大好きな演出家さんの作品を見に行ってきました!
基本的に海外ミュージカルの
原語公演を好むわたしですが、
末満健一さんと和田俊輔さんの
ミュージカルは大好き!
これまで『LILIUM(新旧)』『マリーゴールド』『ヴェラキッカ』などを見てきたけれど、楽曲のかっこよさ、作品のテーマや物語、場面の見え方、演者に求める歌唱クオリティの高さ、エンタメ性など、わたしが観客としてミュージカルに求めるものをすごい勢いで満たしてくれる作品たちでした。
そんな末満さんと和田さんが
日本が誇れるオリジナルミュージカルを
作るとなったらもうもうもう
楽しみで楽しみで大変だったわけです。
今回は主演が元宝塚の望海風斗さん。
歌の評価について信頼のおける友人から
歌うまだよーと前からきいていたので
期待値がめっちゃあがるあがる⤴️⤴️⤴️
ブリリアホールか😢…と思いつつも
チケット抽選に申し込み、
席がご用意されて喜んで
同じくらいの時代の作品だからと
年末に上演されていた
舞台『ジャンヌダルク』を配信で見るなどして
背景についての知識を深めました👍
学生時代世界史を選んだわたしでも
百年戦争はフワッとしかおぼえてないし
イザボーなんていう人名は全然知りませんでした。
観劇後のいまはめっちゃ知った!!!!🤩
さて、前置きはこのくらいにして。
最高ポイントを思いつくままに書き散らしていきましょう。
個人の感想です。
もう配信したしネタバレ気にせずガンガン書きますので、まだ見てなくてこれから見る人は読むのをやめて、劇場に行き初めて浴びて心を動かしてください。
👇👇👇
劇場入りして目に入った順。
●セット・美術
開場時には壁にしか見えてなかった舞台セット。
ぐるんぐるん回す(人力)3層構造の円だった!
造形がすっごくかっこいいし
階段もあるし中に人間入れるし
イスとテーブルでお茶したりもできてた!!
めっちゃはやく動くときもある!!!
上に演者がのったまま動くときもある!!!
落ちないように棒ついてる!!!
動かしてる人めっちゃすごい!!!!!
兵士の衣装なのめっちゃいいし
カーテンコール出てきたのうれしい!!!!
あんな大きいものが
ぎゅるんぎゅるん動くので
怪我なくがんばっていただきたい…🙏
●振付
開演前演出からすてきなお兄さんお姉さんが出てくるんだけどアンサンブルっていうかダンサーっていうかめっちゃ踊る。
振りがめっちゃかっこいい。
メインキャストも思った以上に踊る。
歌に全振りしたのかと思いきやダンスもめっちゃ良くて総合芸術としてのミュージカルを作ってくれてありがとうの気持ち。
セクシーだったり気持ち悪かったり面白かったり。
獅子舞みたいなやつも面白かった。
どの曲だっけ、男性たちが可愛く踊るところもにこにこしたし、タンゴのシーンは圧巻だった。
最後をのぞけば一番大きい音で拍手したかもしれない。
●音楽!!!!!と音響
もともと和田さんのファンなので大好きになる予感しかしなかったんだけど、今回もいろんなジャンルの曲があって楽しかった!!!
ノリノリなサウンドもあれば、心情を朗々と歌い聞かせるバラードも、ロックみたいなのもある。
演者は大変かもだけど聞いてる方はおもちゃ箱みたいでわくわくした。サントラほしい。
ハーモニーやコーラスも綺麗だった。
パンフみたら30曲もあるのね。すごい。
シャルル6世とイザボーの言い合いみたいな曲は
おふたりの声量がすごすぎて
なんて声のでかい夫婦なのかしらと思った。笑
イザボーとシャルル6世、イザボーとシャルル7世のデュエットはそれぞれの関係性から濃ゆい情感みたいなのが感じられてすごくよかった。
ハンドマイクを使う裁判の曲、演出がJesus Christ Superstarを彷彿とさせるような感じですごく面白くて、いい感じに客席も巻き込まれて楽しかった。
個人的には黒死病の歌がかっこよくて、スタンディングだったらめちゃめちゃリズムのりたいやつー!(座ってたからおとなしくしてたよ)
英語の歌詞の群唱はちょっとなんて言ってるかわかんないときがあったのでもうちょい揃えた方が親切かなと思った。パンフに全歌詞のってるからいいけど。
一幕の最後の方でのイザボーのソロ、圧巻の歌い上げだったんだけど、ブリリアマジックのせいか全然音がこちら側に飛んでこなくて泣いた…😭
え絶対あんだけ声量だして歌ってたら他の劇場だったらぐわああああって客席に届いて心を揺さぶるはずよね???
