脱ステの子供の本音は、「もう、何もかもが嫌だ~!!!」 | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

今日は、久しぶりの「診察室から」テーマで

書きたいと思います。

 

小学校2年生の男の子がお母さんと

一緒に来てくれました。

お母様がステロイドは怖い薬だと思い、

使わずにいたようでした。

 

診察室に入ってきたときの第一印象は、

「全体的には、さほどひどくないなあ。

でも、結構、猫背で、なんだか元気がないなあ。

そしてなにより、この子の目の冷めた感じ、

全然子供っぽさがないなあ」

 

洋服を脱いでもらって、診察すると、

肘や膝、肩、お尻と、ひどいところはひどいのだけれど、

症状がほとんどないところも、たくさんあるという感じ。

 

症状がないところは、保湿のおかげか、乾燥はごく軽度でした。

しかし湿疹のひどいところは、かなり力いっぱい

掻きむしっているようで、えぐれていました。

 

その子に直接質問しても、

答えてはくれるものの、なんだか素っ気無く、他人事のよう。。。

目もまっすぐ私を見ることなく、冷めている。。。

 

お母様にこの印象を話してみました。

「なんだか、この子、子供っぽさが

感じられないんですよね、目に。」

 

やはり、お母様も同じことを感じていたようでした。

「そうなんです!以前から、変だなと気づいていました。」

 

そこで、私は尋ねてみました。

「いつからひどくなりましたか?

姿勢が悪くなったのはいつ頃からだと思いますか?」

 

「症状が悪くなったのも、姿勢が悪くなったのも、

この子が小学校に入って、私が仕事にフル復帰してから

のように思います」

「もしかしたら、この子、寂しかったのかもね。。。」

 

そんな会話をした後、いつものように、

湿疹の場所に対応する運動の仕方をお話しました。

小学校低学年のお子さんでしたので、大人に教えるより、

少し噛み砕いてわかりやすく説明をすることにより、

だいたい、歩き方も含めて理解してくれたようでした。

 

その場で完全に理解していなかったとしても、

「なにか、姿勢に気をつけたり、運動したりすると、

アトピーはよくなるらしいいぞ!」と、

小学生なりにわかってくれたようでした。

 

運動療法を説明する中で、

「この子は、母親にもっと甘えたがっているな」

と感じた私は、腹筋運動についてお話する際に、

あえて幼稚園の子がするような、

親との接触の多い方法をとるように言いました。

 

お母さんの膝に座って。

「はい、ふっき~ん。1、2、・・・・、9、10!」

 

小学校も高学年になれば、お母さんの膝に座って

なんて恥ずかしくてできないかもしれませんが、

まだ2年生のこの子は、楽しそうにやってくれました。

10回終わった後のその子の顔は、楽しいことを終えた、

普通の子供の無邪気な顔でした。

 

「やっぱり、お母さんに甘えたかったみたいですね!」

お母様と私は意見が一致しました。

 

「なんだか、最初に診察室に入って来たときと、

表情が変わりましたね!」

 

そう私が言うと、お母様がこんなことを

目に涙を浮かべながら話してくれました。

 

「夜にお風呂に入ると、かゆみのあまり、

肘や膝をすごい力で掻きむしりながら、

『もう、なにもかもが嫌だ~!!!』って叫んだんです。

あまりにもその通りだったので、私は何も言えませんでした。。。」

 

親御さんの考えで、ステロイドを一切使わず

乗り切ろうとしてきた。

でも、そのときの子供の気持ちって、

考えたことがあるでしょうか?

 

あまりのかゆみに、「もう、なにもかもが嫌だ~!!!」

これが、子供の本音です。

 

子供には、ステロイドがいいとか悪いとかは、

関係ありません。ただ、かゆいのが辛いだけ。

 

親御さんは、子供の人生によかれと思って、

脱ステを選んだりするのですが、子供は、ただ辛いだけ。

 


そして、辛い治療を「させられている」子供は、

「もう、なにもかもが嫌!!!」なのです。

 

この子が、診察室に入ってきたときの冷めた目は、

「もうこんな毎日は嫌だ!」という、

子供なりの精一杯の自己表現だったわけです。

 

ブログで何度もお話していますが、

アトピーの湿疹は「心と体からのサイン」なのです。

 

ただの嫌な湿疹と思わず、

「いったい、心と体は何を伝えたがっているのだろう?」

といつも考えてください。

 

そして、脱ステを選んでいらっしゃる親御さんに

もう一つお願いがあります。

 


子供さんの気持ちだけでなく、

親御さんご自身の本当の気持ちも

見つめてみてください。

 

今回のケースでは、お母様が診察中に

涙を浮かべていらっしゃいました。

 

これは一体、何を意味していたのでしょうか?

 

ステロイドが怖くて脱ステを選んだけれど、

「我が子が本当に辛そうにしているのを見て、

自分も本当に辛かった・・・」

 

そういうことではないでしょうか?

 

我が子のためと思い、自分も敢えて苦しい道を

選んだけれど、本当のところは、親御さんだってもう、

限界なんではないでしょうか?

 

子も親も限界・・・

 

もう、親子ともに頑張りすぎなくってもいいんじゃないかな。

 

私は、脱ステで苦しんでいる子供さんだけでなく、

 

お父さん、お母さんにも、

「もう、十分頑張っていらっしゃってきたから、

あとは私が責任もってキレイにしますよ。

もう、頑張らないで、私に任せて。」

とお伝えしたいなと、いつも思っています。

 

 

 

 

 

 


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