こんにちは。
皮膚科医 山本綾子です。
私、山本綾子が提唱する「アトピー発症機序理論」
から導き出された運動療法には、
この理論に従った身体の使い方を理解・実践することが
大事であることはお伝えしてきましたよね。
「赤ちゃんから学ぶ身体の使い方」
のテーマの第2回目は、
「筋肉ポンプを働かせていますか？」
についてお話しします。
生まれたばかりの赤ちゃんは、
自分で動くことができませんので、
ずっと布団の中にいます。
寝ているときだけでなく、起きているときも布団の中。
そんな赤ちゃんから何を学べるのか想像できますか・・・？（笑）
ここで、ご機嫌で起きている
赤ちゃんをイメージしてください。
全く動きもなく、じっとしたままで
お布団の中にいるでしょうか？
いいえ、手足を常に動かしていますよね。
手足をグー、パーと開いたり閉じたり。
腕や下肢もじっとしている訳ではなく、
ゆっくりではありますが、
パタパタと動かしています。
では今度は、大人のデスクワークを
イメージしてみましょう。
学生さんならば、授業中をイメージしてみてください。
きちんと椅子に座って、
腕や下肢はほとんど動いていません。
パソコン仕事などを思い浮かべれば
よくわかると思いますが、
動いているのは、ほとんど指だけですね。
「自分で動けない」と思われている
赤ちゃんのほうが、一日何時間も
デスクワークしている大人に比べると、
よっぽど動いているかもしれません。（笑）
ところで、身体が動いていると
何がいいのでしょう？
・・そうです、
筋肉が動き続けているということは、
「筋肉ポンプ」が働き続けているということですね。
血管には、心臓というポンプがありますが、
心臓は身体の大きさの割にはとても小さく、
握りこぶし1個分ほどです。
身長が1.5～2ｍ近くもある大人の
全身隅々にまで血液をきちんと
行き渡らせるためのポンプとしては、
あまりにも小さすぎます。
そこで活躍するのが「筋肉ポンプ」。
筋肉が動くときに、血管の中の血液を押し出して
血液を流すお手伝いをしています。
水道の蛇口につないだホースを踏んだら、
水がぴゅーと流れるのと同じ感じです。
常に手足を動かしている赤ちゃんは、
布団の中にいるとは言え、
ずっと「筋肉ポンプ」を働かせていたのですね！
私たち大人は、赤ちゃんより
ずっと身体が大きいですから、
しっかりと筋肉ポンプを働かせなければ、
心臓から最も遠い皮膚にまで
キチンと血液が行き届きません。
（皮膚は内臓よりも外側にありますからね！）
前回の「赤ちゃんから学ぶ身体の使い方」
の第一回目でお話した、
赤ちゃんの「のび」のことを覚えていますか？
それと同様、同じ姿勢を続けていたあとは、
しっかりと身体を動かすことがいかに大切か、
さらにご理解いただけたのではないでしょうか？
30分毎にちょっとしたストレッチなど、
是非、身体を動かすことを習慣化してくださいね。
また、運動は１回にまとめてやるのではなく、
こまめにするのが効果的ですから、
その点もお忘れなく！
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