金皮沢大学アトピー班で、竹原教授診察のお手伝いをする際、どの患者さんでも必ず皮膚症状を人形図(人間をかたどった塗り絵図)に色を塗って記録していました。ざらつきがひどい部位には濃い赤、かさつき部位にはうすい赤、乾燥のないしっとりした部位には青、と何百人、何千人もの患者さんの皮膚を触りながら、紙に記録するのが私の仕事でした。
そして、たくさんの患者さんの皮膚症状を記録してゆくうちに発見したことがありました。
それは、どんなに症状が軽い人でも、どんなに症状が重い人でも、最初に湿疹が出る部位は皆、同じである、ということでした。
症状はひとそれぞれなのに、いつも同じ部位から湿疹が始まる。
そして、同じ順番で範囲が広がり悪化してゆく。
これはいったい何を意味するのか?
患者さんが違っても同じ部位にできるということは、「解剖学的」に湿疹ができる部位が説明できるに違いない、と漠然と思うようになったものの、当初はその部位の意味が全く理解できないまま、その法則を見つけようと来る日も来る日も患者さんの皮膚を見続けました。
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現在は、湿疹を見ると、頭の中に解剖図が浮かび、「○○筋の部位だから、日常生活で××に気をつけてね」と一瞬で注意すべき点が思い浮かぶほどになりましたが、当時は本当に頭の中に??が毎日浮かんでいるような状況でした。
ところで、ちまたにはさまざまなアトピー治療法なるものが、民間療法や悪質なアトピービジネス、さらに標準治療とされるステロイド治療にはありますが、「どうしてその部位に湿疹が出るか」を的確に、万人が納得いくように説明できているものは今まであったでしょうか?
どうして太ももは内側でなく外側に出るの?
どうして頭は真ん中より生え際に出るの?
どうして顔は真ん中よりあごラインにでるの?
皆さん、これらについて疑問に思ったことってありませんか?
私もアトピー患者さんを毎日見ていて不思議だなとずっと思っていました。先輩に聞いても誰も知らない。
でも、こんなに規則性があるんだから、絶対なんらかの法則があるに違いない。
そして、その法則をついに見つけ出しました!
その法則さえわかってしまえば、その法則に従って湿疹を治すことだって可能になるのです!