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正念場(しょうねんば)
正念場(しょうねんば)
~本当の自分を演じるとき~
歌舞伎や浄瑠璃では、役の性格や心の持ち方のことを「性根(しょうね)」といいます。そして、性根の深いところまで汲み取って、じっくり表現する場所が「性根場」。
一番の重要な見せ場です。それに、仏教用語の「正念」が結びついてできたのが「正念場」だといわれています。
仏教用語の「正念」は、雑念を払い、真理を求める心をいつまでも忘れないことで、平常心と置き換えられることもあります。
誰でも、ここが正念場と思えば、何が何でもがんばろうとします。でも、本来の意味からすれば、無理して、踏ん張るところではなく、つまり、役者ならその役になりきる。自分なら、本来の自分になりきればいいのです。
いつもと違うように頑張ってしまうことは正念場にはふさわしくないのかもしれません。
しかし、わが身を振り返ると、大勢の人まえや何か事が起きた時には、上手くやろうと頑張り過ぎて、平常心ではいられません。心臓の鼓動が高鳴り、無駄に力んだり、緊張したりしてしまい、大失敗したことが山ほどあります。その度に、もっとしっかり落ち着いておけばよかったと反省しきりです。
それぞれの正念場、本当の自分を演じる時と思い、一番自分らしく堂々と、ここ1番というときを乗り切ってくださいね。
正念は、仏教用語の八正道の一つと言われますが、
八正道(はっしょうどう)とは、仏教の教えの核心をなす道徳的、精神的な指針で、苦悩からの解放と、より平和で充足感のある生活を追求するための道筋を示しています。
「八正道」あるいは「八聖道」は、苦しみの止滅にいたる道を具体的に説いたもので、八つの正しい生活法・実践法である。 八つとは正しい見解(正見)・正しい意志(正思)・正しいことば(正語)・正しい行い(正業)・正しい生活(正命)・正しい努力(正精進)・正しい意識(正念)・正しい精神統一(正定)である。
八正道は、その名の通り、八つの「正しい」または「適切な」道を示しています。具体的には、次のとおりです。
- 正見(正しい見解)
- 正思惟(正しい決意)
- 正語(正しい言葉)
- 正業(正しい行為)
- 正命(正しい生活)
- 正精進(正しい努力)
- 正念(正しい思念)
- 正定(正しい瞑想)