アトピーと食事 | 皮膚科医 山本綾子 の アトピー から学ぶ美肌法則

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山本ファミリア皮膚科 駒沢公園の院長、山本綾子の美肌法則ブログ。つきあう病気とされてきたアトピー を根治させようと奮闘して見つけた、身体から健康になる美肌法則。

こんにちは。今日は、ようやくアトピー治療における食事についてです。


結構たくさんの記事を書いているのに、どうして、まだ食事について書いてくれないのだろう?と思われている方もいるかと思います。


なぜ、食事って大切なはずなのに、これまで書かなかったか?


それは、よほどひどい食事をしていない限り、ちゃんと治ってしまうから!


もちろん、食べたほうが身体にいいよ、って食べ物はあります。


でも!!!


○○を食べないと治らない、とか

○○を食べたら治る、とかいう訳ではないんですよね。


よほど、食べた瞬間にじんましんがでるとか、ショック症状が出る、というならば食べてはいけないですが、


そうでない限り(ほとんどの方がそうです。食べ物のアレルギーでアトピーになっている患者さんなんて、はっきり言って見たことありません。患者さんが勝手に思い込んでいるだけ、ってパターンがほとんどです。これはとくに乳幼児の場合、多く見られます。お母さんが食物アレルギーと信じ込んで食物制限をしているけれど、きれいに治療してしまったら、何でも食べれた、というパターンがどんなに多いことか!)


実際、診察でも、患者さんに食事の説明をするとき、こんなふうにお話しています。


「ジャンクフードと、バランスのいい和食、どっちが身体にいいと思います?


そうそう、バランスのいい和食。

このくらい、誰だって、なんとなく感覚でわかりますよね?


誰だって、勉強しなくても感覚でわかる程度の”身体にいい食事”に気をつけてくれれば、それでいいですよ!


そこに、まあちょっとお野菜多めにとろうかな、とか


お肉ばかりじゃなく、お魚もちゃんと食べておこうかな、とか


そんなレベルで考えてくださいね。


素直に私の治療をしていれば、その程度でもきれいになってしまうから!」


そんな、いい加減な!と思われたでしょうか?先生、何もわかってないな、と思われたでしょうか?


もちろん、食べ物が身体を作り、皮膚を作りますから、最低限のバランスや食べなくてはならないもの(必須アミノ酸、必須脂肪酸など)はありますが


アトピーの患者さんは、食べ物に気を使いすぎというところが多くあります。


アトピーにいいから○○を絶対食べなくてはならない、とか、

アトピーに悪いから○○を絶対食べてはならない、とか。


そんなふうに食事していて、楽しいでしょうか?


食事することが修行みたいになっていないでしょうか?


もちろん、いろいろな食材を食べることを「楽しめている」のならOKなんですが。


逆に食事がストレスになってしまっては、本末転倒です。


しかも、私は思うんです。


「果たして、人間がそんな精密機械みたいに、○○を食べないと治らない、みたいにできているってことがありうるだろうか?」


そんな風に、○○でないとダメ、みたいにできていたなら、

食べ物が少ない時代の人間なんて、とっくの間に滅亡していたはずじゃないか、って。


所詮、人間だって動物です。


結構アバウトにできているはずです。ロボットじゃないから。


じゃあ、そんなにキメキメにしなくたって治るようにできていると思いませんか?