ぽちっと一押しするだけなのに。
何故に人は旅路の果てに
想い出を捨てに行く
思いがけず休みになってしまった今日。
自宅のパソコンが限界に近づいていたので
ハードディスクの整理をした。
中身を見るとキリがないので
フォルダタイトルで判断してさくさくとゴミ箱に入れていった。
ここ数年、何度か同じ作業をしてるので
「あれ」は今日は捨てられるのかな、と
思いながら。
ハードの中に残っている「MUSIC」という名のフォルダ。
そこにはダンナさんが遺した数百もの音楽データがある。
ゆえに容量も大きいのだけれど。
フォルダの色を反転させ
右クリックで削除を選ぶ。
「削除してよろしいですか」のメッセージに
指が止まる。
そのフォルダには
私が作るものと違って
タイトルのつけ方ひとつにも
とても彼らしさを感じるんだ。
そこに残ってる、彼の雰囲気に
なすすべもなく、しばらく動けずにいて
ため息をつきながら「いいえ」を選ぶ。
カラダなんかなくても
まだ彼はそばにいた。