オケと声とハコの相性的なものもあるのかもだけどあれだけのパフォーマンスが…😭
ステージ上だけで上に響いちゃってるように聞こえました。
(だから末満作品でない限りブリリアのチケットは取らないんだけど…)
あと男性の中低音、Aメロとかでおとなしめに歌うらへんの音域の歌詞が聞こえづらくなんて言ってるのかわからない。
チューバが男性の歌声をかき消す。
そしてヴェラキッカのときもあった、群唱コーラスとメインが一緒に歌うとメイン聞こえないなど、やっぱりストレスなしとは言えず。。。
二幕、すこし調整が入ったのか、曲調のせいか多少聞きやすくなりました。(あれ?オケちっさい?と感じたときもあったのでほんと調整難しい…)
それでも、ヴェラキッカのときよりはだいぶ聞きやすかったので音響チームの皆様はすごいがんばって調整されたと思います。
問題はホールだよ…
ミュージカルやりたくて建てたはずなのになんでなの…😭😭😭
配信や円盤の音はライン入力だろうからきっと綺麗にきこえると信じています。
●衣装
すごくすごく素敵だった…!
他のキャストが黒、唯一子供時代のイザベルだけ白というのもよかった。
イザベルのドレスのシルエット綺麗だったなー。
白が純粋な子供時代、宮廷や政治ののドロドロに染まっているみんなが黒、だんだん自分で生きていくことにしたイザボーが、お着替えするたびに赤の部分が増えていく(女は血で戦う、というのを体現していく)というのが衣装の面でも表現されている素敵さ。
シャルル7世の戴冠式のガウンめっちゃすてきなんだけど、ジャンヌダルクの舞台でもシャルル7世同じようなの着てたから借りたらいいのにって思ってしまった。笑
あのもっふもっふキラキラは生地もお高いだろうな。
アンサンブルの衣装、鎧のときは鎧っぽいパーツ足したり結婚式の時は派手なサングラスと羽毛マフラー?みたいの足したりしてマイナーチェンジしてるのよかった。
●照明
照明チェンジでうわっと見え方がかわる場面が多々あってすごかった。
転換で入りはけの間すら待つ必要がなく照明でバッと変わるってすごい。
そしているはずの人やあるはずの道具が
全然見えなくなるのもすごい。マジック。
●客席演出
コロナが五類になったことで客席通路を使う演出も増えたなーという印象。
イザボーの客席演出も主に客を盛り上げるシーンで使われていました。
わたしは特定の役者のファンではないけど、ファンの人は嬉しいんじゃないかな。
後半劇中のシャルルセッツ!のところは客席がやっていいのか悪いのか迷って中途半端な印象を受けたので煽るならもっと煽って欲しい…どうしてあげたらいいの…。
●演者
みんな個性的で安定していてとてもよかった。
主役の望海さんの存在感と安定感がえぐい。
個人的には周り男性ばっかりだしあんなに高い声で演じなくてもいいんじゃないかなと思ったけど、決めるところを決めるかっこよさがよかった。
シャルル6世の上原理生さん、黑世界で歌声が素晴らしいのは知ってたんだけど今回狂気そしてイザボーとの絡みのお芝居がすごくよかった…
少女時代のイザベルかわいかったなぁ😊
執拗に「幸せ?」って聞いてくるところはちょっとホラーみもあってよかった。
全員分書いてると終わらないのでこのくらいにするけど、総合的にクオリティが高くて素晴らしい演者のみなさんだったなーと思いました。
アンサンブル、男性は大きかったり小さかったりいろいろな外見の方がいたのに対して、女性はわりと均質な印象だったので、もし今後この作品が残っていろんなカンパニーで演じられるようになったら、もっと多様な感じになるともっと民衆感が出るのかなとは思いました。(ダンスができる方はどうしてもシュッとしてるから難しいかもだけど)
あ、結婚式のシーンで、生演奏のミュージシャンの方々が出てきたのすごくよかった😊
●演出・脚本
最高でした…!
歴史の隙間に入り込んで、そこに生きた人間の想いや愛を見つけて描くのがほんとうに巧み…!!!!
見終わった後、「イザボー絶対こうじゃん」って信じてしまえそうな説得力。
それでいて見せ方がガッチガチの歴史劇ではないところがすっっごく好きでした!!!
この物語をこの時代にに紡ぐための、妥協しない追求。
お芝居の中身もそれを取り巻くいろんな要素まで気持ちが行き届いていた感じがしました。
正直、素晴らしいなと思って観ながらもホールの音響のせいでちょいちょい我に返ってしまっていたので泣くことはないかなと思ったんだけど、最後シャルル6世との夢のシーンあたりから涙腺ゆるゆるになってきて、ラストぶぁさっっっと降ってきた花びらとともに涙がぶぅわっっっ!!と溢れました。
「愛」の描き方がほんとうに素敵。
悲劇とか最悪とか、人になんと言われようとも
そこに愛があったと信じられるだけで
こんなに心が救われるんだと実感しました。
もう『イザボー・ド・バヴィエール』を知らないなんて言えないね。
終わってからはしばらく
「最高だった…」しか
言うことがないくらいでした。
素晴らしい観劇体験をありがとうございました。