二次創作Ⅴ(19) | ~トーラムメモ(オルクス兼)~

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【注意】
・主にシナリオの感想・考察・NPCまとめになるため、倒し方とかの攻略系は有りませぬm(_ _)m

すらまっぱぎー…やかんです(^^ゞ

あれから一ヶ月。季節は春を向かえました。
アルク達はどうなっているのでしょうか?

今回も安定の妄想でゆきます(^^ゞ

アオ「開幕ですよー(*´-`)」

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第19話〈設立〉

あれから1ヶ月――

アルクは大きな鞄を背負って街を歩いていた。
端的に言うと、アルクは家を追い出された。試験を放棄したあげく、冒険者になると父に宣言をしたところ、勘当を言い渡されたのだ。

政庁付近を通りかかったとき、政庁の方からやけに賑やかな声が聞こえてきた。

アルク「ああ、そういえば今日は役人試験の合格発表だったっけ…」

遥か遠くの方には、大きな看板が立てられ、その下にいる人々はバンザイをして喜んだり、逆に泣き崩れていたりしている。

その中で、家族に囲まれて飛び跳ねている人を見つけた。
イリスだ。
様子から見るに、見事試験に合格したのだろう。

アルク「イリス…おめでとう。」

アルクは小さく呟くと、その場をあとにした。

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湖が見える路地裏で、アルクは荷物を下ろして座っていた。
ぼうっと湖を眺めていると、隣からコツコツと靴音が近づいてきた。

「――お久しぶりです、アルク。元気そうで何よりです。あとすみません、遅くなってしまって…」

アルクはその声の主に優しく微笑む。

アルク「お前が時間に遅れるのは珍しいな。…そっちも元気そうで良かったよ、
ヴェルト。」

やって来たのはヴェルトだった。
今日の朝に釈放され、その足でここまで来たのだ。髪は以前よりも伸びているのか、後ろでまとめてある。
ヴェルトはアルクの横に座ると、同じように湖を眺めた。

ヴェルト「それにしても驚きました。
新聞で見ましたよ。ピーノ様が、不正をしている役人たちを全員辞めさせたって。
あれ絶対にアルクが送った告発文がきっかけですよね。」

アルクは一週間前、ヴェルトと面会していた。
そこで自分が家から勘当されたこと、
試験の日にピーノへ宛てた、役人の不正の証拠を書いた告発文を送ったことを話していたのだ。

ヴェルト「でも、よくピーノ様に届きましたね?警備の目もあったでしょうに…」

アルク「ああ、そこはまだ話してなかったな。
ほら、正面から行ったら警備とか役人が邪魔だろ?でも試験の日にはそっちに人員を割くから、その分警備や役人の目も少なくなる。
そこを狙って、こっそり塀を越えてピーノ様がいる庭に入ったんだよ。
告発文自体も、証拠を掴むために徹夜して役人を張り込んだりして寝不足で大変だったなぁ」

隠密行動には心得があるアルクである。
一方でそれを聞いたヴェルトは絶句した。

ヴェルト「て…て事はですよ!?あなた不法侵入したんですか!
あんな真面目だったアルクが…私のいない間にとんでもないワルに…!
ワルです、あなたワルクです!」

アルク「何だよワルクって。
それより、何もお前も冒険者になる必要なんてなかったのに、どうして俺と一緒に叙賜(じょし)の儀を受けるって言い出したんだ?」

アルクの言う叙賜の儀とは、ストレイエの証である派章を受け取る儀式のことだ。

ヴェルト「私って他に行く所無いですし。それならアルクについて行こうと思ったんですよ。
ほら、弓の腕がからっきしのアルクに比べて、私って戦力になるでしょ?」

アルク「お前の場合は味方にも魔法ぶっ放しそうで怖いけどな…」

アルクは、食堂を半壊させたヴェルトの魔法を思い出して震え上がる。

ヴェルト「まぁ、私の魔法は最終手段にした方が良さそうですけど…
それより生活のあてはあるんですか?
私たち、家も無いでしょう。」

アルク「そうなんだよなぁ…。追い出されてからは格安の下宿見つけて過ごしてたけど、お金も尽きたし…」

家がないのは死活問題だ。すぐさま何とかしなくては早々に行き倒れてしまう。

ヴェルト「そうですね…なら、私達でギルドを作っちゃうのはどうでしょう?」

アルク「ぎ、ギルド?」

アルクは訳が分からないとばかりに首を大きく傾げた。
冒険者としての経験値がゼロの状態で、ましてやギルドなど。

ヴェルト「ギルドで一定分の仕事をこなせば、功績が認められて酒場を建ててもらえるんですよ。
そうすれば、住む場所にも困らなくなります!」

アルク「待て待て。ギルドなんてどうやって運営していけば…」

ヴェルト「金銭関係は任せて下さい。
他の事も何とかなります。あなた、何のために冒険者になるんですか。」

そう言われて、アルクは口を閉じる。

アルク(そうだ、俺達はストレイエの冒険者になるんだ。未知の場所を冒険して、困っている人がいたら助け合う。
それなら思いきってギルドを作ってみるのもアリなのかな。
それでイリスに負けないくらい頑張れば、父さんを見返すことだって…)

アルク「よし!なら早速叙賜の儀を受けに行こう。そんでついでにギルドも作る!」

アルクは勢いよく立ち上がり、ヴェルトに宣言した。
一瞬驚くヴェルトだったが、アルクの顔を見て賛同するように立ち上がる。

ヴェルト「そうですね。――それで、ギルドの名前はどうします?」

アルクは空を見ながら少し考える仕草をした後、手をポンと叩き、

アルク「行く行くは最高のギルドにしたいから、『彩虹(さいこう)』ギルドでどうだ!
虹で彩られて賑やかな感じだろ?」

と自信満々に答えた。
ヴェルトは頭を抱える。

ヴェルト「最高だから『彩虹』…なんて安直な
まあ、アルクがそれで良いならいいんですけ」

アルク「行くぞ、ヴェルト!!」

ヴェルトが言い終わるより早く、アルクはヴェルトの腕を掴むと力強く走り出したのだった。

To be continued...
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ギルドを作ることになったアルク。
そしてソフィアの役人の不正を告発したのもアルクだったようです(*´-`)

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