『WITHOUT YOU』観劇 | * ayaka in wonderland *

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あやかの生存報告とか。

泣かないわけなかった。

今日前の方の列だしちゃんとメイクしよって思っていつもよりちょっと盛ったアイメイクは、手元のタオルにすべて吸収された。

タオルを持ってきてよかった。


(折しも行きがけに著名な先生の訃報を知り若干涙腺が緩み気味な日だったことを差し引いてもこんなに泣くと思ってなかった)


(☝️初めて行ったIMMシアター。わりと見やすかった。)



たぶんわたしがこれまで

一番聴いて一番歌ったミュージカルの曲は、

RENTの曲。

そのRENTの語り手であるMark役オリジナルキャスト、Anthony Rapp氏の自伝的な作品がこの『WITHOUT YOU』。

RENTの作者Jonathan Larsonや

Anthonyのお母さんとの思い出が綴られている作品。



●Anthonyの声

オリジナルキャストの来日公演もあったので

生で聴くのは初めてじゃないんだけど

それにしたって初演から30年弱経ってるのに

マジで声がMarkのまんまーー!!!

なんならサントラのまんまーーーー!!!

ちょっとその声でRENTの曲とか歌われちゃうと

ビジュアルはちゃんとおじさんなのに

もうーーーMarkーーー!!ってなる😢

mの発音が特徴的でちょっと力むの可愛くて好き。

群唱の曲とかもソロで歌ってくれるので「あ、Markのパートだけ歌うとこうなるのか」っていう感じになる😂

RENTの曲めっちゃ出てくる。

大好きすぎて涙でる😢

でもみんなでワイワイ歌ってた曲をぼっちで歌われるとそれはそれでせつなくて涙でる😢

LA VIE BOHEMEとかあのコーラスないとちょっとさみしい…みんなで歌ってあげたい…


●JonathanとRENT

RENTという作品を愛するわたしにとって、

Jonathanは愛すべき生みの親でありながら

作品を目にした時にはもういなかったという

なんかフワッとして手の届かない存在でもある。

こんなに素晴らしい曲作れる人いる??ってくらい曲が大好きで、他の作品とか新作とかないのかなって調べたらもう亡くなってた時の絶望😭

Tick Tick...BOOM!の映画でちょっとだけ知れた気になったけど、それはRENTを作る前の彼だし。

あとはWikiやRENT円盤の特典映像くらい。

(たぶん関係者のインタビューとか追えばもっとわかるんだろうけど)

『WITHOUT YOU』では、RENTを作っていたときの彼、最高のドレスリハーサル、そして訃報…

彼の近くにいて一緒に作品をつくっていたAnthonyから語られる思い出はとても具体的で、確かにそこに生きていたJonathanを思い起こさせてくれた。

作家を失った直後の静寂の初日、

カーテンコール後に聴こえたという

「Thank you, Jonathan Larson!」という叫びは

まんまファンがJonathanに叫びたい言葉でもある。

いなくなるのは早すぎたけど、

作ってくれて、遺してくれてありがとう。

当時わりと若かったであろうキャストたちが、このやりきれない体験を抱えながら、よくパフォーマンスをできたものだと思ったけど、RENTは愛のお話だから。

Jonathanへ、家族へ、友人へ、そしてオーディエンスへ、全てを込めてパフォーマンスしてくれたキャストや支えた製作陣のおかげで、その愛は世界中のみんなに届いて、作品が愛されたのかなって思った。


●Anthonyとお母さん

RENTを語るときにAnthonyは欠かせなくて、Anthonyを語るときに欠かせない存在なのがお母さんなのだと思う。

新しい仕事が決まると真っ先に連絡していたというお母さん。

そんなお母さんとの思い出の数々。

素敵なお母さんだと伝わるだけに(一人芝居でAnthony自身がお母さん役としても喋るので優しさとかがめっちゃわかる)だんだん体調を崩していく過程に胸が締めつけられた。

それでも、突然ではなかったから少しずつ家族も準備ができたのかなと思った。

そしてそんなときにAnthonyを全力でサポートしたカンパニーのみんな。

大丈夫になったら帰ってきてねという言葉が暖かくて、カンパニーもAnthonyのホームなんだなと思った。


●冷静に作品として

まず、『RENT』を見てるか見てないかでだいぶ見方が分かれる作品。

知らない人が見て楽しめるかはわからない。

ドキュメンタリーみたいな感じ。

曲はRENTからわりと持ってきてる。

新規曲もあるけれど、RENTの曲を好きすぎるわたしとしてはそれより好き!ってなる曲はなかったかも。複数人で歌う曲のが好きってのもあるけど。

RENTではキャラクターの心情を歌っていた歌が、役者自身の歌として聴くと、曲にまた違った意味がつくのが面白かった。

新規曲ではお母さんが腫瘍につけた名前の曲が面白かった😂

一人芝居で90分というのは本当にすごいと思う。

場面によってはめっちゃペラペラしゃべるから字幕で削らざるをえなかった内容わりとありそう(席が前の方だったから字幕あんま見えなかった)。

でもAnthonyの英語は聞きやすいよね。

ギターのLeeさんのふわふわの髪の毛が美しかった😊


●愛の大感謝祭

おそらく本公演のオーディエンスは少なからずRENTを、そしてJonathanを愛した人たちだと思う。

出会ってすでにJonathanを失っていて、伝えどころのない愛を抱えてさまよっていたわたしたちに、Anthonyが思い出を語ることで、Jonathanの生を受け止め、ちゃんと感謝をさせてくれる機会を作ってくれた気がした。

この拍手は素晴らしいパフォーマンスへだけじゃなくて、Jonathanと出会ってくれて、彼との話をシェアしてくれた役者Anthony自身へのありがとうの拍手でもある。

公演の回数分、Anthonyは大事な友人と愛する母を失う追体験をし、同じだけ傷ついてみせ、天に向かって愛を伝える。

それはとてもしんどいだろうと思うとともに、彼の抱えていた重荷をシェアしてもらって一緒に昇華するような、不思議な気分になった。



(☝️NYのNederlander Theaterで観劇したときに買ったペンダント。)