アトピー卒業のために必要な『心と身体のしなやかさ』 | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは、
目黒区東が丘 『山本ファミリア皮膚科 駒沢公園』の
院長 山本綾子です。

先日、とあるショッピングセンターで
ダンスパフォーマンスを見ました。

総勢30名近くのダンサーたちが、
一糸乱れぬパフォーマンスを披露していました。

しなやかに踊る彼ら。

素晴らしいダンスを見ながら、ふと思いました。

健康的な人と、「いかにもアトピーだなあ」という人では、
何が違うのか?

アトピー患者さんたちを「アトピーっぽく見せている」ものとは何か?

その大きな要因として、「しなやかさがないこと」があるように、
私は思います。

まずは、「筋肉のしなやかさ」。

健康な皮膚を作る基礎となる、血流・リンパ流。

血液やリンパをしっかり流すために必要なのは、しなやかな筋肉ですね。
水の入ったホースを足で踏むと水がぴゅーっと流れるように、
しなやかな筋肉は、血液やリンパを流す際に、「筋肉ポンプ」として
大切な役目を担っています。

その筋肉が、
十分量あること、硬すぎないこと
が重要です。

時々、患者さんの中には、
「ジムで筋トレしています」と言いながら、
なかなか改善しない方がいらっしゃいますが、
そういう方は、筋肉をつけることばかり考えて、
硬い筋肉になっています。
しっかり血液やリンパを流すためには、
カチカチ筋肉では役に立ちません。

プロスポーツ選手で、
硬い筋肉ばかりがついたら、怪我をしやすくなるように、
やはり健康になるために必要な筋肉は「しなやかな筋肉」なのですね。

そして、
もう一つの「しなやかさ」は
「心のしなやかさ」。

「自分軸」をしっかり持つことは
勿論、大切ですが、
ただ意固地に我が道を通すだけでは、
苦しいこともあります。

とくに脱ステ患者さんの
「何が何でもステロイドは使いません」
「どんなに酷い状態でも、ステロイドは絶対に使いません」
という意固地さは「心のしなやかさ」が失われているようです。

症状が軽く、日常生活に支障を来さない程度ならば、
ステロイドを使わないけれども、
症状が酷くなり、日常生活に支障を来すようになったら、
ステロイドを使ってもいい。

そんな柔軟さを持って、「卒ステ」を目指す患者さんは、
「何が何でもステロイドは使いません」と意固地になっている脱ステ患者さんよりも、
治りが良いのです。

「心と身体のしなやかさ」

アトピー卒業を目指す皆さんは、
これを忘れずに、進んでくださいね。

◆◆◆アトピー卒業のための基本知識◆◆◆
日経トレンディネットに山本綾子による連載記事
『皮膚科専門医山本綾子の解決!オトナの皮膚病・肌トラブル』
(https://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20140121/1054660/)
どうして、湿疹はいつも同じ部位にばかりできるのだろうという、
「部位の謎」について詳しく解説しています。
「あ!そういうことだったんだ!」と目からウロコ間違いなしです。
アトピーから卒業したいという方には、ステロイドを使う使わないに関わらず、
絶対に知っておいて欲しい知識です。是非、お読みくださいね。