! 」と早とちりしまうのではないのか? そして 、そこから 、口裂け女にはべっこう飴のように、べとべとさんのやり過ごし方等の話が広がって・・・  と考えるのですが、皆さんはどう思われますか?

 

 

 

怪しい少年少女博物館の駐車場に展示していた べとべとさんのその後

 

さてさて前回の釣瓶落とし君に続いて、べとべとさんは姉妹館のまぼろし博覧会に行って どうなったでしょう?

 

 

IMG_20190210_170154179.jpg

 

 

ジャジャーン!姉妹館のまぼろし博覧会の館長セーラちゃんにリペイントされ、とっても明るくてフレンドリーなキャラクターに変身しました。何だか ゆるキャラっぽいですが、これなら一緒に楽しく夜道を帰れそうです! 

 

 

IMG_20190210_170154587.jpg

 

 

展望デッキの脇に展示しているのですが、デッキの上からだとちょっと見えにくいかもしれません。正門の辺りから上を見上げて頂いた方が姿がよく見えるかもしれません

 

ジメジメ ぺったんぺったん・・・ 夜道の一人歩きの後をストーキングする ちょっと暗めのキャラから、めっちゃ明るいキャラになった べとべとさん。 きっと友達も増えて、喜んでいる事でしょう・・・

 

 

 

次回もお化けや妖怪の話が続く予定です