妖怪 小豆洗い をご存知ですか? | 伊豆高原「怪しい少年少女博物館」のブログ

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レトロで可愛くて気持ち悪い。伊豆高原「怪しい少年少女博物館」の展示品などを紹介します。





怪しい少年少女博物館2階、奥の階段の右手上方、妖怪のコーナーの中に展示をしている小豆洗いの造形物
 




正面向かって右手の方から見た所。小豆を洗う手の表情がなかなかの出来です
 




同コーナーに展示をしている妖怪舎製 監修水木しげる 妖怪フィギュアコレクションの小豆洗い。全高約5cmのフィギュアです

 





同コーナーに展示をしているカバヤ製 水木しげる ゲゲゲの鬼太郎 妖怪事典の小豆洗い。全高約6cm、2002年頃の食玩フィギュアです

 





同コーナーに展示をしているファミリーソフトレジンキャストシリーズ 小豆洗い ノンスケールのフィギュア。展示棚のかなり奥の方にあり、詳細が確認出来ませんでしたが、何かを洗濯しているようにも見えるのですが・・・

 





江戸時代、主に大阪で活躍した絵師の竹原春泉(たけはら しゅんせん)の「絵本百物語」に描かれた小豆洗い。小豆洗いを描いた図版は少なく、現在の小豆洗いのイメージの基になったのが、この絵と思われます
 




水木しげる氏が描いた小豆洗いのイラスト上下2種。どちらも昭和40年代の少年マガジンの口絵からお借りしました。長野県の「あずきとぎ」となっていますが、小豆洗いは地方によって様々な呼称で呼ばれていました
 
 




上下共に竹原春泉の絵を基に描かれている事が明らかです
 


 
 
こちらのイラストは「私の妖怪体験記」河本真紀著 データハウス刊からなのですが、何だか間延びした感じで、ただのお年寄り風? でも妖怪って言ったら、むしろこちらの方が妖怪っぽいのかも・・・
 
竹原春泉版の小豆洗いの方が、妖精風と言うか、元気で、アライグマっぽいと言うか、小動物が入ってるようなイメージで、私好みです。おじさんだけど、ちょっと可愛いキャラなのが良いと思うのですが・・・

 
 
小豆洗いって、どんな妖怪?
 
小豆洗いは沢や橋の下等、水辺に現れる妖怪で、ショキショキと小豆を洗うような音をたてる妖怪です。江戸の新宿内藤宿の、ある旗本の家では流しに出たと言う話も残っているそうです。時々音をさせるので、行って見るものの、姿は見せないのだとか・・・
 
4尺位のおじさんが、ざるに入れて小豆を洗っているのだと言う話もありますが、音だけで、基本は姿が見えない妖怪です。時には「小豆とごうか、人とって喰おうか、ショキショキ」と言う物騒な歌を口ずさむ事もあるのだとか・・・また、広島県東部の山村では、「いっしょう、にしょう、ごしょうごしょう」等と歌うようです
 
なお、人が面白がって、近付くと必ず水に落ちてしまうと言います。怪我は、しないらしいのですが、お気をつけて!
 
 
様々な呼び名で呼ばれる小豆洗い
 
小豆洗いの話は、北は北海道から、南は沖縄まで、実に広範囲に伝わっており、呼び名も様々です。「あずきとぎ」や「あずきそぎ」、「あずきこし」等、調理法に関わる名前の他、「あずきごしゃごしゃ」、「あずきさらさら」と擬音語を伴う物もあります。また、男の妖怪とは限らず、女版の「あずきとぎ ばあさん」、や「あずきとぎ ばばあ」と言うのもいるようです
 
 
竹原春泉の「絵本百物語」の小豆洗いの話
 
小豆洗いの話は広く伝わってはいるものの、怪しい音がする位の話で、終わってしまうのが通常なのですが、竹原春泉の「絵本百物語」では、次のような話となっているようです
 
越後の国に一升瓶に入った小豆の数をピタリと言い当てる特殊能力を持った小僧がいて、住職はこの小僧に寺を継がせようと考えます。ところが、それを妬んだ、この寺の別の僧によって、事故死に見せかけて殺されてしまいます
 
その後、夜な夜な小僧の死体を投げ込んだ井戸から小僧の形をした物が出たり、寺の雨戸に小豆をぶつける音がしたり、近くの小川で小僧のようなものが、小豆を洗いながら数を数えている姿が目撃されたりします。村では寺の僧が小僧を殺したのではないかと言う噂が広がり、結局その僧は小僧殺害の事実を認め、捕らえられると言うお話しです
 
 
小豆洗いの正体は?
 
小豆洗いの正体については諸説あり、タヌキや狐、ムジナ、カワウソの仕業(化かす、音をたてる)とするもの他、ガマがたてる音とするものもあるようです
 
また書物や乾燥食品・皮革製品等を食べ、しばしば屋内で大量発生する害虫のチャタテムシがその正体と考える人もいるようです。チャタテムシは体長1~2ミリ程のシロアリに似た小さな虫なのですが、その虫がたてる音が障子等を共振させ、丁度スピーカーのコーン紙のような効果を生み、音が拡大される事で起こる現象と分析しているのです
 
ただ、これは屋内の場合で、屋外で聞いたと言う話も多くあります。また、隣の町に行っても、まだ聞こえていたと言う話まであり、、全てをチャタテムシ音源説で片づけるのは、ちょっと無理がありそうです
 
前にお話しした通り、小豆洗いの話は全国的なものなので、小豆洗いがたてる音は、各地で認識されている現象と言えない訳ではありません
 
小豆洗いの正体は、虫や小動物等がたてる音、そして静かな所では心臓の鼓動に伴い、血流が耳の中でザッ!ザッ!と聞こえる事もあります。ちょっとビクビクしている場合等には、それらが不可思議な音として認識され、それが妖怪の仕業として捉えられる・・・と言うこともあるかもしれませんよね?
 
 

 
 
「電撃ネットワーク南部の公開処刑」 データハウス刊の表紙
 
 
ところで、小豆洗いは禿げ頭で両端がはね上がった髪の毛が特徴的ですが、アラーキーや電撃ネットワークの南部虎弾氏を見ると、小豆洗いを思い出してしまうのは私だけでしょうか?
 
 



姉妹館のまぼろし博覧会の河津桜。既に満開になっている木もあります

 





河津桜のアップ ソメイヨシノよりピンク色が強く、長く咲きます


伊豆では、春の訪れを早く感じられますよ~ 是非遊びにいらして下さいね!

 

 


次回も、お化けや妖怪のネタが続く予定です!