知人の大御所から
「オイ、伊勢正三のコンサートに行くぞ」との誘いを受け、
今日、渋谷のオーチャードホールに行ってきました。
伊勢正三さんといえば、
若者のために一応解説すると、
「なごり雪」など、名曲の数々を世に送り出した
シンガーソングライターです。
誘ってくださった大御所のお友達ということで
何度か伊勢さんをオフステージでお見受けしたことはあったけど
「カッコいいおじさん」くらいの認識だった。
だけど、今日、
伊勢さんの６０th（活動６０周年でなく、６０歳という意味らしい）コンサート、
行ってみて、本当によかった。
特に後半の伊勢さんの輝きはすごかった。
御年６０歳なのに、
ミスチルの桜井さんくらいのオーラ。
超カッコいいのだ。
７０年代頃のフォークの人かと思ったら大間違いで
ミスチルや、ブルーハーツとか、そんな感じ。
やはり、「本物のカッコいい」の前には
世代やジャンルなんて全く無意味だってこと！
途中一度お手洗いに立ったのだけど
誰もいない廊下に
世界的なクラシックのアーティストたちの写真が
ずらりと飾られていて。
（オーチャードホールは普段クラシック中心の大ホール）
なんか、ホールの中で今歌っている伊勢さんと、
世界的なクラシックのアーティストたちに
眩しくてきゅんとなるような
何かの共通点があることに気づいた。
それはなんだろう？
ざわつく自分の心を分析しながら
後半の伊勢さんのステージを観る。
次元が違いすぎて恐縮だけど
ここしばらく活動を休んでいるパフォーマンスユニットと
いまの私の「何となく」の乖離が何なのか、
このところ、ちょうど考えていたところ。
グループA: 伊勢さん、クラシックのアーティスト
グループB:パフォーマー ショウビジネス
わたしにとっては、
チア部☆はグループAであり、
いま休んでいるユニットはBである。
今日気づいた、その違い。
グループAは、「成り振り構わず、一心不乱」であり
グループBは、「遊び心と、非日常の世界」なのだ。
今日気づいた。
かつて２０代のころ、「一心不乱」に憧れながら、それを選ぶ勇気がなかった私だが
いつの間にかそういうものを選べるようになっていたってこと。
年々、
「自分に相応しいかどうか」の尺度がはっきりわかってしまい、
相応しくないことが出来なくなってくる。
そういうのを、ネガティブに言えば「歳をとる」とか「頑固になる」と言い
ポジティブに言えば「洗練される」とか「プライドを持つ」ということになる。
今日、伊勢正三さんの６０thコンサートを観て、
はっきりわかった。
いま、私がより心動かされるものは、
エンターテイメントではなく、
なり振り構わず、一心不乱な人の生き様だってこと。
私も、カッコいい６０代、７０代を生きたい。
